地球ゴージャスプロデュース公演 Vol.15『ZEROTOPIA』開幕!!

 

ダイワハウス Special 地球ゴージャスプロデュース公演 Vol.15『ZEROTOPIA』が開幕した。本作は岸谷五朗と寺脇康文が主宰する演劇ユニット「地球ゴージャス」プロデュースの最新作。1994年に結成された地球ゴージャスは、これまで様々なゲストを迎え、14作品を上演してきた。そして、約2年ぶりとなる第15弾公演は『ZEROTOPIA』と題して、沈没した豪華客船から必然的に生き残った男女に待ち受ける運命が描かれる。

上演前には軽快な舞踏曲が流れ、緞帳に豪華な船内の映像が映し出されることで、劇場内がまるで豪華客船の中のように表現されている。そして、幕が上がると状況は一変。西川貴教のパワフルで熱いOPナンバー『Dynamic Dynamite Extreme』が終わると、豪華客船が沈没してしまう。生き残った男女がたどり着いたのは、色を失った島だった。

 

 

彷徨い徘徊している内に出逢いを重ねる人々。罪を隠す女、恨みを隠す男、悲しみを隠す男、狂気を隠す女、何も隠さない男、そして企みを隠す男。彼らはなぜ集められたのか。心の奥底に巣食う闇を抱えて生きてきた彼らに、魔の手が近づく…。色彩が無いのは島のセットだけでなく、衣装もその島に合わせたものとなっている。山本寛斎コレクションによる衣装は白や銀を基調とした色味を抑えながらもエンターテインメントなもので、前回公演『The Love Bugs』のカラフルな衣装とは真逆で印象的だ。

 

一方で、色を失った現実世界とは違い、島にたどり着いた男女の心にある過去が描かれるシーンでは照明などを駆使して色彩豊かな場面へと転換する。そのコントラストが、登場人物たちの心情を色濃く表現し、観る者の心に深く刻み込んでいく。

 

 

 

 

W主演となるのは過去の愛を苦しむジュン役の柚希礼音と、人見知りのロマンを演じる西川貴教の2人。本作でも抜群の歌唱力とダンスを披露する元宝塚歌劇団トップスターの柚希は、笑いあり、アクションあり、シリアスありという地球ゴージャスらしいエンターテインメントな作品の中で、彼女の魅力を存分に表現している。ミュージシャンとして絶大な人気を誇り多方面で活躍する西川は、製作発表で“カッパ”と発言していたダサカッコイイ人物を演じており、OPナンバーの姿とのギャップが楽しい。

 

今最も注目を浴び、ハリウッドでも活躍する若手実力派俳優の新田真剣佑。元特殊工作員アトラスを演じる新田の彼らしい迫力ある殺陣や、アクションを組み入れたミュージカルシーンは必見。さらにアクションだけでなく、過去の悲しみを歌い上げるナンバーでの甘い歌声や、純粋で天然ボケなキャラクターを演じることで新たな魅力も見せている。

 

過去を隠して人形のような可愛い衣装に身を包むサンディーは、地球ゴージャスへの参加がVol.13『クザリアーナの翼』に続き2度目とな宮澤佐江と、声優としてだけでなく歌手・俳優としても活躍する花澤香菜がWキャスト(※今回のゲネプロでは花澤が出演)で演じる。声の表現のプロである花澤が、サンディーを時にお嬢様らしく、時に狂気を交えて大胆に熱演する。花澤の舞台上の姿は、彼女のファンにとってすべてが新鮮に映ることだろう。

 

そして、島の秘密を握る男・ヒュ〜を演じる岸谷と、何も隠さない男・ワンを演じる寺脇は、安定のコメディリリーフぶりで舞台を盛り上げる。岸谷と寺脇のコミカルな演技が生み出す空気は地球ゴージャスならではで、笑いが止まらない。しかし、笑いだけでなく、“生”という普遍的なテーマを題材に地球ゴージャスらしいエンターテインメント作品として、岸谷と寺脇が物語を加速させていく。

 

さらに、水田航生と植原卓也の2人はヒュ〜の部下役だけでなく、回想シーンで様々な役を演じ、数々のミュージカルシーンにも登場。舞台を中心に活躍する若手人気俳優の実力をいかんなく発揮している。地球ゴージャスの見どころの1つでもあるダイナミックなダンスナンバーを振り付けてきた藤林美沙、原田薫、大村俊介(SHUN)の3人は、個性豊かなキャラクターを演じて脇を固める。

バラエティに富んだキャストが集結し、歌い・踊る圧巻の地球ゴージャス最新作。これぞまさしくゴージャス流エンターテインメントと言える作品だ。

 

なお、ゲネプロ前に囲み会見があった。登壇したのは柚希、西川、新田、宮澤、花澤、岸谷、寺脇の7名。

本作の見どころについて、主宰の岸谷は「この時期にしかできない演劇が作れました。最高に素晴らしいキャスト・スタッフが毎回集まってくれて、本当に僕らは幸せです。出て頂いている方たちは全員がエンターテイナーなんですけど、まさに今回の役にピッタリの人たちが集まってくださって、地球ゴージャスらしいキャストになっています」と語った。同じく主宰の寺脇は「2か月間稽古をやって参りました。2か月前はそれこそ今回のタイトルではありませんが、ゼロだったこの作品が、皆さんに出て頂くことで『ZEROTOPIA』なりの新しいゴージャスの木が揃って花が咲こうとしております。その花をぜひ劇場に観に来て頂きたいと思います」とコメント。

柚希は「地球ゴージャスに出させて頂くのは本当に嬉しくて、初めての経験がたくさんありますので、岸谷さんと寺脇さんにたくさんのことを教えて頂いて、稽古をしてきたことを明日から思いっきりのびのびと演じたいと思います」と意気込みを語った。西川は「地球ゴージャスに参加させて頂くのは初めてなんですけど、カンパニー全体が物語を紡ぐ一因で、欠くことのできない一人一人でありまして、その中の1人に僕自身もなれたことを非常に嬉しく思っています」と出演の喜びを明かした。

新田は「僕は15歳ぐらいの時に地球ゴージャスを知って、そのときから出たいと思っていたので、今回はとても嬉しい気持ちでいっぱいです。映像芝居とまったく違うお芝居なので、まだまだ覚えなければいけないことがたくさんありますが、一つ一つやっていければいいなと思います」と思いを明かした。そんな謙虚な新田について、岸谷は「素晴らしいです。真剣佑の持っている特別な身体能力があるので、絶対に舞台に出て欲しいと思っていました」と絶賛した。

宮澤は「地球ゴージャスさんの『クザリアーナの翼』に出させて頂きましたが、まさか、また出たいという夢が叶ってしまうなんて思ってもいませんでした。前回とは全然違う役柄ですし、今回は地球ゴージャスで初めてのWキャストということで、初めての試みに出れたことを心から嬉しく思っています。喜びをみなさんに伝えられるように頑張ります」と意気込んだ。花澤は「いまだにここにいるのが夢みたいな気持ちです」と第一声で胸の内を披露。その言葉に反応して寺脇が「ギュ〜」と花澤の頬をつねる仕草をすると、花澤も痛がりながら「夢じゃない!」と答えて会場の笑いを誘った。続けて、花澤は「普段、私は声優という仕事をしていて、声にどういう気持ちを込めるか、声のお芝居でどうやって見せていくかというのをやっているんですけど、本当に素晴らしく全身で表現をされている皆さんとご一緒できて刺激を受けています」と語った。

最後に、岸谷は「また新たな大エンターテインメントができあがったと思っています。ぜひ劇場に足をお運び下さい」と呼びかけた。

【公演概要】
出演:
柚希礼音  西川貴教
新田真剣佑  宮澤佐江・花澤香菜(Wキャスト)
藤林美沙  原田 薫  大村俊介(SHUN)
水田航生  植原卓也
原田 治  小林由佳  中村百花  おごせいくこ  丹羽麻由美
碓井菜央  加藤真央  大曽根敬大  岩﨑浩太郎  田口恵那
堀部佑介  辻中 武  小南竜平  砂塚健斗  日向智法
咲良  大音智海  鈴木百花  高木勇次朗  酒井比那
鈴木さあや  杉山真梨佳  蛭薙ありさ
岸谷五朗  寺脇康文
作・演出····岸谷五朗
演出補····  寺脇康文
音楽····大崎聖二 高木茂治 / 杉本雄治(WEAVER)
美術····土屋茂昭(TSUCHIYA CO-OPERATION)
音響····武田安記(サウンドクラフト ライブデザイン社)
照明····川谷祐之
映像····石田 肇
電飾····小田桐秀一(イルミカ東京)
衣裳····高谷健太 向井侑子(山本寛斎事務所)
ヘアメイク····冨沢ノボル
振付····原田 薫 大村俊介(SHUN) 藤林美沙
殺陣····清水順二(30-DELUX)
殺陣指導助手····森大(30-DELUX) 押田美和
歌唱指導・コーラスアレンジ····大嶋吾郎
演出助手····森田香菜子
舞台監督····藤井伸彦

特別協賛····大和ハウス工業株式会社
企画・製作····株式会社アミューズ

東京公演:
日程:2018年4月9日(月)〜5月22日(火)
会場:TBS赤坂ACTシアター

愛知公演:
日程:2018年5月29日(火)〜6月2日(土)
会場:刈谷市総合文化センター

新潟公演:
日程:2018年6月9日(土)・6月10日(日)
会場:新潟テルサ

福岡公演:
日程:2018年6月22日(金)〜6月24日(日)
会場:福岡サンパレス

広島公演:
日程:2018年6月30日(土)・7月1日(日)
会場:広島文化学園HBGホール

大阪公演:
日程:2018年7月6日(金)〜7月15日(日)
会場:フェスティバルホール
公式サイト:https://www.chikyu-gorgeous.jp/vol_15/schedule.php

文:櫻井宏充