2019年8月3日(土)より天王洲 銀河劇場にて、 ミュージカル『刀剣乱舞』 ~葵咲本紀~が開幕した。
名だたる刀剣が戦士の姿となった“刀剣男士”を収集・育成する大人気PCブラウザ・スマホ アプリゲーム「刀剣乱舞-ONLINE-」(DMM GAMES/Nitroplus)を原案とする、ミュージカル『刀剣乱舞』。メディアミックスの先駆けとして、2015年の初演より、ミュージカル本公演やライブ公演を上演し、昨年末には、第69回NHK紅白歌合戦への出場を果たすなど、次々と新たな挑戦 を続け、多岐にわたる盛り上がりを見せている。
今作「葵咲本紀」は、「結びの響、始まりの音」以来、約1年ぶりのミュージカル本公演新作。
新たな刀剣男士として、明石国行、鶴丸国永、御手杵、篭手切江の4振りがミュージカル『刀剣乱舞』に加わる。「刀剣男士の守るべきものとは——。戦乱の時代に記された、もう一つの物語が幕を開ける。
今回の物語は、慶長5年から始まる。会津征伐、関ヶ原の戦いの前、服部半蔵、酒井忠次は没し、それぞれの役割を終えていたが、井伊直政と本多忠勝、つまり、千子村正(太田基裕)、蜻蛉切(spi)、の任務は続いていた。
そして本丸では審神者の命により、刀剣男士たちが集められていた。鶴丸国永(岡宮来夢)を隊長として、明石国行(仲田博喜)、御手杵(田中涼星)、篭手切江(田村升吾)が編成される。敵の狙いは徳川家康(鷲尾昇)の次男である結城秀康(二葉要)だ。天正2年(1574年)2月8日、徳川家康の次男として生まれた。前作の「三百年の子守唄」とつながってはいるが、”続編”という位置づけではない。
出だしは映像から始まるが、イメージ映像、そしてオーケストレーション、テンションが上がる出だし、この物語の出だしであり、キーになるシーン、「なぜ、兄上が腹を切らねばならなかったのですか!」と叫ぶ。兄・信康(大野瑞生)が切腹させられる、衝撃的な場面だ。千子村正は「信康を殺したあの人が許せない!」という。慶長5年(1600年)、関ヶ原の戦いの前哨戦である会津征伐に参戦する結城秀康。そんな史実を押さえているとストーリーは俄然面白く感じる。のちの天下人となる徳川家康、その息子と生まれた運命には抗えない。そして時代は進んでいく。そして中盤に登場する永見貞愛(二葉勇)、その姿は・・・・・・。
千子村正(太田基裕)、蜻蛉切(spi)、井伊直政と本多忠勝として任務についているが故の想い、そして今回新たに登場した刀剣男士、4振り、それぞれに見せ場があり、わかりやすい。時代は否応無しに人々を飲み込んでいくが、刀剣男士たちや武将たちは何を想い、行動するのか、ここは見所となっている。エモーショナルなシーンが多く、もちろんアクション、殺陣もふんだんに、最後の景色は?タイトルにもある『葵』は徳川家の家紋、三つ葉葵が有名である。この『葵』の花言葉は「大望」「野心」「豊かな実り」「気高く威厳に満ちた美」「高貴」「神聖」「温和、優しさ」などがある。上演時間は2時間15分。20分の休憩をはさんでライブパート、こちらの上演時間40分ほど、応援グッズは忘れずに。
ゲネプロ前に囲み会見が行われた。登壇したのは、明石国行役 仲田博喜、千子村正役 太田基裕、蜻蛉切役 spi、
鶴丸国永役 岡宮来夢、御手杵役 田中涼星、篭手切江役 田村升吾。
明石国行役の仲田博喜は「やる気満々です稽古期間は約二ヶ月で、たくさんの方の期待もございまして・・・・・しっかりと楽しさを伝えていきたい。カンパニー一丸となって頑張ります!」と挨拶。千子村正役の太田基裕は「新たなドラマ、一面をお見せできると思います。素敵な作品になるように」とコメント。蜻蛉切役のspiは「僕自身が(「刀剣乱舞」の)ファンです。早くみなさまの前でお披露目したい」と意気込んだ。鶴丸国永役の岡宮来夢は「二ヶ月の稽古、挑戦になる舞台です。不安も感じながらも、それも楽しみながら」と語る。御手杵役の田中涼星は「稽古場では、先輩たちにアドバイスを受けてきました。早く客様に届けられるように!ドキドキしています」とコメント。そして篭手切江役の田村升吾は「長い時間かけて作った作品です。見所は篭手切江が初めて登場するシーンです!」と自分PR。
そしてこのカンパニーでは先輩に当たるのが太田基裕、spi。皆「すごく頼もしい!」「しっかり!よくわかる!」「すぐに教えてくれる」「良き先輩」と皆、大絶賛。それに対して太田基裕は「先輩とか関係なく舞台上ではリスペクトしながら」とコメント。ミュージカルもライブも大熱演、長丁場の公演、10月27日まで!
<演出:茅野イサム・コメント>
約 1 年半ぶりに、ミュージカル『刀剣乱舞』の新作が開幕します。 今回は新たに明石国行、御手杵、篭手切江、鶴丸国永の4振りが 刀ミュに加わります。この新しい刀剣男士たちと出会えることに心を躍らせ、とても楽しみながら作りました。
明石国行役の仲田博喜は、生まれが関西ということもあって、明石国行の話す独特の方言もとてもよく馴染んでいますし、 掴みどころのないこの役を体現出来る役者です。 鶴丸国永を演じる岡宮来夢はこれまで殆ど舞台経験がなく、何ものにも染まっていない真っ白な彼は、鶴丸国永の無垢 な姿と重なります。その見た目と中身のギャップで皆様を驚かせたいです。 御手杵役の田中涼星は、頭のてっぺんから爪先まで正に御手杵。肉体だけでなく、御手杵の気さくでおおらかな雰囲気 を持ち合わせた俳優で、非常に頼もしい存在です。 篭手切江を演じる田村升吾は、過酷な稽古場で“れっすん”に取り組む姿が、”すていじ”に立つことを夢見る篭手切江と 重なって見えました。我々にどのような夢を見せてくれるのか楽しみです。
ミュージカル『刀剣乱舞』は役者さんが取り組まなければならないことがとても多く、また求められるレベルも高いので、皆そ れぞれに大変な思いをしていると思います。
そんな中で、蜻蛉切役の spi と千子村正役の太田基裕は、この座組にとって柱のような存在です。彼らのスキルと情熱、 そして芝居に対する取り組み方。これはすべての出演者の強烈な刺激となっています。太く揺るぎない柱としなやかに強 い柱のように、全く違うふたつの個性でこの座組、そして『葵咲本紀』という作品を支えてくれています。 さらに歴史上人物を演じる個性際立つ俳優たち、そして我らが誇る百戦錬磨のアンサンブル。彼らの活躍にも期待してく ださい。
物語に関しては、お客様それぞれに受け止めていただきたいので多くは語りませんが、今回は冒頭からとても驚きのある 始まり方で、最初に脚本を読んだ時からこの物語に強く惹き込まれました。 これまで、「阿津賀志山異聞」には「つはものどもがゆめのあと」、「幕末天狼傳」には「結びの響、始まりの音」と、物語に繋 がりがあったように、今作「葵咲本紀」は「三百年の子守唄」と対になる作品です。 ただ、演劇的構造はこれまでのものとは全く異なります。ご覧になるお客様には、「なるほどそう来たか」と思っていただける のでは、と思います。
脚本の御笠ノさんがよく言っていることですが、僕らは演劇人として、毒にも薬にもならないようなものを作りたいとは思いま せん。「刀剣乱舞-ONLINE-」に描かれていることや、更にその根底にあるものをもっと抉っていきたいという気持ちで、今 回の脚本も色々なことに果敢に挑戦しています。
今作は、今後の刀ミュの様々な可能性を提示したという意味で、岐路に立つ作品といえるかもしれません。 この作品を生み出したことによって、ますますミュージカル『刀剣乱舞』の物語が広がっていくと思います。 枝分かれした道のどれを選んでも、今までとは違うものが生まれるでしょうし、1つ発掘するとまた新しい鉱脈が見つかって 尽きることがない。ミュージカル『刀剣乱舞』とはそういう作品なのだ、と感じながら演出をしております。 この思いをより多くのお客様と共有できることを願っています。
<出演>
明石国行役 仲田博喜
千子村正役 太田基裕
蜻蛉切役 spi
鶴丸国永役 岡宮来夢
御手杵役 田中涼星
篭手切江役 田村升吾
徳川家康役 鷲尾 昇
松平信康役 大野瑞生
結城秀康役 二葉 要
永見貞愛役 二葉 勇
徳川秀忠役 原嶋元久
大野涼太 村中一輝 鴻巣正季 杉山諒二 大黒智也
篠尾佳介 平山唯斗 佐藤誠一 久留康太 齋藤大希
市川裕介 伊達康浩 白濱孝次 塚田知紀
佐藤文平 下尾浩章 松本直也 佐伯 啓
五十嵐拓人※Wキャスト
森田真弥※Wキャスト
【公演概要】
ミュージカル『刀剣乱舞』 ~葵咲本紀(きしょうほんぎ)~
日程・場所:
<東京>
2019年8月3日(土)~8月18日(日)
天王洲 銀河劇場
<大阪>
2019年8月30日(金)~9月8日(日)
サンケイホールブリーゼ
<兵庫>
2019年9月14日(土)~9月28日(土)
AiiA 2.5 Theater Kobe
<福岡>
2019年10月4日(金)~10月6日(日)
アルモニーサンク北九州ソレイユホール
<東京凱旋>
2019年10月19日(土)~10月27日(日)
TOKYO DOME CITY HALL
原案:「刀剣乱舞-ONLINE-」より(DMM GAMES/Nitroplus)
演出:茅野イサム
脚本:御笠ノ忠次
振付・ステージング:本山新之助 桜木涼介
主催:ミュージカル『刀剣乱舞』製作委員会
(ネルケプランニング ニトロプラス DMM GAMES ユークリッド・エージェンシー)
公式HP:https://musical-toukenranbu.jp/
公式ツイッター:https://twitter.com/musical_touken
(C)ミュージカル『刀剣乱舞』製作委員会
取材・文:Hiromi Koh