全世界900万DL突破の大人気シュミレーションRPGが映画化に続き、舞台化される。
舞台版は、原作ゲームの中でも人気のキャラクター達が登場するイベントクエスト「聖石の追憶」をベースにオリジナルキャラクターも登場する、新しいストーリーで展開される。
ストーリーはクダンシュタイン(橘龍丸)とクウザ(三浦海里)の友情と絆を中心に展開される。「俺の弟」とクウザはクダンシュタインにいう。友達を超えた関係、クウザはある策を仕掛けるのだが、まっすぐな気質のクダンシュタインには理解しがたく、「なぜ?」と思う。その意図をクウザはクダンシュタインには言わずに本懐を遂げようとする。圧倒的なパワーを持つ“獅子王”であるオライオン(小笠原健)の前にして勝ち目がないクダンシュタインだが、それでも諦めない気持ち、心、それが聖教騎士団の絆、パワーとなっていく。やがてクダンシュタインはクウザの真意を知り・・・・・・。
圧倒的な迫力のアクション、殺陣、ここは文句なく見せ場。男性陣だけでなく女性陣のアクションも目を見張るものがある。ゲーム原作によくあることだが、武器が!かっこいいのだが、実際にそれを使いこなすのはかなり難易度が高く俳優陣が苦労するところ。しかし、練習の成果で、なめらかでダイナミックな動きに仕上がっており、ゲームファンも納得のシーンになっていた。印象的なセリフも多く、「人々の笑顔を守るため!」「全ての誓いを果たすために!」「お前の中の光を信じる」など勇気が出る言葉がちりばめられている。またクダンシュタインの壮大な言葉「世界平和のために!」に対してクウザが「理想、高すぎ!」と突っ込むが、そのツッコミがわからないクダンシュタイン、清々しさも感じる。
各キャラクターの心情、前向きで元気なカノン(花影香音)らの後押しでクダンシュタインもパワー全開、勝てそうにない相手であるオライオンに立ち向かっていく様は純粋に仲間とのつながりが彼の力になっていると確信できる。ラストは・・・・・・ドラマチックな展開、そして別れもあるが、続きも観たくなるような作品。
なお、ゲネプロ前にキャストの挨拶があった。登壇したのは主要キャスト、橘龍丸、花影香音、三浦海里、末永みゆ、遊馬晃祐、小笠原健、中村誠治郎と原作の今泉潤。まず今泉潤が挨拶、「ゲームとして始まり3年半続いてきた『タガタメ』が、映画、舞台、小説とさまざまなメディアで展開しています。今回の舞台版も、何かメッセージを持って帰っていただけるようなエンタテインメントに」と熱く!オライオン役の小笠原健も「今泉さんの情熱があって、ここまで来られた・・・・・・僕らもそのパワーに引っ張られて、思考錯誤してきた」とコメントしたが、原作側の意気込みを感じる。クダンシュタイン役の橘龍丸は「本読みが終わってからも今泉さんが脚本を改めて考えてくださり、役者陣もそれぞれディスカッションしました。振付では梅田悠さん、殺陣は中村誠治郎さんに。皆で力を合わせて今日この初日を迎えられました」と語る。それを受けて中村誠治郎は「衣装やセットなど制限がある中で、特に乱戦のシーンでは緻密に殺陣をつけました」と語ったが、工夫がよくわかる秀逸な場面が多く観られた。クウザ役の三浦海里は「クウザが粋な男になるように作ってきたので、それが表現できたら」とコメントしたが、直情的なクダンシュタインとは対照的に策をめぐらし、周囲にも気づかれないようにする。それがラスト近くでわかるのだが、ここは見どころとなっている。
質疑応答になり衣装ついて質問が出た、今泉潤が「衣装は、夏仕様のオーダーメイドのジャケットで」と語り出し、キャストたちから「いやいやいや!」と(笑)。橘龍丸は「聖教騎士団の団長としての威厳を示せるようなトゲトゲしいお衣装です!」とコメントしたが、ここの造形はかなり凝っている、カノン役の花影香音は「星が描かれているのがポイント」と語るが愛らしい衣装に注目。三浦海里は「ブカブカ感とカッコいい龍の模様」、龍が中国の京劇のような印象。カグラ役の末永みゆは「セクシーなところと和っぽいテイスト」、和装っぽさがたおやかなイメージ。オーティマ役の遊馬晃祐は「ターンするとヒラヒラが見える!」とコメントしたが、アクションのたびにヒラっと!小笠原健は「衣装も髪も目も赤を多めに」、赤は闘争心を駆り立てる色。中村誠治郎は「僕自身の“黒い性格”を、白で統一された衣装で覆い隠して(笑)」とコメント。
橘龍丸は「衣装や武器にもこだわっていただいたので、役者たちが立っているだけでも絵になるような舞台。それぞれの正義や誓いを胸にしたキャラクターたちが、エンタテインメント性の高い殺陣を繰り広げます。そして聖教騎士団とオライオンの戦いがどのような結末を迎えるのか、劇場で見届けて」と座長らしくすっきりとまとめて会見は終了した。
上演時間はおよそ1時間40分のノンストップ。歌舞伎の荒事のような華やかさもあり、スピーディで観やすい舞台、劇場も博品館という濃密な空間。公演は今月いっぱいの30日まで!
<あらすじ>
バベルの塔を臨む大地・バベル大陸にて――
絶対正義の名のもとに、大陸の平和を守るため戦う「聖教騎
士団」。
突出した「錬金術」の才を持つ聖教騎士団の中でも、
一際秀でた力を持つ、魔槍の黒騎士「クダンシュタイン」。
彼は任務で駆けつけた地で、かつての友「クウザ」と再会す
る――
それは、まだ「ワダツミ」が平和な島国であり、
クダンシュタインが駆け出しの聖教騎士であった頃…。
遊学先のワダツミにて、クウザと出会ったクダンシュタイン。 二人は親睦を深め、ともに大陸の未来を語り明かす。 だがバベル大陸の歴史が語る通り、ワダツミは、 “獅子王”「オライオン」による侵略を受け、一夜にして滅亡 する。
「正義を貫き、必ずオライオンを討ち果たさん」
無慈悲な殺戮からワダツミの民を守る為、ふたりは誓い――
獅子王の軍勢に挑んだ。
だが圧倒的な力を前に、ふたりが誓った未来は、あっけなく
崩れ去る。
――為す術も無く敗れた無力感は、力への飢えとなり、 “彼”の心に、決して消えることのない深い「闇」を落とした。
再びクダンシュタインの前に現れたクウザの真の狙いは、
聖教騎士団が監視下においている「聖石」だった。
それひとつで、世界の運命を揺るがすほどの力を持つと言わ
れる聖石。
時を経てオライオンの臣下となったクウザは、
祖国を奪った主の為にその圧倒的な力を得ようと、
友を欺き、策を仕掛ける。
変わり果てた友の真実の姿を知り――
クダンシュタインは抑えきれぬ「闇の力」を解き放った……
■『誰ガ為のアルケミスト』とは?
FgGが贈る本格的タクティクスRPG。『人々の意志は、神々の石に 翻弄される』7つの国家を舞台に個性豊かな7人の主人公が織り成す、 壮大でドラマティックな物語。キャラクターが選べるジョブは120 種類に及び、緊迫感あふれるフィールドで戦略性に富んだ3Dシミュ レーションバトルを堪能することができる。本作のオープニング アニメーションは数々の作品を創り出してきた河森正治氏が監督し、 BGMは著名なゲーム作品に楽曲を提供してきた下村陽子氏が手掛け ている。
<出演>
「クダンシュタイン」橘 龍丸 「カノン」花影 香音 「クウザ」三浦 海里 「カグラ」末永 みゆ 「オーティマ」遊馬 晃祐 「モンゼイン」伊勢 大貴 「バシーニ」山口 大地 「ヤウラス」梅田 悠 「セーダ」花奈 澪 「チハヤ」石川 志織 「オライオン」小笠原 健 「ザイン」中村 誠治郎
「舞闘兵団」大岩 主弥/工藤 博樹/福島 悠介/望月 祐治/石岡 遼士/高見 彩己子/篠原 孝文
【公演概要】
タイトル:誰ガ為のアルケミスト 舞台版「聖石の追憶」
日程・場所:2019年6月26日(水)〜 30日(日)銀座 博品館劇場
原作:今泉潤/FgG『誰ガ為のアルケミスト』
主催:Amane/gumi
脚本・演出:宮城陽亮
制作:ファイズマンクリエイティブ/レジェンドステージ
企画・プロデュース:今泉潤
公式HP:https://tagatame-stage.jp/
(C)誰ガ為のアルケミスト 舞台版「聖石の追憶」製作委員会
取材・文:Hiromi Koh