崎山つばさ主演 舞台「幽☆遊☆白書」事故死して生き返る試練、冒険、そして笑いと人情と。

舞台「幽☆遊☆白書」が開幕した。冨樫義博原作の人気コミック、主人公の浦飯幽助(崎山つばさ)とその仲間たちの活躍を描く冒険活劇。主人公が死亡するところから物語が始まり、生き返る試練を受ける、という内容だ。
始まりは地響きのような音、いかにも『始まるぞ』という感じ、客席がこの瞬間に温まる。音楽、アニメのオープニング曲「微笑みの爆弾」、キャラクターが次々に登場し、決め技を繰り出す。それが一通り終わると、コエンマ(荒木宏文)がビデオのリモコンをポチッ、「幽助たちの映像をみたけど、強いな」、そして浦飯幽助がなぜ、こういうことになったのか、過去に戻る。急ブレーキの音、ぶつかる音、救急車のサイレンの音、これで「事故死」したことがわかる。

幽助、ヘアースタイルや服装でわかるが、未成年であるにもかかわらず、喫煙・飲酒・パチンコ、喧嘩っ早くて短気、頭も悪い、もう絵に描いたような『不良』だ。桑原和真(郷本直也)も見た目がわかりやすい、幽助のライバル的存在の不良、猫が大好きで情に熱い。幽助の幼馴染である蛍子(未来)は幼稚園からの同級生でいわゆる”腐れ縁”的で喧嘩ばかりしているが、実は相思相愛。すぐに幽助にビンタ!幽助の母親である浦飯温子(角島美緒)は酒豪でズボラだが息子を愛している。一癖も二癖もある人たちだ。

幽助は思い出す、子供を助けようとして自分がはねられてしまったことを・・・・・。彼の死は霊界にとっては想定外。そういうわけで生き返るための試練が与えられる、という流れだ。

プロジェクション・マッピングで『技』が繰り出されるが、時折、超がつくほどのアナログな表現もあり、”漫画感”いっぱい。舞台セットはシンプルでパネルを使って変化させる。またアクションシーンでは皆、アクションは慣れたもの、ダイナミックな場面が多く、ここはファンならずとも思わず見入るところ。
二幕ものであるが休憩後にコエンマが登場し、「携帯切ったか?」などとお客様に向かって話しかけるので、ここはぜひ、軽いノリを楽しもう。生き返る幽助、そして闇の三大秘宝を取り戻すべく、幽助は奮闘する。
冒険、コメディー、そしてオカルトの三つの要素が入っており、それがバランスよく、というのがこの作品の特長。舞台でもコミカルなシーン、子供を笑わせる幽助、またオカルト映画などでよく見る「のり移る」シーンはかなり笑えるし、コエンマの表現も演劇ならでは。
絵に描いたような不良だが、性根は『いいやつ』、だから子供を助けるために車にはねられるし、蛍子との関係性もちょっとほのぼのとしていて共感しやすい。また、ファンにとっては肝になる『キャラクター再現度』、これもかなり凝っている。鈴木拡樹演じる蔵馬は髪が赤いが、これはアニメ版に沿っている。また、母とのシーンは感涙。原作もヒットしたが、アニメも大ヒット、舞台化に際してはもっとも気を使ったところであろう。またキャスト陣の作品愛もあり、楽しい作品に仕上がっていた。最後のところのコエンマのセリフでもちろん原作もまだまだ物語は続いている。一昨年にアニメ化25周年を迎えたが、古くならない、楽しくもドキドキ、幽助のようなファッションの不良は、もうリアルではみられない。現在ではこのファッションはかなり懐かしく、時代の空気を知っている観客なら、そこも楽しめる。最新のアニメやコミックの舞台化も良いが、この時代のコミックの舞台化、時代を知らない世代には新鮮。そういったところに舞台化の意味も見える。

なお、ゲネプロに先駆けて囲み会見が行われた。登壇したのは、浦飯幽助役の崎山つばさ、桑原和真役の郷本直也 、蔵馬役の鈴木拡樹、 飛影役の橋本祥平、コエンマ役の荒木宏文。
まずは挨拶。
「いよいよ本日、初日を迎えます。稽古も約一ヶ月ぐらい前から始めて、あっと言う間に過ぎていって、みんなと一緒に作ってきた、っていうか、演劇として観てもらいたいな、と言うのがありまして、また、2.5次元と言う言葉が広まってきましたが、そういう部分も合わせて楽しんでもらえたら。原作を知っている方は『懐かしいな』と思って観てもらい、初めて見る方には『こんなの観たことがない』と言う舞台になっています!記者の皆さん!たくさん、写真をとっていただいて広めていただければ!」(崎山つばさ)

「つばさも言ったのですが、原作をご存知の方、大好きな方にとっても『あ、あのシーン、こうなってるんだ!』って思わせるところもありますし、作品を知らなくても、とても観やすい内容になっています。いいチームワークで、毎日稽古していまして、それが本番にいい影響を与えていくのではないかと思います。楽しみに!」(郷本直也)

「稽古初日に感じたことですが、僕が小さい頃、読者であり、アニメ版の視聴者でもありました。なので、一番最初に幽助が登場して第一声、喋り始めた瞬間に『幽☆遊☆白書』が帰ってきたっていうのを肌で感じました。観てくださる方には同じ気持ちになっていただけるとワクワクしております。どこか懐かしさを感じる『幽☆遊☆白書』を届けたいなと思っています」(鈴木拡樹)

「稽古が始まって顔合わせした時に、これほどまでに緊張とプレッシャーといろいろとそういうものを感じた顔合わせって言うのは初めてでした。演出の方も、みんな全員、プレッシャーを共有してこの場にいることが僕の中ではすごく驚きです。連載が始まった当時は生まれていなくて、学生の頃は読んでいました。幅広い世代の方に愛されている作品、生半可な気持ちではできないです。最後までプレッシャーと緊張と戦いつつ、楽しみつつ、最高のものを!」(橋本祥平)

「いつもちょっと違うマイクの持ち方です(笑)。稽古初日からすごく刺激をもらえました。関係者、共演者の友人、すごく注目していただきまして。本番はプレッシャーですが、見せつけてやろう!と。期待を軽く超えられるような内容のもの、自信を持って初日を迎えられたら。この作品が伝説となるように!」(荒木宏文)

質疑応答になり、真っ先に挙手をしたのは・・・・・・・郷本直也!
「郷本直也と申します!荒木さんが、これからですが、これは・・・・」、それに対して「このまま、話して行こうと思う」と返す荒木宏文(笑)。「それでしゃべられたあとは・・・・・」(郷本直也)、「それは観ていただいて・・・・舞台上に字幕が出るかもな(一同大笑い)」(荒木宏文)、「その可能性は?」(郷本直也)、「適当に字幕出すかもな(一同、さらに笑)」(荒木宏文)、「みなさま、お楽しみに!」(郷本直也)、「はい、小芝居ありがとうございます!」(MC)。
それからは真面目に・・・・・・質問はシャッターチャンス(見所)はどこか。
「幽助でいいますと・・・・・・指先から・・・・何かが出る!霊丸がね・・・・・そういうシーンがあるので!最後かな?最後が一番かな?4発目かな?シャッターチャンスです」と崎山つばさ。郷本直也は「ありすぎてね。シャッターチャンスだらけですね。僕は原作の中でこことここはって言うのがあって・・・・・のりうつるシーン、見事なコラボレーションっていうか。コエンマがまさかのおしゃぶりを落とすかもしれない(大笑)、各々の必殺技も」、そこで荒木宏文は「落としちゃいけない!生物、怖い!」とキャラで返答。「僕は盗賊集団3人が揃っているところ」と鈴木拡樹。「個人的には数時間後にはこの額の包帯をとる瞬間が。この日のために目を開いてとてつもない、さらに痛みを!」と橋本祥平。荒木宏文は「舞台技術が上がっていろんな手法でファンタジーの世界が表現できるようになりました。この作品にも、その技術は取り入れていますので、キャラクターの皆さんが、プロジェクト・マッピングなど現代ならではのものを使って『幽☆遊☆白書』の舞台を表現しています。そこはシャッターチャンスになると思います」とコメント。
21世紀らしい最新技術を取り入れた場面もあり、その対極にある超がつくほどのアナログな表現もあり、そのギャップが意外と相性がいい。公演は9月22日まで!WOWWOWの生中継も!

<物語>
ある日、事故に遭って死んでしまった不良学生・浦飯幽助。 幽霊となり、霊界案内人のぼたんに導かれ、幽助は、 エンマ大王の息子コエンマから生き返るための試練を与えられる。 試練を乗り越え、晴れて生き返ることができた幽助は、 ぼたんとともに妖怪が人間界で起こす悪事を取り締まる 霊界探偵として働くことになる。 コエンマから与えられた指令は、霊界大秘蔵館から盗まれた 闇の三大秘宝「降魔の剣」「暗黒鏡」「餓鬼玉」を取り返すこと。 秘宝を盗んだのは、霊界犯罪人ブラックリストに名を連ねる 妖怪盗賊の蔵馬、飛影、剛鬼だった…。

【「幽☆遊☆白書」とは】
「週刊少年ジャンプ」(集英社)で1990年から1994年に渡り、連載された冨樫義博 の人気作品。 コミック累計発行部数は5,000万部を越え、1992年から全112話を放送したテレビアニメも高視聴率を記録し、日本国内のみならず、世界各国でも人気を博しています。 2017年にアニメ化25周年を迎えたこともあり、現在も様々な形でのメディアミックスが進行中です。

【WOWOW】
〇番組名:『大千秋楽生中継!舞台「幽☆遊☆白書」』
〇放送日時:2019年9月22日(日)16時~終了時間未定 WOWOWプライム
○番組ページ:WOWOW 舞台「幽☆遊☆白書」番組ページ https://www.wowow.co.jp/yuhaku/
〇視聴方法:
■ネット加入なら24時間受付中!「WOWOWステージ」で検索 https://www.wowow.co.jp/join/index.html
※お申込みの際、アンケートにて「ステージ」ジャンル「幽☆遊☆白書」をお選びください。 ■お電話での加入も受付中! 0120-808-422(午前9:00~夜9:00 年中無休)
※お電話の際、「『幽☆遊☆白書』が見たい」とお伝えください。

【ニコニコ生放送】
〇番組名:舞台「幽☆遊☆白書」9.22千穐楽 ニコニコ生中継
〇日時:2019年9月22日(日)16:00~終了時間未定
〇視聴URL:https://live.nicovideo.jp/watch/lv320962015
〇視聴方法: 本番組の後半は、プレミアム会員限定視聴となります。番組全編を視聴するにはプレミアム会員のご登録が必要です。

【公演概要】
日程・場所:
<東京公演>
2019年8月28日(水)~9月2日(月) シアター1010
<大阪公演>
2019年9月4日(水)~9月8日(日) 森ノ宮ピロティホール
<福岡公演>
2019年9月10日(火)~9月13日(金) ももちパレス
<愛知公演>
2019年9月20日(金)~9月22日(日) 一宮市民会館
キャスト:
浦飯幽助:崎山つばさ 桑原和真:郷本直也 蔵馬:鈴木拡樹 飛影:橋本祥平
雪村螢子:未来 浦飯温子:角島美緒 ぼたん:平田裕香 剛鬼:新田健太 幻海:エリザベス・マリー コエンマ:荒木宏文
原作:冨樫義博「幽☆遊☆白書」(集英社「ジャンプコミックス」刊)
脚本・演出:御笠ノ忠次
主催:舞台「幽☆遊☆白書」製作委員会
公式HP:http://officeendless.com/sp/yuhaku/
©舞台「幽☆遊☆白書」製作委員会
©Yoshihiro Togashi 1990年-1994年