舞台「黒子のバスケ」が上演中だ。激戦を経てウインターカップ出場を決めた誠凛高校バスケ部。初戦の相手は「キセキの世代」青峰大輝を擁し、夏に誠凛高校のインターハイ出場の夢を砕いた桐皇学園高校であった。そして、火神の幼馴染みで兄と呼ぶ存在の氷室辰也もアメリカから帰国し、陽泉高校の２年生として「キセキの世代」センターである紫原敦と共にウインターカップ出場、激突は不可避となった。
舞台はもちろん、試合のシーンがハイライト、１幕は桐皇学園との試合、２幕は陽泉高校との試合がメインとなる。舞台はバスケットコートのイメージ、幕開きのダンスはいつものことながら、「これから始まる」というワクワク感を観客に抱かせてくれる。演出は中屋敷法仁、初演から手掛けているが、前にも増してパワーアップ、フォーメーションやバスケットの動き等、独特のテイストで試合シーンを立体的かつクリエイティブに見せてくれる。小野賢章はアニメと同役で舞台でも黒子テツヤを初演から演じているが、完璧な当たり役、黒子がそこにいる、という雰囲気を醸し出す。火神大我役の安里勇哉も安定感があり、小野賢章とのコンビぶりも抜群だ。１幕、２幕ともに見応えのある試合シーン、紫原敦は今回初登場のキャラクターで演じる鮎川太陽がインパクトのあるキャラクター作りで舞台のアクセントに。チームを超えての友情、諦めない心、ファンならよく知っている技はもちろん、熱い台詞も要所要所に散りばめられてキャスト・スタッフの作品愛を感じる。氷室辰也は帰国子女「頭は冷静（クール）、心は熱く（ホット）」な熱血漢、優しい感じの振る舞いで火神大我とはアメリカで小学生時代に知り合う。以後、リングを分け合う程の仲、この２人の友情が熱く、試合で対峙してもお互いに手加減することなく、其々のチームのために戦う姿は清々しい。原作を読んでいてもドキドキする展開、結果はいわずもがな、であるが、それでも見入ってしまう。
サブタイトルにあるIGNITE-ZONEの【IGNITE】、火をつける、発火させる、だが、そこから「感情を燃え上がらす」「感情を喚起する」という意味になる。気持ちが燃える、感情が燃えてテンションがあがる、そんなシーンの連続、今回の舞台「黒子のバスケ」には登場人物の数だけ【IGNITE】がある。
【公演概要】
舞台「黒子のバスケ」IGNITE-ZONE
東京公演
日時：2018年4月6日（金）～4月22日（日）
会場：サンシャイン劇場
大阪公演
日時：2018年5月1日（火）～5月6日（日）
会場：森ノ宮ピロティホール
東京凱旋公演
日時：2018年5月11日（金）～5月13日（日）
会場：日本青年館ホール
演出：中屋敷法仁
出演：
＜誠凛高校＞
黒子テツヤ：小野賢章
火神大我：安里勇哉
日向順平：牧田哲也
伊月俊：松井勇歩
木吉鉄平：河合龍之介
土田聡史：鍛冶本大樹
相田リコ：田野アサミ
＜秀徳高校＞
緑間真太郎：畠山遼
高尾和成：山田ジェームズ武
＜桐皇学園高校＞
青峰大輝：小沼将太
今吉翔一：林明寛
若松孝輔：和成
桜井良：加藤ひろたか
桃井さつき：杉ありさ
＜陽泉高校＞
紫原敦：鮎川太陽
氷室辰也：斉藤秀翼
岡村建一：丸川敬之
福井健介：倉富尚人
＜洛山高校＞
赤司征十郎：糸川耀士郎
© 藤巻忠俊/集英社・舞台「黒子のバスケ」IGNITE-ZONE 製作委員会
http://www.kurobas-stage.com/
