舞台『銀河鉄道 999』さよならメーテル〜僕の永遠” 「限りある命だからこそできること」鉄郎が、メーテルが、運命の歯車が動く、その顛末は?

舞台『銀河鉄道 999』さよならメーテル〜僕の永遠”が開幕した。
幕開き、キャプテン・ハーロック(平方元基)が登場、惑星ラーメダスについて説明する。そしてプロメシューム(松下由樹)の声が朗々と響き渡り、エメラルダス(凰稀かなめ)と民衆が登場し、「We don’t wanna be achinery」を歌う。

最初から重厚なシーン、民衆は殺される、呆然とするエメラルダス、衝撃的な場面、そこへプロメシューム、エメラルダスと対峙する。母娘の関係性をドラマチックに見せる。「お母様、聞いてください!」「私は間違いなどしない」しかもプロメシュームは機械帝国の女王、その眼差しはエメラルダスを圧倒する。

エメラルダス、メーテルは母であるプロメシュームと対立する。鉄郎(中川晃教)とメーテルの銀河鉄道999での旅を軸にして物語が絡んでいく。かつて鉄郎は機械の体を手に入れたいと思っていた。ところが、機械の体をタダでくれるという星を破壊してしまいたいと、新たな想いを抱く。エメラルダスの決意、メーテルの想い、それらがラスト近くに大きなうねりとなって物語を動かしていく。また、時が歪んだ際に、もう一つの銀河鉄道999が現れ、そこにのっていた少年・ハミル(前山剛久)に出会う。彼もまた肉親を機械化人に殺されていた。鉄郎は母親を殺されたことを話す。持てる者、持たざる者、「機械の体を手に入れることが母さんの夢だった」という鉄郎。死ぬことはない機械の体、しかし鉄郎は気づく、「限りある命の人間だからこそできることがある」という。またメーテルの父、ドクター・バン(声:塚原大助)はメーテルに「運命は切り開くもの」「人生は自分で選び取るもの」という。ドクター・バンは「反機械化世界を目指した裏切り者」、よってプロメシュームと対立、今はペンダントにつけられたカプセルになっており、常にメーテルとともにいる。そしてラスト、プロメシュームは?メーテルは?鉄郎はどうなるのか?

 


大切なもの、人との出会い、生きることはどういうことなのか、この壮大な物語には様々なことが詰まっている。幸せ=永遠の命なのか。答えの出ない命題、いつかは寿命がくる人間と寿命とは無関係の機械化人間、大事なのはどう生きるか、ということ。クレア(美山加恋)は鉄郎に想いを寄せていた。そして鉄郎のために自らを犠牲にする。はたからみたら不幸かもしれないが、心寄せる人のために生きた、クレアは自分が納得できる生き方、行動をとったのではないだろうか。抗えない運命があり、通したい想いがある。幻想的な映像演出、ところどころで歌われる歌は印象的、中川晃教始め皆歌唱力が高く、どの歌も聞き惚れてしまう。ラストシーンは満天の星、人生という旅は終わらない。

なお、ゲネプロ終了後に囲み会見があった。コメントは以下の通り。
[星野鉄郎役:中川晃教]
=今の心境は?=
─この物語は運命や希望など、いくつもの心に刺さる言葉たちが出てきます。最近、ブラックホールが僕たちの目で確認できる奇跡的な瞬間を私たちは迎えましたが、松本先生の作品の中にもブラックホールが何度も登場してきます。そのようなものを僕たちは見て、そして感じながら、この作品に携わることが出来、出会うべくしてこの作品と出会った僕たち全員が今日初日を迎える、そんな気持ちが相まって、体が熱くなっています。
=この作品のPRをお願いします=
─この作品は夢と希望、そして元気が詰まっています。見所はたくさんありますが、中でも、エメラルダスやハーロックは何故孤独な海賊になったのか、鉄郎と運命のサークルの中で出会ってしまったことで、ドラマが紐解かれていきます。そして宿敵であるプロメシュームという存在と、娘であるメーテルと旅をする中で鉄郎は自分の役割を果たし、二人は最後にキスをします。このキスの向こうにあるものを、お客様に感じていただきたいと思います。キャストとスタッフ全員でこの作品を最高の物に仕上げていきます。皆さん、ぜひ劇場に足をお運びください。

[プロメシューム役:松下由樹]
皆んなの壁にならなければいけない機械世界の女王なので、そこはキープしながら思い切り舞台にぶつけたいと思います。
=松本先生、松下さんのプロメシュームはいかがですか?=
─素晴らしいですね。迫力があって、少年の日からこういう強くて怖くて恐ろしくて、優しい女性に憧れていましたので、とても嬉しいです。

[原作・総監修:松本零士]
幼い頃から考えていた僕の作品を演じて頂くというは憧れだったので、とても嬉しく思います。
“999”というのは永遠の青春です。に続くという事です。
僕の人生は幸せです.また銀河鉄道と一緒に旅をしたいと思います。
=モンキー・パンチ、小池一夫に対して=
お二人とも同世代で、作家デビューもほぼ同じ時期でしたので、先日永遠の旅に立たれたのはとても残念です。特にモンキーパンチさんは友達で、皆で支え合っていたので、また一人いなくなったのはとても残念です。ですが、また会えるのを信じています。

<バックステージツアー実施!>
2018年に大好評だった企画、舞台『銀河鉄道999』をより深く知ってもらうためのバックステージツアーの開催が決定。
終演後、舞台スタッフの方を迎えて、舞台『銀河鉄道999』の創作秘話や稽古にまつわるお話を聞きながら、通常は見る機会のない舞台装置や小道具を間近でご紹介。めったにない貴重なチャンス!
「バックステージツアー付きチケット」
◯対象公演:
4月24日(水)13:00の回
4月26日(金)13:00の回
◯チケット販売:チケットぴあ https://w.pia.jp/t/999-40/
※バックステージツアー付と印字されたチケットをご持参の上、終演後10分以内に「バックステージツアー受付」にお集まり下さい。
※予定枚数が終了次第、販売を終了致します。予めご了承下さい。

<あらすじ>
機械の体になって永遠の命を手に入れるため、人間狩りで殺された母の仇を討つため、謎の美女メーテルから999号のパスをもらい、一緒に旅立った星野鉄郎。要塞時間城へ辿り着き、母を殺した機械伯爵への復讐を遂げた。鉄郎は、様々な出会い、生身の人間や機械化人たちとの触れ合いによって、限りある生命の美しさに気づき、機械の体をタダでくれるという星を破壊してしまいたいと、新たな想いを抱く。旅を続ける鉄郎を終着駅・惑星大アンドロメダで待っていたのは、機械帝国の女王であり、クイーン・エメラルダスとメーテルの母であるプロメシュームだった―。
<キャスト>
星野鉄郎:中川晃教
クイーン・エメラルダス:凰稀かなめ
ハミル/機械伯爵:前山剛久
リューズ:矢沢洋子
メーテル:木下晴香/伊波杏樹
クレア:美山加恋
車掌:お宮の松
ドクター・バン(声):塚原大助
プロメシューム:松下由樹(特別出演)
キャプテン・ハーロック:平方元基
【公演概要】
“銀河鉄道999 劇場版公 開40周年記念作品 舞台『銀河鉄道999』さよならメーテル〜僕の永遠”
<東京公演>[日程]2019年4月20日(土)〜29日(月・祝) 明治座
<大阪公演>[日程]2019年5月10日(金)〜12日(日) 梅田芸術劇場メインホール
原作 総監修:松本零士
<スタッフ>
脚本・作詞:石丸さち子
演出:落石明憲
映像演出:ムーチョ村松
<主催> 舞台『銀河鉄道999』実行委員会2019
公式サイト: https://999-40.jp
公式twitter:@GalaxyEX999_40

(C)松本零士・東映アニメーション
(C)舞台『銀河鉄道999』実行委員会2018
(C)松本零士・東映アニメーション

文:Hiromi Koh