カフカ第4の長編小説が発見された!? 敬愛する作家・カフカ「幻の」長編にKERAが果敢に挑む!
アウトサイダーにしてトップランナーという、特異なポジションで日本演劇界を席巻し続けるケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA)が、遂にKAATで書き下ろし新作を上演! 作品に合わせ劇場空間を大胆に変形させ、舞台表現の無限の可能性を追求するKAATならではの作品をと選んだ題材は、これまでも度々取り上げてきた彼が敬愛する作家・フランツ・カフカ。「失踪者」「審判」、そして遺作長編とされていた「城」に続く、カフカの4作目の長編小説の遺稿が発見され、それが舞台化されたとしたら!? 誰も知らないカフカの未発表長編の舞台化にKERAが挑戦。彼のマジカルな想像力が幻視する、ありもしないカフカ作品の捏造。今年一番の話題作!
出演は、KERA作品初登場の多部未華子を中心に、KERA作品初参加「陥没」では好演が光り、大きなインパクトを残した瀬戸康史、TEAM NACSの個性派俳優・音尾琢真、いまやドラマ・映画でかかせない存在となった渡辺いっけい、KERA上演台本・演出「8月の家族たち」での演技が高い評価を得た麻実れいに加え、KERA作品への出演を熱望していた村川絵梨、谷川昭一朗、武谷公雄。そして緒川たまきと、ナイロン100℃から参加の犬山イヌコ、大倉孝二、吉増裕士、菊池明明、伊与勢我夢らは、KERA作品を知り尽くしたいわばファミリーとも言える強力布陣。虚実入り交じる問題作に実力派俳優が集結! KAATが総力を挙げて取り組む渾身の新作に期待!
<ケラリーノ・サンドロヴィッチ(作・演出)コメント>
フランツ・カフカは生涯で4つの長編小説を書き、40歳で死んだ。3作はどれも未完で、途中が欠落しているか、途中で終わっている。出版されたのは彼の死後だ。
『ドクター・ホフマンのサナトリウム』(仮)は、先ごろ発見されて世界の文学界を騒然とさせた、カフカの4番目の長編小説の遺稿の舞台化だ。もちろんそんなものは発見されていないのだが。
KAATホールという、極めて自由度の高い空間での初めての書き下ろし公演で一体どんなものが創り出せるのか。せめて遺稿が発見されていれば、少しは予想もつくが、そうもいかない。世の中は不条理だ。
<ケラリーノ・サンドロヴィッチ プロフィール>
1963年東京都生まれ。82年、ニューウェイヴバンド・有頂天を結成。自主レーベルであるナゴムレコードを立ち上げる。並行して85年に劇団健康を旗揚げ、93年にナイロン100℃を始動。99年、『フローズン・ビーチ』にて第43回岸田國士戯曲賞受賞、現在は同賞の選考委員を務める。劇団公演に加えKERA•MAPなどのユニットも主宰するほか、『かもめ』を皮切りにチェーホフ四大戯曲全四作品の演出にも取り組んでいる。
映像活動では映画『グミ・チョコレート・パイン』『罪とか罰とか』、自身の企画であるテレビドラマ『怪奇恋愛作戦』(15年テレ東)、『北の桜守』(劇中演劇シーンの演出/18年東映)など。
音楽活動ではケラ&ザ・シンセサイザーズでボーカルを務めるほか、鈴木慶一氏とのユニットNo Lie-Sense、15年に再始動した有頂天など、各ユニットにて展開中。16年にはソロ・アルバム『Brown, White & Black』、No Lie-Sense『Japan’s Period』、有頂天『カフカズ・ロック/ニーチェズ・ポップ』をリリース。19年5月、新作ソロ・アルバムをリリース予定。
<近年の受賞歴>
2015年 ・第40回菊田一夫演劇賞
2016年 ・第23回読売演劇大賞 最優秀作品賞 / 優秀演出家賞(KERA•MAP「グッドバイ」)
・平成27年度芸術選奨 文部科学大臣賞(KERA•MAP「グッドバイ」の成果により)
・第51回紀伊國屋演劇賞 個人賞(「ヒトラー、最後の20000年〜ほとんど、何もない〜」作・演出、
世田谷パブリックシアター+KERA・MAP「キネマと恋人」台本・演出に対して)
2017年 ・第24回読売演劇大賞 最優秀演出家賞(「8月の家族たち August : Osage County」演出)
・第4回ハヤカワ「悲劇喜劇」賞(同「キネマと恋人」)
・第68回読売文学賞 戯曲シナリオ部門(同「キネマと恋人」上演台本)
2018年 ・秋の紫綬褒章受章
2019年 ・第26回読売演劇大賞 最優秀作品賞(ナイロン100℃「百年の秘密」)/優秀演出家賞(「百年の秘密」、KERA・MAP「修道女たち」演出
■公演概要
KAAT神奈川芸術劇場プロデュース
『ドクター・ホフマンのサナトリウム〜カフカ第4の長編〜』(仮)
【作・演出】ケラリーノ・サンドロヴィッチ
【振付】小野寺修二【映像】上田大樹【音楽】鈴木光介
【演奏】鈴木光介、伏見蛍、関根真理
【出演】多部未華子 瀬戸康史 音尾琢真 大倉孝二/渡辺いっけい 麻実れい
緒川たまき 村川絵梨 犬山イヌコ 谷川昭一朗
武谷公雄 吉増裕士 菊池明明 伊与勢我無
【会場】2019年11月KAAT神奈川芸術劇場<ホール>
<地方公演>兵庫県立芸術文化センター、北九州芸術劇場、穂の国とよはし芸術劇場
【チケット発売】2019年8月予定