47都道府県のゆる神様たちが次の「首都」を争う都道府県擬人化バトルを描いたマンガ『四十七大戦』。
WebマンガNo.1をみんなで決める「WEBマンガ総選挙2018」では見事1位を受賞したが、これがついに舞台化する。今回の舞台で取り上げるのは、コミック「四十七大戦」第1話から第5話にかけて描かれている「山陰山陽編」。演出は松崎史也（MANKAISTAGE『A3!』『機動戦士ガンダム00 -破壊による再生-』など）、劇中曲は永井カイル（映画『カメラを止めるな！』など）が手がける。
主人公・ゆる神様（ご当地神）鳥取さん役には、永瀬匡。そして、島根さん役には糸川耀士郎、岡山さん役には上杉輝（TOKYO流星群）、山口さん役には山本タク、広島さん役は宮城紘大。さらに、スタベちゃん役は田口涼、鳥取公演のみトリピー先輩役として鳥取県のPRキャラクター・トリピーも出演。また、本作は「アンテナ型2.5次元舞台」（※地域の特色や名産品などのPRと繋がった2.5次元舞台を指す造語）であることも特徴。東京公演のあとは鳥取さんの本拠地である鳥取県での公演が控えている。
幕開きは映像、それもSF映画のような雰囲気で、ナレーションが入り、作品の設定が語られる。それから物語が始まる、首都になるためにまずは中国地方内でのバトル。これが、よくあるアクション・殺陣中心ではなく（これはこれである）、ラップでバトル！よく聞いているとそれぞれの県の特徴や特産物などをよく押さえて歌詞にしている。『そう、そう』と頷ける知ってるネタもあれば『そうだったんだ』というネタまで多彩なのが面白く、ためになる。メインキャラクターはここでは鳥取さん（永瀬匡）。人口は日本で一番少ない県、そして今やス○バは日本のどこにでもあるが、鳥取県は数年前まで・・・・・なかった！ここでは、これが大きなネタ、いやネタ以上でスタベちゃん（田口涼）という「ゆる神」が登場する。そしてスタベちゃんは外国資本ゆえに公平な存在、ここではレフェリーを務める。そしてかなりの皮肉屋で、発言がいちいちシニカル。
さて消滅可能性都市である鳥取の「ゆる神」である鳥取さんの奮闘が始まるが、ここに同じ中国地方のゆる神が絡んでくる。島根さん（糸川耀士郎）、出雲大社があることが彼のプライド、しかし人口の少なさでは鳥取県と最下位争いをしているし、岡山さん（上杉輝）は果物自慢、お供が犬、猿、雉（笑）。山口さん（山本タク）、山口県は明治時代に活躍した長州、吉田松陰などの歴史を動かした人物を輩出しているのが自慢、かつ強み、政治力もある。広島さん（宮城紘大）は見た目はちょっとチャラく、態度もでかいが、自他供に認める中国地方の雄、赤い球団を超愛してやまない。
鳥取さんは自他供に認める『ビリッケツ』、人口は日本で一番少ない、しかもさらに減少傾向、しかし「鳥取愛」は日本一、砂丘と松葉ガニが名物、「自分が首都になるなんておこがましい」と思っている。そして始まるバトル、映像で勝敗を見せる、相手の人口を減らした方が勝ち。敗者は勝者に統合されるというなかなかにシビア！みるみるうちに人口が！増える！減る！ここは笑いのツボ。そしてバトルはラップだけでなく、もちろん、見た目的に派手なアクションや殺陣もあるが、これが普通のアクションではなく、各ゆる神はそれぞれの特産品にちなんだ必殺技があるのも、笑いのツボだ。鳥取さんは鳥取砂銃に松葉ガニ、島根さんは出雲大社宝仏殿、漆黒の緞帳、岡山さんは蒼天結界、機微弾殺、山口さんは新幹線プライド、総理の加護、広島さんは褐色の銃弾、不屈のバット投げ、もうここは笑うしかない！
大笑いしながらも、彼らが持つ郷土愛、そして戦いを通じて何かに気づき、お互いのよさに気づいたりする姿はちょっと胸熱。そして戦いをはすに構えて見ていたスタベちゃんにも心境の変化が・・・・・・。
抱腹絶倒な２時間弱の１幕もの。笑って、笑って、ちょっと熱くなり・・・・・な舞台。松葉ガニ、きびだんご、梨、桃、お好み焼き、牡蠣、のどぐろ、何を食べようか・・・・・。
ゲネプロ前に囲み会見が行われた。登壇したのはキャスト一同、そしてスポンサーの方々。実は今回キャストさんの出身地と役柄が”シンクロ”しているのが特徴、つまり、ある意味、リアルだ。よってゲネプロも気合いが入りまくり。
「他人事ではないことがテーマとして描かれている」と語る鳥取さんを演じる永瀬匡。「ギャグや笑いがたくさんあります。楽しく演じたい」と語る。糸川耀士郎も「いつか地元をPRできる仕事ができれば、と思っていたので、この仕事がきて嬉しいです・・・・・こういう舞台はいろんな展開ができる・・・・受け入れてもらえるかな？全力で演じるだけなので、地元の人に素晴らしさを届けたい」と意気込んだ。山本タクは「郷土愛が！全力で！みんな中国地方の出身で『地元、こういうのあるよね』って・・・・・学祭みたいな感覚で、でもプロとして演じている、地域活性化舞台、こういうのがたくさん広がってくれれば・・・・山口の友達が『（観劇って）どーゆー格好して行けばいいの？』と（笑）、観れば中国地方の良さがわかります！」と熱くコメント。上杉輝は「中国地方のいいところがいっぱい出てきます。より多くの人に！」とコメント、宮城紘大は「演じるのが楽しみ、稽古中も楽しくて！鳥取公演もあります。演劇を見たことがない人にも入りやすく、肩の力を抜いて見られる作品、この作品が好きです！このキャストさんたちが好きです！」と熱く。田口涼は「僕は東京出身ですが、中国地方の良さを！面白くってかっこいい、素敵な舞台です」と語った。
また永瀬匡はトリピーの方を向いて「トリピー先輩は当たり前に存在していました。僕が生まれた時にはすでに・・・・当たり前の存在すぎて、いろいろ出てくる前からトリピー先輩は県を羽ばたいていましたので親みたいな存在です。もう30代？40代？」というとトリピー先輩は・・・・歳がわかってちょっと・・・・・（笑）。演出家の松崎史也は「素晴らしいキャストです。ラップバトル、内容はキャストさんからヒアリングして作っています原作も演劇的なので、振り切ってくだらないことを、おばかなことを全力で！原作がすごく好きで、今の時代を生きていくメッセージみたいなのがあります。基本的におばかな作品ですが、ゲラゲラ笑っていただければ」とコメント。キャラクターが時にはくじけそうになるシーンもいくつかあり、そこは素直に頑張れ、と応援したくなる。ハートフルな作品でもある。
そして・・・・ここで重大発表が！囲みに出席するはずだった鳥取知事が渋滞にはまり・・・・次の公務のため結局羽田に引き返したとのこと。なんと鳥取さんの格好をして登壇するはずだったそうで・・・・残念。代理で鳥取まんが王国の森田から「平井知事が着るものをきました（笑）、旗も用意しまして・・・・・まさか自分が（笑）」と挨拶。それからスポンサーの株式会社エミネットの内田から挨拶「いつの間にかスポンサーになってここに！冥土の土産になりました（笑）、ちなみに単行本７巻で私が登場しています（笑・見なきゃ）」とコメント。そして大山乳業共同組合の福井が続けて挨拶、「商品を知っていただける、作品と組合、いろんな相乗効果を！」とコメント。
一通りの挨拶が済み、ラップバトルについての意気込み、糸川耀士郎は「（作品のことや映像でのことを）すごい偶然です！ラップ大好きです！ラップシーンはメチャクチャ熱くやっています！」といい、永瀬匡も「ラップ好きです。戦い方の違い、人口は最下位です。鳥取がどういう方法で相手を倒すのか、人口再開ですが、鳥取くんがどういう方法で相手を倒す、ディスるというんでしょうか、仲良くしていくという手段をとります」と熱く語る。また負けたないところは？に対しては糸川耀士郎は「全部負けていない！」といえば永瀬匡は「負けを認めているところはガチです」とコメント。「お互いを知り尽くしているので・・・・・本編を見ていただければ。島根はなに一つ負けていないのです」と語り、続けて「中国地方の間、取り扱い書になります」とPR。賑やかな会見はここで終了した。
＜キャスト＞
鳥取さん：永瀬匡
島根さん：糸川耀士郎
山口さん：山本タク
岡山さん：上杉輝（TOKYO流星群）
広島さん：宮城紘大
スタベちゃん：田口涼
＜ストーリー＞
極東の島国日本の最果ての地、魔境「鳥取」は、
人口の減少により崩壊の危機に直面する消滅可能性都市であった。
この物語は
そんな不毛の地を必死に支えるご当地神「鳥取さん」の奮闘の記録である。
＜出演＞
鳥取さん：永瀬匡
島根さん：糸川耀士郎
山口さん：山本タク
岡山さん：上杉輝（TOKYO流星群）
広島さん：宮城紘大
スタベちゃん：田口涼
トリピー先輩：トリピー（鳥取公演のみ出演）
浅倉祐太／小林賢祐／佐藤和斗／若林佑太／松田祐里佳／小林カンナ
【公演概要】
日程・場所：
＜東京公演＞
10月24日（木）～10月27日（日） 新宿FACE
＜鳥取公演＞
11月1日（金）・11月2日（土） 鳥取県立生涯学習センター県民ふれあい会館
原作：「四十七大戦」（作：一二三/アース・スター エンターテイメント刊）
脚本・演出：松崎史也
音楽：永井カイル
劇中曲作詞・ラップ指導：掌幻
主題歌歌唱：黒川さや花
歌唱指導：May
主題歌作詞・音楽アシスタント：初紀
レコーディング：仲村水希（STUDIO KNIGHTS）
制作プロデューサー：下浦貴敬（Office ENDLESS）
制作アシスタントプロデューサー：岩﨑麗奈（Office ENDLESS）
制作協力：高橋優里子
協賛：
株式会社エミネット
大山乳業農業協同組合
鳥取県まんが王国官房
株式会社稲田屋本店
有田ビリヤードスクール
協力：
株式会社 アース・スター エンターテイメント／鳥取県まんが王国官房
株式会社今井書店
主催：
株式会社クリーク･アンド･リバー社
公式HP：http://officeendless.com/sp/47taisen/
(C)舞台「四十七大戦」製作委員会
