アイヌ文化の普及啓発活動に取り組む阿寒アイヌ工芸協同組合(北海道釧路市阿寒町 代表理事:西田正男)は2019年3月より阿寒湖アイヌシアター「イコㇿ 」にて開催されている、 デジタルアートと現代舞踊・伝統的なアイヌ古式舞踊を融合したプログラム、 阿寒ユ ーカラ「ロストカムイ」をリニューアルし、 2020年4月1日(水)より一般上演を開始する。
「ロストカムイ」は開演以来2万人以上の動員を記録した「イコㇿ」を代表する演目。 テーマは「アイヌとエゾオオカミの共生」。 絶滅したエゾオオカミを最新のデジタル技術で再現し、 自然を尊び共存してきたアイヌの暮らしの中から生まれた歌や踊りとともに、 現代舞踊を取り入れたまったく新しい舞台として誕生。
今回はすでにご鑑賞いただいた方、 外国人観光客を含めたより多くの方にも楽しんでもらえるよう、観るたびにアイヌ文化を深く感じられる舞台として再構築するため、 1年の公演を経て、 演目の磨き上げを実施。
本リニューアルではプレイヤーとして活躍する一方、 ディレクターとして「印象派」の舞台を手がける夏木マリが演出サポート、 ナレーションを担当。 コンテンポラリーダンスの振付は、 ダンサー・振付家の小㞍健太が担当。ダンスシーンは床ヌブリさんの彫刻から着想を得た。 二人の男性ダンサーを起用し、 より力強く、 神秘的なパフォーマンスでステージを演出。 音楽は前作の楽曲制作を担当したKuniyuki Takahashiに加え、 今回新たに世界的なパーカッション奏者、 斉藤ノヴが参加。 それぞれの楽曲にパーカッションを追加するとともに、 新たな楽曲も制作。 重厚感のある音楽によって、 物語への没入感がより強化。 このようなワールドクラスのクリエイターにより、 芸術性の高い作品にバージョンアップした「ロストカムイ」、乞うご期待。
なお、 この取組みは国のアイヌ政策推進交付金を活用し、 阿寒アイヌ工芸協同組合、 一般社団法人阿寒アイヌコンサルン(理事長 廣野洋)、 釧路市が協力し進めたもの。
<上演会場 阿寒湖アイヌシアター「イコㇿ」概要>
日本初のアイヌ文化専用屋内劇場として 2012 年にオープン。 国の重要無形文化財・ユネスコ世界無形文化遺産である「アイヌ古式舞踊」等を上演し、 年間約 6 万人の観客を動員しています。
名称:阿寒湖アイヌシアター「イコㇿ」
所在地:北海道釧路市阿寒町阿寒湖温泉 4 丁目 7-84 座席数:332 席 + 後部立見観覧数:120 人
HP: https://www.akanainu.jp
<阿寒湖温泉とアイヌ>
阿寒湖温泉は、 火山と森と湖が織りなす豊かな原生的景観を有する「阿寒摩周国立公園」内に位置し、 日本の先住民族であるアイヌの人々と日本人がともに暮らしてきた歴史があります。 現在も約120 人が暮らす北海道最大規模のアイヌコタン(集落)があり、 自然と共存してきたアイヌの人々の 暮らしやそこから生まれた音楽や歌、 踊りを継承してきました。 また、 阿寒湖温泉地域を含む釧路市は 2016 年より訪日外国人観光客を地方へ誘客する取組みの「観光立国ショーケース」(観光庁)や「国立公園満喫プロジェクト」(環境省)の先行地域の 1 つに選定され、 地方創生のモデルケースとして様々な取 り組みを進めています。
【阿寒ユーカラとロストカムイ公演概要】
<プレビュー公演>
・2020年3月31日(火)16:00~
<公演時間>
・2020年4月1日~4月28日 土日祝日のみ15時 / 毎日21時(2公演)
・2020年4月29日~10月31日 毎日15時 /21時(2公演)
上演時間:約40分
当日入場料:大人2,200円 / 小学生600円
公演場所:阿寒湖アイヌシアター「イコㇿ」/ 北海道釧路市阿寒町阿寒湖温泉4丁目7−84
※新コロナウィルスの影響により、 4月1 日(水)以降の公演スケジュールは変更する場合がございます。
<参加クリエイターの紹介>
[夏木マリ/演出サポート、 ナレーション]
73年デビュー。 80年代から演劇にも活動の場を広げ、 芸術選奨文部大臣新人賞などを受賞。 93年から
コンセプチュアルアートシアター「印象派」で演出をスタート。 エディンバラアヴィニヨンなどの演劇祭に参加。 09年パフォーマンス集団MNT(マリナツキテロワール)を立上げ主宰。 ワークショップを通じて後進の指導にも力を入れ、 その功績に対しモンブラン国際文化賞を受章。 近年、 音楽活動ではジャジーでスタイリッシュなステージを「MARI de MODE」と題し、 Blue Note TOKYOで開催し好評を博している。 俳優としては、 多数の舞台・映画・ドラマに参加し、 数々の賞を受賞。 その他、 途上国への支援活動「One of Loveプロジェト」の代表をつとめるなど、 多岐にわたる活動を精力的に続けている。
6月から世界初演『印象派NÉO vol.4「The Last of Pinocchioピノキオの終わり」』をスタート。 国内は世田谷パブリックシアター(6.3~7)、 ロームシアター京都(6.11)、 アクロス福岡(6.16)、 高崎芸術劇場(6.27)を予定している。
[斉藤ノヴ / パーカッショニスト、 サウンドプロデューサー ]
1970年のデビュー以来、 松任谷由実、 山下達郎、 中島みゆき、 高中正義、 渡辺貞夫、 B’z、 ゴスペラーズ、 福山雅治などジャンルを超えた多数のアーティストの レコーディングやツアーに参加。 サザンオールスターズの「勝手にシンドバット」のリズムアレンジは高い評価を受けた。 他にもライブ・イベント等のサウンドプロデュースも手掛け、 多方面でその豊な才能を発揮している。 1997年からB’zのレコーディングに参加。 / 2006年、 夏木マリと「GIBIER du MARI」を結成。 2008年にソロアルバム『ZEN』をリリース。 / 2012年から舞台『印象派』の音楽監督を務める。 / 2018年、 斉藤ノヴ率いる「NOBU CAINE」が完全復活し、 衝撃を与えた。
[Kuniyuki Takahashi / サウンドデザイナー、 プロデューサー、 DJ ]
北海道札幌市を拠点に活動。 国境を問わず常に独特の世界観を持つ音楽は、 世界各国のプロデューサー、 DJ から高い評価を得る。 今回、 アイヌの歌声と阿寒の自然の音をミックスしたディープなサウンドをシアターに響かせる。
[小㞍 健太 / ダンサー、 振付家]
ダンサー・振付家、 Dance Base Yokohama ダンス・エヴァンジェリスト。 1999年ローザンヌ国際バレエコンクールにてプロ・スカラシップ賞受賞後、 渡欧。 ネザーランド・ダンス・シアター1に日本人男性と初めて入団。 イリ・キリアンなど世界的な振付家の作品に出演。 2010年よりフリーとなり、 『TOKI』(2011年、 日中韓芸術祭2013招聘作品)、 『光のヴァイブレーション』(2016年、 NHKクラシック倶楽部収録作品)、 『Study for Self/portrait』(2017年、 原美術館)など創作活動を中心に、 シルヴィ・ギエム「6000 Miles Away」、 スウェーデン王立バレエ団、 Noismなどに客演。 近年は、 渡辺レイ、 湯浅永麻とOptoを主宰するほか、 オペラやミュージカルの振付、 フィギュアスケート日本代表選手の表現指導、 さいたまダンス・ラボラトリ(彩の国さいたま芸術劇場)の講師/ナビゲーターを務める。
[WOW inc. ]
デザイン、 アート、 テクノロジーを統合したモノ、 コトを生み出すクリエイティブ集団。 CG Design・VFX を中心に、 映画/ドラマ、 CM、 イベントなど、 高品質な 3DCG 映像制作、 演出を手掛ける。
[坂本 大輔 /クリエイティブディレクター]
コピーライター、 プランナー、 クリエイティブディレクターとしてアーティストのブランディングや広告を中心に活躍。 本プロジェクトの企画・原作・クリエイティブディレクションを担う。
[床 州生 /阿寒アイヌ工芸協同組合理事 ]
阿寒湖温泉在住。 阿寒湖アイヌシアター「イコㇿ」の舞台監督を務め、 永年継承してきたアイヌ古式舞踊に込 められた想いを現代舞踊、 デジタルアートで伝える。