青山メインランドファンタジースペシャル ブロードウェイミュージカル『ピーターパン』 製作発表記者会見!令和初!初演から39年目!

7月21日(日)から28日(日)まで彩の国さいたま芸術劇場大ホールにて、8月2日(金)から5日(月)までカルッツかわさき(川崎市スポーツ・文化総合センター)ホールにて、青山メインランドファンタジースペシャル ブロードウェイミュージカル「ピーターパン」が上演される。
1981年に榊原郁恵が初代ピーターパン役として日本初上演して以来、毎年多くの子どもたちと大人たちに夢と感動を与え続け、今年で39年目を迎える。
演出は、今年 1 月ロンドンで上演したミュージカル『VIOLET』の演出を手がけるなど話題沸騰中の藤田俊太郎が 3 年連続で務め、2017 年に10代目ピーターパンとしてデビューし、新人ながらも圧倒的な存在感で観客を魅了した吉柳咲良が 3 年目のピーターパン役を担う。フック船長/ダーリング氏役には EXILE のヴォーカル&パフ ォーマーで本格ミュージカル初出演のEXILE NESMITH、ウェンディ役は昨年に引き続き河西智美、タイガー・リリー役に本作で芸能界復帰となる宮澤佐江、そして吉柳と共に 3年目のダーリング夫人役の入絵加奈子、ライザ役の 久保田磨希と魅力溢れる布陣。
6月4日、都内で製作発表が行われた。MCはフジテレビアナウンサーの軽部真一。
まずはピーターパン役の吉柳咲良が登場し、「I’m flying」を熱唱。3年目ということもあって堂々とした歌いっぷり。それから取材陣の他に幸運な一般のお客様も客席に。

まずはホリプロの堀社長が挨拶。ブロードウェイ初演からなんと64年!「全てのスタートは『ピーターパン』」とコメント。日本初演は昭和56年のこと。そして「これは大人のための話。全国のみなさんに楽しんでいただければ」と語った。
そしてメインキャストが衣装を着用して登壇、大きな拍手。
演出の藤田俊太郎は「またこの作品に関われて光栄です」と語り、3つお話したいと前置きし、この作品は「ロンドンのグレート・オーモンド・ストリート病院(※)に寄付」をしていること、つまり収益の一部を寄付している。ここに入院している子供達の力となっている。それから「ゲネプロに重度の障害者を招待していること」、通常の公演ではなかなか劇場にくることのできない方々にミュージカルを楽しんでいただいている、と言うこと。そして「今回の川崎の公演の子供A席は2000円」ということ。通常は席を一つ使うのであれば年齢に関係なく料金が発生するのが一般的であるが、この川崎の公演は破格。子供たちに良質の舞台作品を、という意図である。さらに「話が長くなりますが」と前置きしてキャスト一人一人について言及する旨を(ここでキャスト全員、一瞬、どよめく(笑))。
以下、演出家よりキャストへのコメント。
吉柳咲良(ピーターパン)「一昨年、初舞台でした。カンパニーの人たちに引っ張ってもらっていたと思います!今年は座長としてカンパニーを引っ張る、そして支えて欲しいです」
河西智美(ウェンディ)「とても真面目で。言葉を通して、この作品の良さを。とても魅力的な女優さんです」
宮澤佐江(タイガー・リリー)「この作品で復帰なさる宮澤さんに大きな拍手を!(大きな拍手)2年ぶりの『ピーターパン』大いに暴れて欲しいと思います!」
入絵加奈子(ダーリング夫人)「2004年にはウェンディ、それからダーリング夫人。導いて欲しいです。まさに『ピーターパン』の生き字引です!(本人照れる)『ピーターパン』の歴史を語ってくれることを!」
久保田磨希(ライザ)「僕が演出する『ピーターパン』のキーパソンです。しばらく、役そのものがカットされていましたが、僕が熱望して復帰した役です。お客様と一緒に本の世界を開いて、原作、そしてお芝居の世界を両方体験できるストーリーテラーです」
EXILE NESMITH(フック船長/ダーリング氏)「ご一緒できることがとても光栄です。ミックスであるNESMITHさんがフック船長とダーリング役を演じることは、とても重要な意味を持っています。役を演じる時に、何か制約されるのではなくて、重要なことは、その方の人間力とか表現力がそういうものの豊かさが大事な役です。この公演で一緒に実証したいと思います」
そして「ここにいないキャストの方々とスタッフで2019年版の『ピーターパン』を作っていきたいと思います」
と細かく!熱く!

それからキャストの挨拶。

「今年で3年目です。1年目より大人になって・・・・素敵な作品を!」(吉柳咲良)

「ミュージカルは初めてです。以前からチャレンジしてみたいと思っていたことを素晴らしいキャストとスタッフの皆さんとに囲まれてできることをうれしく思います。昨年フック船長を演じたISSAさんから『22代目フック船長、ネス、よろしくな』と言っていただけてうれしかったです。藤田さんもおっしゃったようにミックスでこういった役をやらせていただけること、こういった場所があることは意味があること。LDHの後輩たちにも自分がやったことで何かを示せたらと。HIROさんからは『めっちゃ面白そうじゃん、ネスやればいいじゃん』って。あとTAKAHIROくんに『ティンカーベルじゃないんだ。ネッさんのティンカーベルが見たかった』と(笑)」(EXILE NESMITH)

「パワーをもらったミュージカル、今年もワクワク!めちゃくちゃテンション、上がっています!(宮澤佐江との初共演について)卒業してからも、同じ舞台でやりたかったことを見てもらえるのはなかなかない機会なので!」(河西智美)

「戻ってこれて嬉しい!素敵な舞台に!」(宮澤佐江)

「年々、旦那様が若返っております!節目の年、半世紀です!ダーリング夫人としては最年長!ウェンディの時も最年長!夫人は子供達の帰りを待つ芯の強い女性です。日本中の子供達に愛と希望と夢を!」(入絵加奈子)

「絵本から飛び出す、ライザが誘う、こういう『ピーターパン』は世界でもこれだけではないかと。大人たちにも楽しんでもらわないと!プレッシャーを感じています。先輩たちが演じてきた『ピーターパン』を大切に演じていきたいです」(久保田磨希)

また、基本的に台本は変わらないが、2018年の上演の経験を踏まえた『工夫』、その際にライザと客席との掛け合いがあったが、そこから見えてきたものを台本に反映させているとのことだ。ここはお楽しみポイント。また吉柳咲良は「1年目、2年目はいろんなことがいっぺんに押し寄せて・・・・・それからいろんなことに挑戦してきて・・・・・・言葉の奥深さを探りたい。15歳にしかできないピーターパンを!」と意気込んだ。また、EXILE NESMITHは衣装について聞かれ「初めてお会いする方もいらして、衣装を着ていよいよ始まるなと。稽古も少しずつ始まって。チャレンジしたいと思ってたし、新鮮だし、『俺、本当にフックやるんだーーー』自分の中にフックが入ってきている・・・・・ここで得られたものを劇団とかパフォーマンスに生かしたい」と語ったが、佇まいがフック船長!っぽい!

吉柳咲良はフライングについて聞かれ「楽しい!空を飛ぶことが快感!」と元気よく。初役の頃を比べると一回りたくましくなった感。最後に吉柳咲良が「小さい子から大人まで楽しめるミュージカル、いろんなことが感じられるミュージカルです!!!」と締めて会見は終了した。
改めて囲みも執り行われた。

吉柳咲良は隣の”フック船長”を見上げて「威圧感がもう……負けないようにがんばります(笑)」。会見の前の吉柳咲良の歌唱についてEXILE NESMITHは「感動しました」とコメントし「(衣装を着て)不思議な感覚、自分なりのフックが生まれつつある。自由に楽しもうと」と語ったが、本当に衣装が似合う。見所については吉柳咲良は「フライングもそうですが、ティンカーベルとのシーンが一番、難しい、お客様に声をかける瞬間がお客様と一つになれる」とコメントしたが、ここは全体のストーリーの中でもハイライトシーン、感動&感涙する場面だ。EXILE NESMITHは「海賊団のやり取りが観に来ていただいている皆さんにどういうふうに伝わるのかを考えておりまして・・・・・・・クルーとのやり取り、チーム感を見ていただければ」とコメント。河西智美は「『ピーターパン』と出会っていろんな感情が生まれてきた、本当のお母さんになりたくなる、大人も心から楽しんでもらえる作品」と改めて。宮澤佐江は「演出が素敵だなと。一昨年出て、去年はお客さんとして拝見しました。ネバーランドのシーンは『なんだろう、この瞬間は』って思いました」と語るが、ネバーランドは一種の憧れの場所であり、空想がどこまでも広がるところ。観客もネバーランドのシーンはきっと「おお〜」な瞬間。そして寄付について聞かれた吉柳咲良は「すごいことをやらせていただいてるんだな」としみじみ。宮澤佐江は再び「戻ってこれて嬉しい。皆さんに付いていって、1年分貯めていたパワーをステージでたくさん発揮できたら!」と復帰の喜びを。吉柳咲良は作品について「いろんな人に勇気を与えられる作品」と語ったが、ブロードウェイ初演から64年、日本初演は昭和56年のこと。昭和、平成、令和と途切れずに上演され続けている名作。作品の歴史はまだまだ『ING』、終わりは、きっとない、だから『NEVER』。

<キャスト>
吉柳咲良:ピーターパン
EXILE NESMITH:フック船長/ダーリング氏
河西智美:ウェンディ
宮澤佐江:タイガー・リリー
入絵加奈子:ダーリング夫人
久保田磨希:ライザ

萬谷法英:スミー
笠原竜司:ヌードラー
森山大輔:チェッコ
髙橋英希:マリンズ
西村 聡:スターキー

安田カナ:トゥートゥルズ
田畑亜弥:双子
庄司ゆらの:スライトリー
出口稚子:カーリー/ジェイン
川村海乃:ニブス

小山圭太:ジョージ・スコーリー
長嶋拓也:アルフ・メーリン
松本城太郎:チャールズ・ターリー
石上龍成:フォジェティ

三浦莉奈:ナナ/ワニ

持田唯颯:ジョン
山田こはな:マイケル(Wキャスト)
遠藤希子:マイケル(Wキャスト)

【公演概要】
タイトル:青山メインランドファンタジースペシャル ブロードウェイミュージカル「ピーターパン」
日程・場所:2019年7月21日(日)〜7月28日(日) 彩の国さいたま芸術劇場大ホール
2019年8月2日(金)〜8月5日(月) カルッツかわさき(川崎市スポーツ・文化総合センター)ホール

原作:ジェームズ・M・バリ
作詞:キャロリン・リー
作曲:ムース・チャーラップ
翻訳/訳詞:青井陽治
演出:藤田俊太郎

音楽監督/作・編曲:宮川彬良
振付:新海絵理子
エグゼクティブプロデューサー:堀威夫
公式HP:https://horipro-stage.jp/stage/peterpan/
※イギリス最古の小児専門病院。原作者のバリは1929年、「ピーターパン」から得る収入をすべて同院に寄付、作品の著作権も無期限に病院に帰属させているが、1852年の創立当時ベッド数10床の病院は、今では300床を超える世界屈指の小児病院として知られている。

取材・文:Hiromi Koh