TV アニメ「W’z《ウィズ》」舞台版、SPECTACLE STAGE「W’z《ウ ィズ》」が新宿のシアターサンモールにて4月10日初日を迎えた。
主演は竹中凌平が務め、アニメ版ではオープニング主題歌も担当、アニメでエンディング主題歌を担当している Fuki も舞台版ではキャストとして出演。ヒロインは元 HKT48 で TV アニメ「雨色ココア」のマリナ役でお馴染みの声優、山田麻莉奈、その他に、元 AKB48で現在は女優として多方面で活躍する田野優花や、同シリーズの舞台版『ハンドシェイカー』で主演を務めた古畑恵介など豪華キャストが出演。主演のユキヤ役を務める竹中凌平とフミユキ役の田中彪が、劇中 BGM 全曲を DJ プレイで表現する演出方法を取り入れ、本格 DJ プレイの再現に挑むのが見所となっている。
ストーリーはアニメ版に沿った形をとっており、アニメを視聴していたファンには、アニメの表現と舞台の表現の違いを楽しむことができ、ここは2.5次元舞台ならでは。
舞台セットはシンプルで抽象的、映像演出が映える。見所はやはりニムロデでのアクション、ここは映像とアクション、時にはパネルを使用し、テクノロジーとアナログの融合で魅せる。物語では基本的にはユキヤ(竹中凌平)が周囲の人々との関わり合いや戦いを通じて成長する姿を描いているが、それ以外のキャラクターのバックボーンも描かれており、多重的に楽しめるようになっている。ユキヤはDJに没頭している中学生、2017年に放送されたテレビアニメ『ハンドシェイカー』の10年後を舞台としており、同作の人物も登場するのもポイントとなっている。そしてDJシーンも必見、かなり本格的なので、ここはしっかりとチェックしておきたい。
ユキヤの持つ力、運命と絆、秘密が徐々に明かされていき、周囲の人々も変わっていく。そして、奥池ミドリの野望は?ラストのバトルシーンは必見シーンとなっている。
主人公のユキヤ演じる竹中凌平、繊細なキャラクターをいいさじ加減で暗くなりすぎず、10代の少年らしい揺れ動く気持ちを演じ、またアクションは思い切りの良さで見せ場を創っていたのが印象的。全てのキャラクターに見せ場があり、それぞれのハンドシェイカーの生きる姿、関係性、またヒールな立場のキャラクターにも各々の『事情』があり、共感できるところも。
アニメのストーリーを2時間でスピーディに見せてテンポよくすっきりとした舞台であった。
ゲネプロ後に会見が行われた。登壇したのは、ユキヤ役の竹中凌平、ハルカ役の山田麻莉奈、コヨリ役の平松可奈子、タヅナ役の古畑恵介、タマリ役のFuki。
GPが終わった感想と意気込みについては、竹中凌平は「稽古合流が遅かったので、GPが無事に終えてすごくほっとしています。この舞台は殺陣もいっぱいあってDJもあってFukiさんも歌うし、本当に盛りだくさん!見所がありすぎてどこを観ていいかわからないと思います。まずは足を運んでいただいていろんな楽しみ方をしていただければ」とPR。
「初めての舞台で声優はやっていますが、舞台で演技するのは初めてなので、すごく緊張しています」と山田麻莉奈「あと、殺陣も初めてのことで、イチから鍛えられて、ここまでくることができました。今日のGP、ちゃんと終えることができたので初日も無事に終えられたらと思います。8公演、最後まで楽しんでいきたいと思います」と抱負を語る。
平松可奈子は「稽古が始まった時、アニメも始まってまして、舞台の脚本は完結した状態でいただいていましたが、アニメの進行状況を見ながら付け足されたシーンもあったりしまして、アニメをすごく大事にして作り上げてきました。衣装さんやヘアメイクさんもかなりアニメに忠実に創ってて、そういう点でも作品愛を感じます。衣装やヘアメイクにも注目してください。最後まで舞台楽しんで欲しいなと思います」、ここの再現度は必見!
「前作にも出演しておりまして、その時は出演者の方々やスタッフの方に助けていただいてましたが、今回は、僕は支える側に回って、僕自身も成長したと思うので、凌平くんを支えられるようになれたらと思い、稽古に励んでまいりました。この作品の力になれたらいいなと。観に来ていただけると嬉しいです」と古畑恵介。世界観に完璧に馴染んでいる姿はさすが。
「アニメの中では歌うシーンはないのですが、ちょっと歌わせていただいて、こういう機会をいただけて、そしてお芝居と殺陣と、初めての試みにチャレンジさせていただいて嬉しく思っています。エンディング主題歌は自分で歌詞も書いております。シナリオも読み込んで理解しているつもりです。この世界観を2時間の中で表現できるように、タマリ役として作品の一助になれるように8公演演じていきたいと思います。歌詞は舞台のために変えています!ポイントです!」とFuki。歌のシーンではダンサーの『舞い』に注目!かなりしっとりとしたバレエを基礎としたコリオでアクセントに。
またキャラクターを演じるに当たって気をつけたことに関しては「喋り方はアニメを観て意識しました。思春期出し、繊細ですけど、でも繊細に演じすぎると暗くなるので、明るく出せるところは明るくしてバランスを考えました」と竹中凌平。山田麻莉奈は「明るい元気な女の子に見えるのですが、後半になって感情が大きくなっていくところを表現できたら。もっともっと表現できるように頑張ります」と意気込んだ。平松可奈子は「『ハンドシェイカー』のヒロインで、前回は全然喋らなかったんですが、ここでは感情を表現できるように、そこを大事にして、今まで喋れなかった子がいろんな感情を少しづつ出していくのを意識して勉強しました。人気キャラクターなので声も研究して頑張りました」と工夫を重ねた様子。古畑恵介は「前回出演時に演じたのを持ってこようかなと思ったのですが、キャストもガラリと変わったので、前回のは(そこは)出さずに今回、新たに作る気持ちでのぞんでまいりました。このカンパニーみんなで創り上げたタヅナくんです。前回、観た方にも楽しんでいただける作品になったかなと思います」と役つくりのポイントを語る。Fukiは「アニメでは登場回数は少ないのですが、見た目は天真爛漫で、何を考えているのかわからないキャラクター。真剣に話しているのにニコニコしている。『ニコニコしているのにすごい怖いキャラクターっているじゃないですか』って教えていただいたのでニコニコ笑顔の裏に何かラスボス感が出せればいいなと」とコメント。笑顔に注意!
また見所について竹中凌平は「DJ!DJの機械を借りてライフワークみたいになっててユキヤが馴染んでいるというか、彼の成長物語なので、そこを観ていただけたら」とコメント。山田麻莉奈は「ハルカはユキヤに想いを寄せています。恋している子がいたら気持ちを重ねられるかな?と。ストーリーが進むに連れてハルカの成長している姿をじっくりと楽しめると思います」と、恋する女の子、ハルカに注目。また平松可奈子はハンドシェイカーの生き様について言及「それぞれのバックボーンや叶えたいものは何なのかに注目していただけたら」と語るが、ここはそれぞれの演技をしっかりと!観ると「そうだったのか」とわかるようになっている。
古畑恵介は「『ハンドシェイカー』と『 W’z』の良さは敵側にも感情移入できるところ。敵にもたくさんストーリーがあるので、そっちの方も観ていただけたら」とコメント。Fukiは「儚いバラードはあんまり歌わないので声がですぎないように気をつけています。ハルカの心情を歌った曲なので、彼女の想いを伝えらえるように抑えながら歌っています。あとはハンドシェイカーの各々の人生が詰まっているので。押しを見つけてもらえたら」と語る。
最後に竹中凌平が「原作に忠実な作品になっていますので、原作ファンはもちろん、舞台好きな方にももちろん!結構、王道なストーリーだと思います!誰が観ても楽しんでもらえる作品だと思います。ぜひ、シアターサンモールまで!」と閉めて会見は終了した。
<配役>
ユキヤ 竹中凌平
ミドリ 中島礼貴
セバ 奥田圭悟
ガイ 澤井俊輝
マサタカ HAKU (SUPER FANTASY)
フミユキ 田中彪
レイジロウ 及川洸
ハルカ 山田麻莉奈
センリ 遠藤瑠香
ハナ 田野優花
タマリ Fuki
ユキネ 谷 茜子
タヅナ 古畑恵介
コヨリ 平松可奈子
マキハラ 中谷智昭
リリ 千歳ゆう
マサル 堀ノ内 翼
チヅル 秋場悠里
ハヤテ 森川大輝
【公演概要】
公演名:SPECTACLE STAGE「W’z《ウィズ》」
日時:2019年4月10日(水)~14日(日)
会場:シアターサンモール
脚本・演出:吉田武寛
原案:GoHands(TVアニメ「W’z《ウィズ》」)
原作:GoHands×Frontier Works(TVアニメ「W’z《ウィズ》」)
音楽:GOON TRAX
協力:フロンティアワークス / Am-bitioN/ style office
企画・制作:ILLUMINUS
公式サイト:http://www.wz-stage.com/
公式ツイッター:https://twitter.com/Wz_stage
取材・文:Hiromi Koh