《続報!コメント到着》全ての舞台芸術関係者に贈る公益基金を立ち上げます Mirai Performing Arts Fund 幹事 conSept合同会社 代表 宋元燮

ーー新型コロナウイルス感染症被害対策:舞台芸術を未来に繋ぐ基金 conSept合同会社 代表 宋元燮さんからメッセージをいただきましたーー

舞台公演製作会社であるconSept合同会社と経営コンサルティング及び舞台公演投資会社である杉本事務所が全ての舞台芸術関係者(出演者、 クリエイター、 スタッフ、 その他関係者)に対する支援を行う目的の公益基金「新型コロナウイルス感染症被害対策:舞台芸術を未来に繋ぐ基金=Mirai Performing Arts Fund」を4月28日(火)からMotionGallery上に立ち上げることになり、この公益基金を応援してくださる賛同者の代表として板垣恭一さん(脚本家・演出家)、 伊礼彼方さん(俳優)が参加することが先週発表になったが、この公益基金を立ち上げることになった経緯や舞台や芸術に対する想いをconSept合同会社 代表 宋元燮さんからお話をお伺いいたしました。

ーー新型コロナウイルスの影響で公演自粛が始まった時(2月末頃)、考えたことは?御社の公演も後半が中止になりましたが。

もうすっかり昔の出来事のように感じてしまいますが、弊社conSeptは2/27に当時上演中だったミュージカル『HUNDRED DAYS』の中野公演全てを中止する決定をしました。
中止するかどうかはだいぶ迷いましたが、ほんの少し想像が膨らみ始めると、強行するという考えに戻る事がなかなか難しかったのを覚えています。
「対策を徹底すれば・・・・・・」「うちの公演に限って・・・・・・」というのも最初は頭をよぎりました。もちろん中止した際のいろんな手続き-払い戻しやキャンセル料などの事を考えると胃が痛くなりましたし、やり切る事ができない無念というのは私に限らず出演者もスタッフも同じ思いだったと思います。
ですが、もしもうちの公演で感染者が発生したら・・・そう、来場した観客に自己責任だけを訴えかける事は出来ませんし、劇場はその事で結局はその後の公演を恐らくやれなくなる。それどころか会場となっていた中野ザ・ポケットは住宅街のど真ん中にあります。劇場でクラスターが発生したと分かれば、近隣住民からバッシングが来たり風評被害が出たり・・・そういう事を全部ひっくるめて、自分が分かっていないものと戦うべきではないと判断したのです。
中止を関係者に伝えた際は行き場のない悲しみや怒りやなんとも言えない思いから言葉少なに心情を吐露したり私を説得してみたり、反応も様々でしたが、後の3/10のライブ配信で、そのモヤモヤはある程度解消出来たかなとは思います。
加えて公演中止によるconSeptの打撃緩和を思ってギャラの減額を申し出てくださった関係者の方々やキャンセル料等についてご配慮くださいった中野ザ・ポケットの方々にこの場を借りて心から感謝申し上げたいです。

ーー時間が経つにつれて、このような『クライシス』は演劇・エンターテイメント業界のみならず、すべての人々に大きな打撃となっておりますが、この刻々と変化する状況から基金を立ち上げようと思った経緯、また賛同してくださった板垣さんや彼方さんが加わった経緯などを教えてくださると幸いです。

難しい質問ですね・・・経済的な打撃を受けているのはもちろん舞台芸術業界だけではないです。そして打撃を受けている範囲は増え続けていると思います。ただこの業界に関していうと本来は「劇場」「舞台の上」という特定の空間で何かをやるという事が一つの設定になっている都合で、そもそもその場所にいる事ができないという事情の中、SNSやYouTubeなどを通して活動している人たちが増えています。
これは一つの考え方の転機となる可能性があるので、新たなフィールドを開拓するチャンスになるという考え方ももちろんできます。conSeptでも自社の公演のアーカイブを有料で配信したり、表立って大きくやっているわけではないですが実験的に演劇の鑑賞会をオンラインで行なってアフタートークのような事をやってみたり、ZOOMを活用したトークライブをやってみたりと、可能性のあることにいろいろチャレンジはしています。
しかしいずれにしろ現在流されているコンテンツには対価を伴わないものが多く、弊社が多少有料の何かをして還元しようとしたところで行き届く先がとても限られている事にモヤモヤ感を感じ続けていました。かと言ってこんな零細企業で大々的なキャンペーンが打てる訳でもなく・・・でネットで情報を拾ってみると、個々にはいろんなクラファンが立ち上がっていたりするけれど、結局リターン作らないといけないし、一定のファンが集中的にそこに対価を落としていくだけだし・・・でも興行システムそのものはともかくとして、舞台というものが主役だけで成り立っている訳ではないから、多少ファンが少なくたって適者生存で消えていっていい訳ではない・・・などなどいろんな事を悶々と考える日々が配信をやった以降3月中ずっと続き、4月になっていろんな寄付やクラファンのシステムそのものを調べ始めるようになって、「あ、公益基金だ」と思い至ったんです。言い方が難しいですけど、なるべく多くのところへ支援を行き渡らせる方法であると感じたのに加え、ある意味では舞台芸術を支援する事が日本において公益であるのかどうかを自ら問う機会になるんじゃないのかなと。
思いついたときに真っ先に板垣さんと伊礼さんにこういった私の考えや悩みを説明して、お二人とも近い事を思ってくださっていた事から賛同人代表をお願いする事になりました。そういう方達だと思ってました(笑)

ーーこれを読んでくださる読者の方々へメッセージをお願いいたします。

「これが答えです!」みたいな事が今現時点であるわけではなくて、進みながら模索していくという事自体が、そもそも未知のものであるコロナウイルスと我々がどう向き合うのか、という事と同じ事なんじゃないかと感じています。
これを読んでらっしゃる皆さんもそれぞれに疲弊していたり、こうしたらいいんじゃないかというご意見があったりすると思います。
このプロジェクトにご賛同いただけたり、またはこうした方がいいんじゃないかと思う事があったりしましたら、プロジェクト開始後に是非プロジェクトサイトにご意見残してください。模索していきたいと思います。
これが舞台芸術について皆さんと一緒に何かを考えるいい機会になればと願っています。

<4月23日記事>
https://theatertainment.jp/japanese-play/52967/

【公益基金とプロジェクトの目的について】
この公益基金では、 寄付による原資を使い、 新型コロナウイルス感染症の拡大防止によって活動停止を余儀なくされた舞台芸術に携わる出演者・クリエイター・スタッフ(個人、 団体問わず)に対して今後の活動に必要な資金を助成します。

クラウドファンディングサイトであるMotionGalleryのページ上に基金を設立してはいますが、 公益基金である事から本プロジェクトのリターンは税制優遇措置を受けられる領収書の発行のみとなっています。
またMotionGalleryさんが実施されているコロナウイルス対策支援プログラムにより、 募金目標額である1億円に達しなくてもプロジェクト成立となる仕組みになっています( https://motion-gallery.net/blog/suportprogram )。

今回敢えて公益基金としたのは舞台ファンのみならずよりたくさんの方に支援していただきたいためであり、 多額の支援金を特定のアーティストなどに集約して助成せず、 出来るだけ多くの舞台関係者に支援が行き届くようにしたいためです。

※リターンとは、 自分のプロジェクトを応援してくれる支援者にお返しする品物やサービスのこと。

【心に安らぎを、 未来に創造を】
今も多くの出演者やクリエイター、 スタッフが普段とは違う形でSNSやYouTubeを通して世の中を鼓舞したり慰めたり安らぎを提供するための努力を続けています。 それら全ては本来対価が支払われて成り立つものですが、 今は対価を求めにくい状況下で彼らは自分たちの社会的な存在価値を試されているという部分もあると思います。
ほんの少しでもそんな彼らへの支えと後押しが出来ればと思って本基金の設立に至った次第です。 全世界が苦境に立たされている状況ではありますが、 これまでの人生で少しでもエンタメや舞台芸術によって楽しみを得たり思い出を持つ事が出来たと思われる方は、 皆さん個々の可能な範囲で結構ですので舞台芸術を未来に繋げられるよう応援していただけますと幸いです。

募金サイトは4月28日(火)に公開される予定で、 寄付の方法、 助成申請方法等については、 公開されるサイトにて詳しくご案内いたします。

【募金に関する情報】
■タイトル:新型コロナウイルス感染症被害対策:舞台芸術を未来に繋ぐ基金=Mirai Performing Arts Fund
■ハッシュタグ:#butainomirai
■公開予定日:2020年4月28日(火)
■募金目標額:1億円
■募金サイト  https://motion-gallery.net/projects/butainomirai
※リンクが有効になるのは公開予定日からです。
■運営事務局:公益財団法人パブリックリソース財団
■幹事(基金立上げ人):conSept合同会社、 杉本事務所
■賛同人代表:板垣恭一(脚本家・演出家)、 伊礼彼方(俳優)
■ロゴデザイン:高橋誠己(think_small)

【賛同人を募っています!】
この公益基金では賛同人となってくださる舞台関係者を募っています。
賛同人となった方(企業・団体)は募金サイトにお名前を掲載し、 募金活動の広報にご協力いただく事となります。 賛同人であっても助成申請を行う事は可能ですので、 詳しい内容を知りたい方は下記までご連絡ください。
また募金開始後も随時受付いたしますので、 より多くの方に情報が届くようご協力どうぞよろしくお願いします。

■お問合せ先:info@consept-s.com 宋(そん)宛

【運営事務局】
公益財団法人パブリックリソース財団 (東京都中央区湊)
久住 剛(代表理事・理事長) 岸本 幸子(代表理事・専務理事)
【幹事会社】
conSept合同会社 代表 宋元燮(東京都世田谷区桜新町)
杉本事務所 代表 杉本 宏(東京都中央区銀座)