2019年11月29日にinseparable「変半身(かわりみ)」が東京芸術劇場シアターイースト(豊島区池袋)で開幕しました。
小説家 村田沙耶香(「コンビニ人間」で芥川賞受賞)と劇作家・演出家の松井 周(「自慢の息子」で岸田國士戯曲賞受賞)が共同で原案を作り、小説と舞台を同時に発表する異色プロジェクトです。
近未来、因習の残る架空の島「千久世(ちくせ)」は遺伝子操作に使われるレアゲノム(化石)が発見され、特需に沸いている。奇祭(モドリ)で弟を亡くした兄は平穏な生活を送っていたが、ある日、弟が死から蘇り、島民の関係性が徐々に脅かされていく・・・というあらすじで、後半に目まぐるしく展開する世界観は、圧巻です。金子岳憲、三村和敬、安蘭けいをはじめ、台湾人を交えたカラフルな俳優が、どこでもみたことのないフィクション世界を繊細に紡いでいきます。演劇界トップクラスのスタッフワーク(美術(杉山至)、照明(吉本有輝子)、音楽(宇波拓)、音響(牛川紀政)、衣裳(堂本教子))にも注目です。上演時間は2時間10分程度。
小説「変半身」は筑摩書房より11月29日に発売(税抜1,350円)になりました。
日本、台湾の島を取材して出来上がった村田、松井が生み出した架空の島を舞台に、ふたつの全く違う物語を、体験してみてください。
<三村和敬:コメント>
ーーこの作品のオファーを受けた感想をお願いいたします。
三村:僕が普段出会うことのないような作品性というか未経験のジャンルだったので、役者としても人としても幅が広がる経験になると思い、「やりたいです!」とすぐに思いました。
また演出の松井さんがドラマ『ワンダーウォール』を見て僕にオファーを下さったのですが、
出演作品を見てオファーをいただいた経験も初めてだったので、すごくうれしかったです。
ーー演じられる役名、役柄・役の性格を教えていただけますか?
三村:高城宗男という役を演じます。
高城は、ある出来事がきっかけで世界の見方がガラッと変わってしまった青年です。
周囲に影響を与えようとする役柄で、責任感が強い性格だと思います。
見た目も含めてちょっと特殊な役柄なので、実際に観ていただきたいです。
ーーお稽古場の雰囲気や共演の方、演出家さんの様子などをお願いいたします。
三村:とても仲の良いカンパニーで、毎日稽古場に行くのが楽しかったです。
稽古では演出家の松井さんを始め、共演者、スタッフなど関わっている人全員でアイディアを持ち寄って、何も決めつけないままそのアイディアを実践してみるというのを繰り返してました。
“本物”であれば台詞など多少違っていてもそれでいいという雰囲気で、実験を繰り返しながら稽古が進んでいくので、すごく面白い経験ができました。
僕が演じる役については、自分の考えた役のプランで演じてみて、そこにアドバイスをもらう形で役作りをしていきました。
演出の松井さんからのアドバイスで印象的だったのは、【頭の中にきちんとイメージができてからセリフを話せばいい。イメージが難しかったら置き換えればいい】という言葉です。
例えば「昨日みた夢の話をするように話してみて」などイメージしやすい形でアドバイスをしていただきました。
ーーお客様に向けてメッセージをお願いいたします。
三村:理科の実験や生物学を観ている様な「次に何が起こるだろう?」という驚きがあるので、
舞台で起こることをそのまま受け入れてて楽しんでもらえたら嬉しいです。
観た人のイメージを刺激する作品で、前情報なしで楽しめる作品なのでぜひ観に来ていただけると幸いです!
【公演概要】
劇場:東京芸術劇場 シアターイースト
公演期間:2019年11月29日〜12月11日
原案:村田沙耶香 松井周
脚本・演出:松井周
出演:
金子岳憲 三村和敬 大鶴美仁音 日髙啓介 能島瑞穂 王宏元 / 安蘭けい
公式HP:https://www.geigeki.jp/performance/theater226/
舞台写真撮影:引地信彦