2020年1月31日(金)から東京・品川プリンスホテル ステラボールにてリアルファイティング『はじめの一歩』The Glorious Stage!!が開幕した。本作は、講談社「週刊少年マガジン」で連載中の人気ボクシング漫画の舞台化作品。
原作となる漫画「はじめの一歩」は講談社「週刊少年マガジン」で1989年から連載中の森川ジョージによるボクシング漫画で、累計発行部数9,600万部を超える同誌不動の看板作品と言われるほどの大ヒット作。2000年から放送開始のアニメ版も大ヒットとなり、シリーズ化されている。2019年には連載30周年を迎え、その舞台版となる今作はステージ上で男たちの「本気の闘い（リアルファイト）」が繰り広げられる。
出演は、主人公・幕之内一歩役にシュートボクシング経験を持ち、本作が本格的なデビュー作となる後藤恭路、一歩の憧れでありライバルでもある宮田一郎役には滝澤諒、「浪速のロッキー」の異名を持つ千堂武士役には松田凌、一歩がボクシングの世界に入るきっかけを作るプロボクサー・鷹村守役に滝川広大、鷹村と同じ鴨川ボクシングジムに所属する青木勝役と木村達也役に、それぞれ塩田康平、高橋奎仁。
さらに、鴨川ボクシングジムの会長・鴨川源二を演じるのは、アニメシリーズで青木の声を担当した高木渉。そして、作・演出は同じくアニメシリーズで一歩の声を担当した喜安浩平が務める。
物語は、内気でいじめられっ子の高校生・幕之内一歩が偶然にも鷹村にいじめられているところを助けてもらい、ボクシングに出会うところから始まる。鷹村に熱意を認められた一歩は、鴨川ボクシングジムで会長の鴨川から入門テストとして、将来を有望視されている天才ボクサー宮田とのスパーリングに挑むことに。
そのスパーリングの中でわずかな才能を認められた一歩は、『強いってどういうことだろう？』という素朴な疑問を抱えながら、持ち前の頑張りで過酷な練習に耐え抜く。そして、宮田との再戦を目標に、先輩ボクサーの青木や木村に見守られながら、数多の強敵との死闘を勝ち抜き、チャンピオンを目指す！！
本作の見どころは何と言っても、キャストたちが鍛え上げた肉体によってステージ上で体現するリアルファイトの数々だろう。一歩と死闘を繰り広げるのは、永遠のライバルでカウンター使いの宮田、一歩と同じインファイターでスマッシュを持つ千堂だけではない。
フリッカー・ジャブとチョッピングライトを駆使する間柴了（岡本悠紀）、女性人気の高いスター選手・速水龍一（橋本真一）、「スピード・スター」と呼ばれるアウトボクサー・冴木卓麻（山口大地）、ロシア人ボクサーで「ホワイトファング」と呼ばれる必殺技を持つヴォルグ・ザンギエフ（才川コージ）、日本チャンピオンの伊達英二（松本寛也）と、個性あふれるファイトスタイルとフィニッシュブローを持ったユニークなライバル・ボクサーが次々とテンポ良く登場し、一歩もガゼルパンチやデンプシーロールで迎え撃つ。
見栄えのする様々なフィニッシュブローだけでなく、原作やアニメのボクシングの試合をステージ上にリアルなファイトとして表現するために、作・演出の喜安、振付のHIDALI、ファイトコーディネイトの冨田昌則が生み出した試合中の動きやセリフの緻密な構成と、それを実現する俳優陣たちによって、単なるボクシングの試合ではないドラマが生み出されている。
そこに原作の名シーンの数々や、原作の面白さの一つでもあるお笑い要素も組み合わさり、原作・アニメを知り尽くした喜安ならではという舞台化となっている。
なお、ゲネプロ前の初日会見には、後藤、滝澤、松田、滝川、塩田、高橋、高木、作・演出の喜安が登壇し、意気込みや見どころなどを披露した。
後藤恭路：
初日という実感がなくて、緊張はあまりないですけど、取材に対しての緊張はすごくあります（笑）。練習でやってきたことをうまく出せればいいなと思っています。
滝澤諒：
ついにきたなという気持ちでいっぱいです。今までいろんな舞台に出演させてもらってきましたが、毎回初日は不安のほうが大きいんですけど、今回は初日に向けてみんなで一丸となってトレーニングをして、お芝居の稽古だけじゃなくて、家に帰ってからも「はじめの一歩」という作品から抜けて、ボクシングというものに対して夢中になって稽古に励んできたので、そういった作品だけじゃないボクシングに対する熱量というのも作品に乗せてお客様にぶつけていきたいなという気持ちでいっぱいです。
松田凌：
この作品に携わさせていただいてから、おそらく各々にいろいろな葛藤があり、見えないものと戦ってきたと思います。それを担っていくのは私たちの陰の努力といいますか、体作りからいろいろ重ねてきました。千堂武の言葉を借りると、ご来場いただいた皆様に「こんなもんや！」と大口がたたけるようなぐらい、そして楽しんで帰っていただけるように、全身全霊で毎公演務めたいと思っています。
滝川広大：
リアルファイトももちろんなんですけど、それぞれの人間模様というか、人間イコール物語というのがすごく立っているなと思っているので、それも見てほしいです。それに、鴨川軍団の熱量であったり、自分たちの流れとかリズムを作っていって、皆さまに「はじめの一歩」の面白さが伝わればうれしいです。
塩田康平：
「はじめの一歩」はすごく熱い漫画なんですけど、とにかく面白い部分もたくさんあるので、そういった面白い部分も凝縮しつつ、そして一歩の成長を見守っていける先輩としてこの舞台を支えていきたいと思います。
高橋奎仁：
本当にあっという間の稽古期間で、ケガとか病気もなく、こうして初日を迎えられたというのがまず一安心です。各々が芝居、ボクシング、体作りをやってきて準備できることはしたので、あとは本番で舞台という名の試合に臨むだけだと思っています
高木渉：
稽古をみんなと一緒にやっていて、みんながすごく協力し合っていたと感じていました。濃い稽古をやってきたので、初日を迎えて緊張と楽しみが入り交じっている、程よい緊張感をまとっています。とにかく皆さんに楽しんでいただけるように僕たちも精一杯頑張ります。鴨川源二の言葉ですが「前へ、前へ」という気持ちで本番に臨みたいと思います。
喜安浩平：
稽古に入る前からずっとみんなに体を作ってもらったり、プロデューサー陣と台本のことを話し合ったり、いろんなことをしてきて、この戦いがずっと続くんだなと思っていたので、それがまさか初日を迎えることになるとは、まだちょっとフワフワしています。ゴングが鳴ったらきっと、今ここに立っているんだなという気持ちになるので、そこまでにできる限りのことを、俳優の皆さん、スタッフの皆さんにまだまだ伝えていけたらと思っております。
見どころはたくさんありますが、やっている競技はボクシングなんですけど、大縄跳びを飛んでいるみたいな感じです。全員がちょっとでも邪なリズムを加えるとつまずくんです。この作品は誰もが大きな渦のリズムの中で、寸分違わずにその時に必要な仕事として、的確な位置、パンチ、声、ニュアンスを打ち続ける作品になっています。その回転している中にどんどん人が入ってくるんです。止めてなるかと。その俳優たちの一挙手一投足、スタッフも含めて、大きな渦の中に絶対にきっかけを逃すまいという風に飛び込んでいく姿勢をぜひ逃さずに楽しんでください。
＜出演＞
幕之内一歩役 後藤恭路
宮田一郎役 滝澤 諒
千堂武士役 松田 凌
鷹村 守役 滝川広大
伊達英二役 松本寛也
間柴 了役 岡本悠紀
青木 勝役 塩田康平
木村達也役 高橋奎仁
速水龍一役 橋本真一
冴木卓麻役 山口大地
ヴォルグ・ザンギエフ役 才川コージ
梅沢正彦役 神坂優心
間柴久美役 未来
幕之内寛子役 久下恵美
鴨川源二役 高木 渉
アンサンブル 久保雅樹 アブラヒム・ハンナ 竹内健史
【公演概要】
リアルファイティング「はじめの一歩」The Glorious Stage!!
2020年1月31日（金）～2月9日（日） 品川プリンスホテル ステラボール
原作：森川ジョージ「はじめの一歩」（講談社「週刊少年マガジン」連載）
作・演出：喜安浩平
音楽：和田俊輔
振付：HIDALI
ファイティングコーディネート：冨田昌則
公式HP：https://www.ippo-stage.com/#gallery
公式ツイッター：https://twitter.com/ippo_stage
取材・文：櫻井宏充
