PARCO 劇場オープニング・シリーズ“夏の陣” 『大地(Social Distancing Version)』ライブ配信も決定!彼らの顛末は何処へいくのか

2020年7月1日、PARCO劇場にてPARCO劇場オープニング・シリーズ『大地(Social Distancing Version)』が始まった。
PARCO劇場オープニング・シリーズ“夏の陣”、『ピサロ』の公演中止からちょうど3ヶ月を経て、PARCO劇場再開への第一歩を踏み出す公演だ。
1994年からPARCO劇場をホームグラウンドとして、新作を発表し続けている三谷幸喜が描き下ろす新作舞台。三谷幸喜のライフワークである『ショ ーガール』『其礼成心中』と共に三作品連続上演する第一弾。 「大地」は舞台、映画、ドラマで様々な俳優へ台詞を書き下ろしてきた三谷幸喜が俳優への愛を込めて描く“三谷流俳優論”。
出演は大泉洋をはじめ、山本耕史、竜星涼、栗原英雄、藤井隆、濱田龍臣、 小澤雄太、まりゑ、相島一之、浅野和之、辻 萬長と三谷作品には欠かせないメンバーから注目を集める実力派まで一筋縄ではいかない個性豊かなキャストが集結。コロナ禍におけるSocial Distancingという不都合を不都合に終わらせず、より豊かな演劇表現に三谷幸喜と共に新作を創作する。

公開フォトコールが初日に先駆けて行われた。その前に三谷幸喜が作品について簡単な説明を行った。場所はとある共産主義国家で反政府主義のレッテルを貼られた俳優たちが収容されている施設が物語の舞台。「特に演劇・映画関係の人」と三谷幸喜。映画や演劇は全面禁止になっている、という状況になっている。そして「今、なかなかできないで苦労している」と続ける。今回のセットは換気とSocial Distancingに気を使っている。そしてここでは「近づかない意味をもたせている」と語る。築地小劇場の話に触れた三谷幸喜、「必ず、芝居ができると信じている」と締めくくったが、この作品の”今日”がPARCO劇場再開の一歩となる。
銅鑼が鳴り、軽快な音楽で始まる。登場人物たちが出てくる。イライラしながら文句をいうビンカス(藤井隆)。それぞれの人物たちの挙動や発言で、なんとなく性格が透けて見える。

 

この日は新入りで映画スターのブロツキー(山本耕史)がやってくる。スターらしく、サングラスをかけ、上半身裸でサスペンダー付きの仕立ての良いパンツを履いているし、彼の身の回りのものは、なかなかの上物だ。
そこへ指導員のボテク(栗原英雄)が登場し、続いて収容所の管理官であり、政府の役員であるドランスキー(小澤雄太)が登場、大手劇団出身で裏方も兼務していたチャベック(大泉洋)が、ここにいるメンバーをドランスキーに紹介する。ものまね芸人やサーカス出身、女形の役者、学生、様々なバックボーン、一見バラバラに見えるメンバーであるが、自分たちが今までやってきたことが一切できなくなってしまった、という共通点がある。ドランスキーは「演劇、映画、一切関心がない、小説も読まない」といい、ブロツキーはすかさず「(そういうものが)現実を浮き彫りにする」という。ドランスキーは「俳優というものは」と呆れ顔。

 

この俳優たち、拘束され、強制労働させられ、演じる行為を禁止されているわけだが、同じ境遇だからといって”仲良しこよし”であるはずもない。チャベックは一見、リーダー格のように見える。バチェク(辻 萬長)が「奴らのいいなりに」と」不愉快そうにいい、チャベックは「ボランティアだ」と切り返す。「人間の尊厳の問題」とブロツキーがいえばチャベックは「いいなりになっているわけじゃない」と言い返す。皆、それぞれの思いと考えがある。ブロツキーは「うまく話す」といい、チャベックは「余計なことをするな」という。閉じ込められた空間、ここから出る時は”強制労働”の時間。仲間内での”地位争い”のようにも見えるが実際は・・・・・?「僕らは生き延びなければならない」とここで最年少のミミンコ(濱田龍臣)がいうが、これは現在の我々にも言えること、様々な意味で生き延びることが最重要課題。しかしチャベックは「早く元の世界に戻ればいいとこれっぽっちも思っていない」と言い放つ。その真意はどこにあるのだろうか。

ここで公開フォトコールは終了したが、状況は違えど、考えさせられるセリフが多く、そして同じ苦しい状況にいても、それぞれの哲学、主義、人間関係や立ち位置、かつての役割などが彼らの行動や言動に大きく影響されている。そしてSocial Distancing Versionと銘打っているだけあって、それぞれ必要以上に接近しない。彼らの”心”がそうさせている。距離に意味をもたせており、不自然さはない。このあとの展開はどうなるのか、それは劇場で、そして劇場に行かれない観客はライブ配信も決定しており、彼らの顛末は配信でも知ることができる。

<公演概要>
PARCO劇場オープニング・シリーズ 三谷幸喜三作品三連発公演
其の壱『大地(Social Distancing Version)』
日程:2020年7月1日(水)~8月8日(土) 会場:PARCO劇場
※「PARCO STAGE @ONLINE」の一環としてイープラス「Streaming+」ライブ配信決定!!
[視聴チケット詳細]
料金:3000円(税込)
購入詳細はこちら。
URL:https://stage.parco.jp/blog/detail/2350
PARCO STAGE @ONLINE:https://stage.parco.jp/blog/detail/2350
作・演出:三谷幸喜
出演:大泉洋、山本耕史、竜星涼、栗原英雄、藤井隆、濱田龍臣、小澤雄太、まりゑ、相島一之、浅野和之、辻 萬長
企画・製作:パルコ
お問合せ=パルコステージ 03-3477-5858(月~土 11:00~19:00/日・祝 11:00~15:00)
公式HP:http://www.parco-play.com/
取材・文:高 浩美