神奈川県民ホール大ホールは改修工事のため約 10 ヶ月休館していたが6 月に開館、そのリニューアルを記念する「オープンシアター2018」は、公益財団法人神奈川芸術劇場が管理運営する文化施設が合同で開催 するイベント。県民ホール大ホール、小ホール、ギャラリー、会議室、KAAT 神奈川芸術劇場でも同時多発的 にさまざまな文化芸術イベントが行われる。
大ホールで上演するのは、フンパーディンク作曲のオペラ『ヘンゼルとグレーテル』。グリム童話を題材とし たオペラであるが、今回は、すべての子どもたち、大人たちに贈る“親子の愛を見つめなおす物語”として、ど こにでもあるあたたかな家庭から物語ははじまる・・・。しかし子どもたちはやんちゃざかり、子どもたちのいたずらに疲れたママは、ある日パパと一緒に大胆なしつけを考える・・・。
演出の田尾下哲とバリトン歌手、宮本益光がタッグを組み、オペラ『ヘンゼルとグレーテル』を 75 分に凝 縮、再構成し、この公演のために宮本が書き下ろした日本語台本でつづる。個性豊かな 4 人のソリストと神奈川フィルハーモニー管弦楽団、若手指揮者沖澤のどかが、美しく親しみやすいフンパーディンクの音楽ととも に、心躍るストーリーをつむぎだす。
<青木エマ(ソプラノ):ヘンゼル>
神奈川県出身。国立音楽大学卒業。二期会オペラ研修所修了。修了時に優秀賞受賞。第 12 回日本演奏家コンク ール最高位。これまでに『トスカ』タイトルロール、『ラ・ボエーム』ミミ、『カルメン』ミカエラの他、二期 会オペラでも、『ドン・カルロ』テバルド、『チャールダーシュの女王』シュターズィ等出演。15 年西本智実プ ロデュース『蝶々夫人』では、蝶々さん役を京都南座、新橋演舞場で演じ好評を博した。続けて 16 年二期会 『フィガロの結婚』(宮本亜門演出)ケルビーノ、17 年同『こうもり』オルロフスキーにも出演。コンサート でも「第九」等のソリストとして多くのオーケストラと共演しており、今後益々の活躍が期待されている。二 期会会員
(c)深谷義宣aura.Y2
<鵜木絵里(ソプラノ):グレーテル>
東京藝術大学卒業、同大学院修了。二期会オペラスタジオ修了。イタリア政府給費生としてミラノに留学。二 期会『ホフマン物語』オランピア、同『コジ・ファン・トゥッテ』デスピーナ、神奈川県民ホール『ちゃんちき』子狐のぼう、同ホール開館 30 周年記念『愛の白夜』(一柳慧作曲)ダニエル少年、日生劇場『ヘンゼルとグ レーテル』グレーテル、新国立劇場『アラベッラ』フィアカミッリ、同『魔笛』パパゲーナ等数多く出演。「第 九」等のコンサートソリストとして、またメディアへの度重なる出演など多彩な活動を展開。日生劇場「ファ ミリーフェスティヴァル」、ソニー音楽財団「Concert for KIDS」等教育プログラムにも積極的に取り組んでい る。二期会会員
<岡本知高(ソプラニスタ):ママ・お菓子の魔女>
1976 年生まれ。高知県宿毛市出身。ソプラニスタ(男性ソプラノ歌手)。世界的にも大変希有な「天性の男性 ソプラノ歌手」である。 国立音楽大学を卒業後、フランスのプーランク音楽院を首席で修了。様々なアーテ ィストや国内オーケストラとの共演のみに留まらず、モスクワ・フィルハーモニー交響楽団、ロイヤル・フィ ルハーモニー管弦楽団等、海外オーケストラからの呼び声も高い。そのレパートリーは幅広く、宗教曲、オペ ラ、クラシカル・クロスオーバー、ミュージカル、映画音楽、日本の唱歌・ポップスと多岐にわたり、フジテ レビ フィギュアスケート中継のオープニングソング「ボレロ」ではまさにその真骨頂を聴くことが出来る。ま た、ライフワークとして取り組んでいる全国各地の学校訪問コンサートは年間数十公演に及び、子供達とのふ れあい活動を通して音楽の楽しさや喜びを伝えている。神奈川県民ホールでは、一柳慧作曲オペラ『ハーメル ンの笛吹き男』世界初演に主演した。
<構成・訳詞・台本:宮本益光(バリトン):パパ>
東京藝術大学卒業、同大学院博士課程修了。学術(音楽)博士号取得。2003 年『欲望 という名の電車』スタンリーで一躍注目を集め、以後、二期会『ドン・ジョヴァンニ』 タイトルロール、『コジ・ファン・トゥッテ』グリエルモ、『こうもり』ファルケ、新国 立劇場『鹿鳴館』清原栄之輔、『夜叉ヶ池』学円、日生劇場『メデア』イヤソン、神奈川 県民ホール開館 40 周年記念『金閣寺』溝口、同『魔笛』パパゲーノ等話題の公演で活 躍。また演奏のみならず、作詞、訳詞、執筆、企画、演出等でも多彩な才能を発揮、創 造性あふれるステージで聴衆を魅了している。CD「うたうたう 信長貴富歌曲集」、詩集 「もしも歌がなかったら」「樹形図」等がある。二期会会員
【公演概要】
みんなでたのしむオペラ ヘンゼルとグレーテル
日本語上演・新制作版・日英二ヶ国語字幕つき
開催日 2018 年 6 月 3 日(日) 11:00/14:00 作曲: E.フンパーディンク
※2 回公演(約 75 分・休憩なし)
演出: 田尾下哲
構成: 田尾下哲・宮本益光
訳詞・台本:宮本益光
指揮: 沖澤のどか
管弦楽: 神奈川フィルハーモニー管弦楽団
配役: 青木エマ(ソプラノ):ヘンゼル、鵜木絵里(ソプラノ):グレーテル、 岡本知高(ソプラニスタ):ママ・お菓子の魔女、 宮本益光(バリトン):パパ、 赤い靴ジュニアコーラス、赤い靴スタジオ(児童合唱)
<関連企画>
※メイキング・シアター オペラをつくろう!
6月2日(土)10:00-15:30
演出家:田尾下哲、作曲家:加藤昌則を中心に「オペラをつくる」を体験
6 月3日(日)はオーケストラピット見学、プレレクチャー、手話ワークショップ等が行われる。