《インタビュー》舞台「暗転セクロス」作・演出 岡本貴也

30-DELUXを運営するジェイズプロデュースが、岡本貴也の傑作「暗転セクロス」を上演する。この作品は、朗読劇「私の頭の中の消しゴム」、映画「想いのこし」などを手がける岡本貴也の傑作、2013年の初演、2014年の再演ともに、口コミで広がり、連日の超満員を記録、チケットも争奪戦が繰り広げられたというほど。今回も岡本自身が演出を手がけ、小劇場の濃密な空間を活かした、男女が繰り広げる愛を描く、密室のオムニバス・コメディ、岡本貴也ご本人に作品執筆のきっかけや初演時のエピソードなどを語っていただいた。

「初めて」201号室

「日本ではどうしてこうと恋愛とセックスが乖離しているのか、と疑問がわきました」

――オムニバスで、しかも男女のセックスを取り上げていますが、最初にこの作品を考えた(書いた)経緯を教えていただけますでしょうか?
岡本:40歳くらいの時に書きました。それまでそれなりに恋愛をしてきて、当時は新婚でした。
そんな中で、日本ではどうしてこうと恋愛とセックスが乖離しているのか、と疑問がわきました。
恋人や結婚相手を選ぶ条件は、経済力や優しさなどの性格であって、セックスがそこに含まれることはまれです。
だからこそ、相手に言えない秘密や悩みが生まれるのではないか、これはみんなが抱えている問題ではないのか、と、そんな風に考えました。
――初演時の反響と手応えは?再演が初演の翌年ですね。
初演も再演も初日までチケットが余りまくっていました。幕が開いた途端、口コミで完売しまして、毎日当日券を求める長蛇の列ができていました。小劇場の新しいチャレンジとして打った公演でしたので、とても手応えを感じました。

「お姉様と私」202号室
「人質」204号室

「この舞台は、人間そのものが詰まっています」

――今回の上演に際してですが、お稽古に入っていらっしゃるとお伺いしております。キャストさんたちのお稽古の状況はいかがでしょうか・特にジェイズプロデュースのメンバーは普段のお芝居と全く違うセリフ劇に挑戦していらっしゃいますね。
岡本:劇団内でオーディションをし、精鋭を選びました。みなさん役にぴったりで、稽古での苦しみを楽しんでらっしゃいます。みなさん体のキレが半端ないので、そういうのを活かした演出もたくさんあります。私が、俳優の身体表現が大好きなもので。
――見どころは?
岡本:暗転セクロスとは、暗転したらセックス、という意味です。一晩の、ラブホテル。6つの部屋を描きます。
どの部屋でも、そこにいる人たちは必死でもがいていて、もめまくって、それでも最後はセックスに至ります。
この舞台は、人間そのものが詰まっています。
どコメディに、ど真面目に、悲喜こもごもの人間模様をお楽しみください。
――観に来てくださるお客様に、あるいはこれを読んで「観にいってみようかな?」と迷われているお客様に向けて締めの言葉をお願いいたします。
岡本:小劇場でしかできない濃密な物語です。
初演、再演、再再演と、3回ともプロデュースが違います。今でも新たにオファーが来ます。それほどラブコールの多い戯曲ですので、面白いことは間違いないと思います。短い期間です、どうかお見逃しなく!
――ありがとうございました。公演を楽しみにしております。

「池田屋なの」203号室
「やっと会える」205号室
「夫婦×2」102号室

【公演概要】
日程・場所:
<東京>
2019年9月3日〜9月8日 新宿村 LIVE
<大阪>
2019年10月11日〜10月14日 インディペンデントシアター2nd
作・演出:岡本貴也
出演: 竹之内景樹、黒田愛香、沓掛龍一、桃菜、金田瀬奈、中村悠希、師富永奈、加藤雅人、鶴巻星奈、谷口敏也、片山日南、c、泉紫太朗、須貝汐梨、永岡卓也、白石花子
※表記はオムニバス出演順。
お問い合わせ: ジェイズプロデュース TEL 03-3980-2415 (平日10時~18時)
公式HP:http://jspro.jp/anten/