2017年「イケメン戦国」が舞台化され好評だった“イケメン”シリーズ、新春は「イケメン革命◇アリス と恋の魔法THE STAGE Episode 黒のエースフェンリル=ゴッドスピード」、正統派ファンタジー。タイトルにもあるようにヒロインの名前はアリス。彼女の前をメガネをかけたベージュの服を紳士が通り過ぎる、「時計を落としましたよ」“お約束”通り、穴に落ちる。「ここは???」それは見知らぬ世界、ここでは2つの軍が国を分断させていた。それはトランプの紋章を掲げる『赤の軍』と『黒の軍』。この2つの争いに巻き込まれるアリス、不思議なアドベンチャーが始まる、という趣向だ。
『赤の軍』は階級や血統を重んじるのに対して『黒の軍』は自由と実力を重んじている。そんな状況でも素直に立ち向かっていくヒロイン、そしてお約束の“恋”の予感……。それを歌、ダンス、アクション、芝居で魅せる。展開もスピーディーでストーリーもわかりやすい。タイトルにもあるようにヒロインに絡んでくるのは黒の軍のエースであり特攻隊長のフェンリル=ゴッドスピード。戦争大好き武器マニア。荒々しさと冷静さを同時に持ち合せているキャラクターだ。次第に彼に惹かれていくアリスだが、それはフェンリル=ゴッドスピードとて同じ。軍同士の対立と思惑、そこに人間関係が交錯する。スピード感のあるアクションと殺陣、ヒロイン役の竹内夢はミュージカル「美少女戦士セーラームーン」で鍛えた美声を披露、フェンリル=ゴッドスピード役の宮城紘大は安定感のあるアクションに芝居に活躍、将来性も感じられる。
アクションは舞台のセットの高低を上手く使い、ここは見どころ。アンサンブル陣も達者で、アクロバット的な動きもあり、戦いの激しさをそんなに多くない人数でも厚みを持たせてみせている。運命に立ち向かうヒロインと、それを取り巻く男達、単純にワクワク、ドキドキ、冒険と恋愛と男同士の友情もあって、盛りだくさんではあるが、散漫にならずに観やすくしっかりとまとめており、主軸になるキャラクターを変えてシリーズ化出来そうな予感。次の恋模様は?と期待せずにいられない。
また初日に「イケメン戦国」の新作も発表になったが、こちらは2つのルートを上演するとのこと。ゲーム原作だからこそ出来ること、「こっちの展開はどうなるんだろうか」といった具合にお楽しみが倍増する仕組み。制作スタッフの心意気を感じる作品。「イケメン革命」の方も新しい展開が観たくなる。
[ストーリー]
時は19世紀ロンドン。
白ウサギに似た紳士を追いかけたアリスが迷い込んだのは、
科学の代わりに魔法が発達した、もうひとつの世界――
国を分かつのは、トランプの紋章を掲げる『赤の軍』と『黒の軍』
あなたは、二つの勢力の戦いに巻き込まれ…?!
「良いかい、アリス。帰りたいなら、絶対にかかってはいけない魔法が一つある」
それはこの世で最強にして最古の魔法――恋。
恋なんてしないと誓うアリスに、不思議の国に住まう14人のイケメン達が現れて…?
「どんなに運命が過酷でも、お前は泣くな。俺が一緒に戦ってやる」
恋の魔法にかかったら、もう元の世界には戻れない……。
※待望の新作!
「イケメン戦国 THE STAGE~織田信長編~
期間:2018年4月5日(木)~4月9日(月)
日程:シアター1010
【公演データ】
「イケメン革命◇アリス と恋の魔法THE STAGE Episode 黒のエースフェンリル=ゴッドスピード」
日程:2018年1月10日(水)~1月14日(日)
会場:博品館劇場
原作:CYBIRD「イケメン革命◆アリスと恋の魔法」
演出・脚色:大関真
脚本:斎藤栄作
出演:
フェンリル=ゴッドスピード:宮城紘大
レイ=ブラックウェル:堂本翔平
シリウス=オズワルド:橋本真一
ルカ=クレメンス:大海将一郎
セス=ハイド:松本ひなた(Candy Boy)
ヨナ=クレメンス:前内孝文
エドガー=ブライト:前田大翔(Candy Boy)
ゼロ:薫太
カイル=アッシュ:田中彪
ブラン=ラパン:室龍規
オリヴァー=ナイト:古賀瑠
ハール=シルバー:久保田幸貴(JUNON SUPERBOY ANOTHERS)
ロキ=ジェネッタ:服部武雄
ランスロット=キングスレー:塩川渉
アリス:竹内夢
企画・制作:レジェンドステージ
主催:イケメン革命 THE STAGE製作委員会
公式サイト:http://bit.ly/2fchcAC
文:Hiromi Koh