「信長の野望・大志 ‒夢 幻-~本能寺の変~」戦国時代最大の事件!「敵は本能寺にあり!」

2017年にコーエーテクモゲームスから発売された歴史シミュレーションゲーム「信長の野望・大志」を原作とした舞台シリーズの第3弾。今回は“SIDE織田”“SIDE明智”の2バージョンで上演される。

雨の音、明智光秀(谷佳樹)のモノローグ、1582年、天正10年、明智光秀が本能寺を襲い、織田信長を自殺に追い込んだ有名な事件だ。タイトルにもあるように、この事件に向かって物語は突き進んでいく。本来の歴史なら生きていない人物、生きている人物、これは歴史上の人物が現代の記憶を持っている、という前提、今までのシリーズの『おさらい』から始まり、最初から舞台シリーズを見ている観客には復習に、見てない場合には観劇前の予備知識となる。「本能寺、何が起こるか知っている!」、もちろん観客も!だ。

そしてオープニング、賑やかに!登場する全ての武将が顔を揃える。お市演じる田中れいなが歌う。この曲がかかるといよいよ、という感じになり、自然とテンションが上がる瞬間だ。そしてスクリーンに文字が!ゲネプロではSIDE織田が披露された。
「なんでも起こりうるのだ」と織田信長(鶏冠井孝介)、意味深な発言だ。現代の記憶を持っていることは、つまりその時点での『未来』がわかる、ということ。随所に出てくる言葉「歴史がどうなるか、知っている」。ストーリーは学校で習った歴史の流れにはならない。なぜならば、現代の記憶を持っている武将が、自分の運命に抗おうとしたり、葛藤したりするからだ。実は、そこがこのシリーズの特徴、そして今井宗久(彦摩呂)、結構うろうろ、ここはポイント。

またお市の方が!兄上を諌めたり!感情を爆発!また女性陣の活躍は見逃せない。また、まさかの行動を起こすキャラクターも!もちろん史実とは異なるので、ここはチェックポイント。第一弾、第二弾と続いての第三弾なので史実ではいないキャラクターもここでは存在していたり。『もしもいたら』的な想像が膨らむところ。1幕の幕切れは、まさかの人物が信長を!そして2幕では、そこが感涙な流れで回収される。そして物語はいよいよクライマックス、本能寺へと!信長は知っていた、それを語り、お市は「女々しい!」と一喝する。兄妹の絆、「兄上は兄上なんだから!」とお市。そして有名なセリフ「敵は本能寺にあり!!!!」。その結末は?織田信長は?明智光秀は?お市は?最後の景色は?

戦国時代だけに殺陣とアクション、全体の半分以上を占める。前回にもまして難易度が上がったように感じる。特にやりを使った大立ち回りは長さがあるのでかなりの稽古量だったと思うが、ゲネプロではつつがなく!練習の成果!舞台の高低を使った動きも激しく、大きなジャンプで魅せたり!

未来が見える、わかる、そこで生まれる悩み、本来の歴史通りに行動するのがいいのか、そのままだと自分は志を果たすことはできない、かと言って歴史を変えていいものかどうか。そこに生まれる摩擦と揺らぎ、この心の動きも見逃せない。
実は本能寺の変は戦国時代の最大のミステリーと言われており、明智光秀は織田信長の遺体も首も見つけることはできなかったと言われている。よって本当のところは不明なので、いろいろと想像が膨らむところだ。また、本当の史実とは異なるのでキャスト表を見ると「この人が?」というのもあるので、ここもしっかり確認しておきたい。
そして本編終わって・・・・・「ん?」声が響く・・・・・織田信長曰く「生きていたのか!」ドーーンとスクリーンにキーワードは「桶狭間」まだまだ続く、「信長の野望」!!!!

ゲネプロ前に囲み会見があった。登壇したのは織田信長役の鶏冠井孝介、明智光秀役の谷佳樹、お市の田中れいな、前田利益(慶次郎)役の友常勇気、茶々役の前田亜美、今井宗久役の彦摩呂。
鶏冠井孝介は「三作目で一番のミステリー、本能寺の変です。この名に負けることなく!」と意気込む。谷佳樹は「僕自身1年間かけて作り上げてきました。本来の歴史とは違う本能寺の変を見ていただきます。明智は?信長は?どんな人物だったかをを見ていただきたい感情移入していただきたい」と語る。披露されたのはSIDE織田であるが、SIDE明智も見逃せない。田中れいなは「私も3作目です。今まではお市はあんまり感情を表に出さないタイプの女性で悲しいことがあっても結構、すーっとしてて。今まではそれをどう舞台で表せばいいのかなと難しいなと思っていました。今回は兄上のシーンでやっと妹らしさを出せるのが嬉しくって。見てて兄妹愛だなと思っていただければ」とコメント。友常勇気は「二回目ですが、前回は違う役武田勝頼でしたが、今回は織田家の前田慶次郎として復活させていただきました。学校では教わらない本能寺の変・・・・・各キャラクターも個性豊かに存分に演じています!」とコメントしたが、脇を彩る武将たちが!とにかく濃い!存在感バッチリ!茶々役の前田亜美は「初めての参加です。茶々、どんどん成長しているので・・・・・私が一番背が高いのがこだわりらしく、どんどん身長も!一生懸命一輪の花のように個性を出して」とコメントしたが、勝気な茶々で舞台のアクセントに。彦摩呂は「ストーリーテラーの役割もありますが、今回はうろうろしています。お茶のシーンは一切ありません!」ときっぱり!谷佳樹は「SIDE明智では妻がすごく重要な役を担っています。一年間のストーリーの回収にもなっています」と語る。鶏冠井孝介は「信長は現代の記憶を持っています。現代人の弱さ、現代人にしか考えれないの思考を持っています」とコメント。歌について田中れいなは「新曲です!かっこいい感じの!ちょっとミュージカルっぽくなっています。歌いながら交じって他の方たちとからむっていう・・・・これでは初めてだったのでそこは頑張りたいです」とコメント。前田亜美は田中れいなの歌について「すごい楽しみにしています!」とコメント、オープニング曲はもちろん、友常勇気は「森蘭丸と石田三成など、歴史に花を添える人物がたくさん出てきます」と語る。また彦摩呂は「今回は結構、歩いてます!お出かけもあります!」とコメント。鶏冠井孝介は「Wサイド、同じ時系列で話が進み、表裏一体」とコメント。そして彦摩呂が「殺陣が込み入っててそれでみんな覚えるのが早い!谷は天才!台本持ってるのを見たことがない」と絶賛。最後に鶏冠井孝介が「1ヶ月以上稽古してきました。最多出場49人!誰も手を抜かずに今日までやってきました。必ず楽しませます!」と締めて会見は終了した。

【キャスト】
織田信長 鶏冠井孝介
明智光秀 谷佳樹

<織田家>
お市 田中れいな
前田利益(慶次郎)友常勇気
柴田勝家 鵜飼主水
丹羽長秀 中村ヒロユキ
森蘭丸 高岡裕貴
浅井重政(万福丸)小栗諒
煕子(ひろこ) 小川夏果
帰蝶 和久井優
茶々 前田亜美

<羽柴家>
羽柴秀吉 後藤健流
ねね 斉藤レイ
石田三成 影山達也
うた 橋本耀
黒田官兵衛 幸村吉也

<上杉家>
上杉謙信 根本正勝
直江兼続 宮澤佑
お船 根岸愛

<徳川家>
徳川家康 竹石悟朗
石川数正 登野城佑真
本多忠勝 宮元英光
榊原康政 霜月紫
井伊直政 松田将希
瞼(まぶた) 香音有希

<毛利家>
毛利輝元 田渕法明
吉川元春 輝海
小早川隆景 吉武大地
山中鹿之助 山本誠大

<その他の勢力>
松永久秀 南翔太
鈴木重秀(雑賀孫一)柏木佑介
真田昌幸 菊田大輔
下間頼廉 矢野たけし
真田信幸 岩崎良祐
本願寺顕如 吉田宗洋
足利義昭 加藤凛太郎
お橋 笹木香利
お焦 荒澤守
今井宗久 彦摩呂

【公演スケジュール】 (O)=SIDE 織田 (A)=SIDE 明智
<埼玉公演> 戸田市文化会館
2019 年5 月18 日(土)17:00(O)1 公演[プレビュー公演]
<東京公演> シアター1010
2019 年5 月21 日(火)〜26 日(日)10 公演
5 月21 日(火) 18:00 開演(A)
5 月22 日(水) 13:00 開演(O) 18:00 開演(A)
5 月23 日(木) 13:00 開演(A) 18:00 開演(O)
5 月24 日(金) 13:00 開演(O) 18:00 開演(A)
5 月25 日(土) 13:00 開演(O) 18:00 開演(A)
5 月26 日(日) 13:00 開演(O+SP イベント)
※26 日SP イベントの内容は後日発表となります。
<埼玉公演>プレミアムシート8,800 円(特典付)、S 席5,800 円、A 席4,800 円
<東京公演>プレミアムシート10,800 円(特典付)、S 席7.800 円、A 席6.800 円
※22 日、23 日、24 日の3 日間限定 1 日通し券あり
プレミアムシート21,600 円(特典付)、S 席15,600 円 更に通し券専用の記念品あり
東京公演(千穐楽)プレミアムシート11,800 円(特典付)、S 席8.800 円、A 席7.800 円
※特典、記念品は観劇当日の引換になります。
※通し券は、ゲーム先行、出演者先行、CN プレイガイド先行のみ
【公演概要】
公演名:舞台「信長の野望•大志 夢幻 ~本能寺の変~」<SIDE 織田><SIDE 明智>
日程:
<埼玉公演>2019 年5 月18 日(土)戸田市文化会館
<東京公演>2019 年5 月21 日(火)〜26 日(日)シアター1010
原作:コーエーテクモゲームス
脚本・演出:久保田唱 (企画演劇集団ボクラ団義)
企画:SANETTY Produce
主催:舞台「信長の野望・大志」製作委員会、足立区シアター1010 指定管理者(東京公演)
共催:戸田市文化会館(埼玉公演)

公式HP:https://www.nobunaga-stage.com/

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文:Hiromi Koh