新型コロナウイルスによる演劇界の危機的状況を受けて緊急的に組織された緊急事態舞台芸術ネットワークであるが現在、演劇界の主だった制作会社が参加し、多くの団体が賛同している。
(URL:http://www.jpasn.net)
東宝や劇団四季などの39の団体が「緊急事態舞台芸術ネットワーク」を立ち上げ、先月から今月にかけて、参加団体を対象にアンケート調査を実施、公演主催団体の16社と音響や道具製作などを担う6社の合わせて22社から回答があった。
この中で公演の中止や延期にともなう損失額を尋ねたところ、1億円以上5億円未満と回答したのが8社と最も多く、次いで10億円以上30億円未満が3社、30億円以上と5億円以上10億円未満、1億円未満がそれぞれ2社あることがわかった。6月以降の中止・延期公演も極めて多いため、ここでわかった損害額はごく一部に過ぎない。
現状の支援策を利用して事業が継続できる可能性については、10社が「可能」と回答した一方で、およそ4割にあたる9社が困難、または大幅な縮小は避けられないという状況にあることがわかった。
アンケートの自由記入欄の紹介をここに示す。
「年内の興行が難しければ、会社休眠あるいは倒産は致し方ない。」
「2021 年 4 月頃、事業継続は不可能になる。」
「チケット収入が絶たれたあとで、中止になった補償をいかに支払うかを処理する日々です。 そのうえ今後も売上がなく、固定費だけが出ていく時期がしばらく続くと考えると特別貸付だけ では夏までは到底持ちそうにありません。」
「すべて借り入れでまかなうので、体力が続かない可能性も否定できず、不安だ。」
「収入¥0で、支援策利用しても1ステージで数千万円以上の負債、理不尽過ぎます。中小企業一社では とてもまかないきれません。」
緊急事態舞台芸術ネットワークは「短期間で極めて高額の損失が生じている」として、ガイドラインの作成など再開に向けた取り組みを進めることにしているとのこと。
その他にインターネット上で資金を募るクラウドファウンデングを立ち上げる動き、その他にも様々な支援企画が立ち上がっている。
<参考URL>
『舞台芸術を未来に繋ぐ基金』公式ホームページスタート、公式YouTube内において配信プログラム「Mirai CHANNEL」開始
舞台専門プラットフォーム「シアターコンプレックス」クラウドファンディング目標金額62.5%に、視聴総数200,000回超え
https://theatertainment.jp/japanese-play/53118/
https://theatertainment.jp/japanese-play/53036/
https://theatertainment.jp/japanese-play/52967/
https://theatertainment.jp/japanese-play/52826/
<上記以外の支援情報>
新型コロナウイルス感染症緊急対策 芸術文化活動支援事業「アートにエールを!東京プロジェクト」、応募開始は個人登録 5月15日より、企画応募5月20日より開始
フリーランスの芸術文化関係者に20万円/人の支援等を目的に「Arts United Fund」公益基金を設立、寄付募集開始
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