ーーVRマルチアングル撮影、21世紀、未来につながる演劇体験、劇場のあり方が問われるWithコロナ・ポストコロナ時代、新たな演劇、新たな取り組み、VRによって得られる体験とは?ーー
VR/MR配信プラットフォーム「Blinky(読み:ブリンキー)」を展開する株式会社アルファコードは、 株式会社シーエイティプロデュースが手掛ける“新たな演劇の鑑賞スタイルを提供する”「STAGE GATE(ステージゲート) VRシアター」にて公演予定『Defiled-ディファイルド_東京公演(以下、 本公演)』をVRマルチアングルで撮影し、 Blinkyにて39日間連日有料配信する。 360°VR配信を通して、 いつでも、 誰でも、 どこからでも公演の魅力を存分に伝えることができるようになり、また 高精細VR映像をマルチアングルで撮影・配信することにより、 お客様は観たいアングルを自由に選択して楽しむことができるようになる。 普段立ち入ることのできない舞台上やステージ最前列といったエリアへ瞬間移動し、 今まで体験したことがない現実を超える未来型演劇体験が可能になる、という画期的なもの。この作品の撮影及び技術協力の株式会社アルファコードさんにVRという技術、マルチアングルを取り入れることによって、演劇体験はどう変わっていくのか、また、その将来性についてお伺いした。
ーーVRでの配信に至った経緯と作品選定について。なぜ、この作品なのか。
Alpha Code(以下、 A):弊社とビジネスパートナーの株式会社シーエイティプロデュースはコロナ禍で通常の方法とは異なるWithコロナ・ポストコロナ時代の演劇提供方法を模索されていました。そんな中、弊社のVR/MR配信プラットフォームBlinkyが目にとまりお声をかけていただきました。
弊社は、VRを「空間全体を切り取り」「体験を提供する」今までに無いメディアとして認識しています。シーエイティプロデュースの新しい演劇提供形式として弊社のVRコンテンツ制作とライブ配信の実績が活かすことができ、これからの演劇活動のお力になれると思い、ご一緒させて頂くことになりました。
こうして、シーエイティプロデュースが提携されているDDD青山クロスシアターから、未来型演劇体験をBlinkyにて提供するに至りました。
本作品『Defiled-ディファイルド-』は2人の俳優で行う演劇です。Blinkyのマルチアングル配信により、観覧席からのアングルだけでなく、舞台上の俳優のかたわらから演劇を体験することができます。これによりベテラン刑事 ブライアン・ディッキーとして、図書館員ハリー・メンデルソンとして、客観的な視点、様々な視点で物語を感じていただけるのではないか、と期待しています。
ーーマルチアングルですが、具体的には何カメでしょうか?観客は自分で見たいアングル(カメラ)にスイッチするんですよね。
A:ベテラン刑事役俳優付近、図書館員役俳優付近、観覧席最前列、この3アングルとなります。
鑑賞される方はご自身のタイミングでアングルを変更することができます。VRではそれぞれのアングルはそれぞれの場所での物語となるので、その受け取り方は変わるのではないでしょうか。シーエイティプロデュースの未来型演劇体験は、ネット配信での演劇鑑賞にとどまらず、全く新しい物語の伝え方にも及んでいると思います。
ーーVRにすることによって得られる感覚は?VRではない場合と比較してどんな感じになるのでしょうか?
A:VR配信においては現時点で最高の体験を提供すべく、11Kで撮影が可能なInsta360 Titanを3台利用しています。Blinkyではスマートフォンでの2D視聴も可能ですが、より没入感の高まるスマートフォン用のVRゴーグルや一体型VRゴーグルPico G2 4Kを利用していただければ劇場での鑑賞により近い体験をしていただけると思います。
既存のテレビやDVDでの演劇鑑賞とVRでの演劇鑑賞では次のような違いがあると思っています。
・通常のテレビやDVDのような映像では、撮影者によって意図され切り出された物語を視聴者として客観的に見る。
・VRでは観客は演劇が表現する世界観の中で、自らの意思で見たいところ・注目すべきと感じたところを主体的・主観的に見る。
VRと演劇の相性が良いと思っているポイントは、まさにこの点です。演劇を劇場で見る場合、観客は視点を強制されることはありません。それはVRでも同じです。そのため、演劇鑑賞の「観客が主体となって物語を感じること」がVRでも実現できると思っています。ぜひ、VRゴーグルを利用して、劇場で感じる様な湧き上がる感情を体験していただければと思います。
ーーVRを意識した演出、ですよね?
A:3つのアングルは、シーエイティプロデュースと話し合い、物語の感じ方が変わるであろう3個所に置かせていただきました。舞台上にカメラを置く事はシーエイティプロデュースとしても挑戦でした。
登場人物が二人ということで、360°カメラを一人の人物として扱うといった演出はありません。ですが、360°カメラの位置にはこだわりました。劇場での観覧席からのアングルはもちろん、図書館員近くの360°カメラはよりその気持ちに寄り添える位置に。ベテラン刑事近くの360°カメラは少しだけ引いた位置に置きベテラン刑事と共に図書館員と接する。そんな体験を意図してテスト撮影を繰り返し、位置決めを行いました。
『Defiled-ディファイルド-』という一つの物語を未来型演劇体験ならではの3つの視点で、感じ方の違いを楽しんでいただければと思います。
ーーVRの表現の可能性と本質、演劇を含む『ライブ』との将来性について。『VRとは空気を保存すること』とも言われているようですが。
A:VRは他のメディアと異なり、空間を切り取り、その場の空気感も体験できる可能性も持つ「新しいメディア」だと考えています。その為、VRというメディアの活かし方も、今までのメディアとは違う「新しい活かし方」が有るとアルファコードでは考えています。
例えば、マルチアングルを取り入れて体験者の方がそれを自主的に選ぶことで見方が変わり、同じ世界観や物語でも立ち位置によって感じ方も変わるということが体験できる。また、観客の人生経験によっても感じ方が変わるので、昔ライブで観た演劇を10年後VRで再度体験することで別の見方や受け取り方ができるかも知れません。VRによって時間・空間をそのまま切り取り、異なる視点、異なる時間軸で体験することの限界はまだまだ見えていません。今後もさまざまな演劇がVRで伝わることで、演劇の可能性がより開けて行くのではないかと思っています。
そういう意味でも、今回、シーエイティプロデュースの未来型演劇体験という挑戦に協力させていただき、大変うれしく思っています。
ーーありがとうございました。また、今後の新しい挑戦も期待しております。
■配信コンテンツ
本公演の配信内容は下記の通りとなります。
・主催/企画制作:株式会社シーエイティプロデュース
・コンテンツ名:STAGE GATE VRシアター vol.1 『Defiled-ディファイルド-』
(リーディングスタイル) (東京公演)
・会場・日時:DDD青山クロスシアター 7月1日(水)~8月2日(日)39公演
・作:LEE KALCHEIM
・翻訳:小田島恒志
・演出:鈴木勝秀
・出演キャスト:総勢19名の出演者が2名1組となり、 毎日日替わりで上演します。
毎公演全く違う”Defiled”がお楽しみいただけます。
猪塚健太、 伊礼彼方 、上口耕平、 加藤和樹 、岸 祐二 、小西遼生、 章平 、鈴木壮麻、成河 、千葉哲也 、中村まこと 、羽場裕一 、東啓介 、前山剛久、 松岡充、 三浦宏規、水田航生、 宮崎秋人 矢田悠祐 (※ 50 音順)
※出演スケジュール詳細: https://stagegate-vr.jp/
・撮影/技術協力:株式会社アルファコード
・作品概要:ハリー・メンデルソン、 図書館員。 自分の勤める図書館の目録カードが破棄され、 コンピュータの検索システムに変わることに反対し、 建物を爆破すると立てこもる。
目まぐるしく変化する時代の波に乗れない男たちが、 かたくなに守り続けていたもの。 神聖なもの。 それさえも取り上
げられてしまったら…。 交渉にやってきたベテラン刑事、 ブライアン・ディッキー。 緊迫した空気の中、 巧みな会話で心を開かせようとする交渉人。 拒絶する男。 次第に明らかになる男の深層心理。 危険な状況下、 二人の間に芽生える奇妙な関係。 果たして、 刑事は説得に成功するのか。
・配信日時:2020年7月6日(月)19時(予定)~8月14日(金)19時(予定)
・配信方式:時間指定ストリーミング配信
・視聴料金:3,500円 (税込)
・販売方法:チケットぴあにて販売(チケットぴあURL: https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventCd=2019376 )
・販売時期:一般販売予定日 6月21日(日)~
■BlinkyLiveご利用方法
1. アプリストアにて「Blinky」のアプリをダウンロードしてください
・iOS版ダウンロード
└ http://apple.co/2XcmUI5
・Android版ダウンロード
└ http://bit.ly/3dW7VbY
・Pico Store ※Pico G2 4Kはプリインストール済み
└ https://www.pico-interactive.com/jp/detail.html?id=164
2. アプリ起動後、 マイページから無料会員登録を行なってください。
3. ログイン後、 ホーム画面や検索機能からお好きなコンテンツを選択し、 ご視聴ください。
4. 有料コンテンツの視聴や有料スタンプを使用するにはポイント購入またが必要になります。
なお、 コンテンツによっては、 外部決済サービス(チケット会社等)の利用も可能です。
■BlinkyLiveとは
BlinkyLiveは自宅や好きな場所でいつでもどこでも新体験・新感覚のVRコンテンツを楽しめる生ライブ配信サービスです。 機能として、 マルチアングル機能、 ライブ投げ銭機能、 VR空間コメント機能、 VR空間eコマース機能(予定)が追加され、 より一層コンテンツの楽しみ方が増えていきます。
URL:live.blinky.jp