「BIRTH」(2020年10月10日(土)~10月21日(水)東京・よみうり大手町ホールにて上演)にて開幕、それに先駆けて公開舞台稽古が前日の10月9日に行われた。
シライケイタの傑作戯曲「BIRTH」を千葉哲也が演出を務め、 若手実力派俳優が4人芝居にダブルキャスト・トリプルキャストで上演することで話題になっており、ダイゴ役を<梅津瑞樹、前山剛久>、ユウジ役を<杉江大志、玉城裕規>、 マモル役を<後藤大、佐藤祐吾>、オザワ役を<陳内将、北園涼、章平>が務める。 また、おかあさん役の声として松永玲子が出演する。
まずは警察から取調べを受けているオザワの、とある事件についての独白から。ユウジは、ある組織から金を盗んだことで組織の追っ手から逃れるためにわざと罪を犯し、投獄されていたが、出所し金を稼ごうと「道具」を売るオザワに接触する。「道具」を使い、始める商売…それは「オレオレ詐欺」。
雑踏の音、チャイムが鳴る、男が一人、名前はオザワ、ヒゲを生やし、少しやさぐれた印象、手には手錠がかけられている。自分のことを語る、「忘れた方が楽だから…忘れたがっているのに…あいつらを探している」とモノローグ風に語りかける。電車の轟音が響く、悪態をつくチンピラ風の金髪の男、ユウジ、そして、舞台の中央に女装をしようとしている男2人、ダイゴとダイゴの友人マモル。激しいドアの音、その主はユウジ。中央の台はどこかの安アパートの一室風。金の話をする、叫ぶ「振り込め詐欺!!」と。
役者は揃った!ここから物語が動き出す。オザワは言う「でかいのは振り込め詐欺だ」と。そして練習する、しかも台本がある、「俺だよ、俺、コウタロウだよ!」とちょっと泣きながら喋ってみるユウジ、危うい商売、そして危うい4人、苛立つユウジ、どこか覚めているように見えるオザワ、いつもともにいるダイゴとマモル、彼らの関係性、なぜ出会ってしまったのか、なぜ、こんなことをしているのか、彼らにはそれぞれの秘めた思いや考えがあり、物語が進むにつれて不穏な空気が漂ってくる。破滅的で刹那的、アナーキーな雰囲気、オザワにはある”目的”が、そしてこの出会いは偶然なのか必然なのか、まさかの出来事、まさかの行動、そして告白。ダイゴ、ユウジは過去に詐欺グループにいた、もちろん下っ端の”出し子”だ。友達でもなんでもない、強いていえば”出会ってしまった”のだ。そして”振り込め詐欺”もまた、たまたま電話をした相手と”出会う”、それは偶発的だが、不思議な縁でもあったりする。それが怒涛の展開を生む。
4人とも大それたことをする人物ではないが、どこかで道を踏み外した者たち、汚い言葉を吐いたり、恐れおののいたりする、哀愁もそこはかとなく感じる。タイトルのBIRTHの意味することは?時折女性の声が聞こえる。その声の主は?この4人の顛末は?キャストは4パターンあるので、その組み合わせでも空気感は変わっていく。俳優たちの演技もじっくり堪能できる会話劇。人間は弱い生き物だが、同時にしぶとくも生きる。しょうもない男たちかもしれないが、彼らもまた必死に生きようとする、その手段が汚い方法であっても。そしてそこから生まれた憎しみや怒り、世間的には完全にはみ出した者たち、しかし、根底の気持ちは人としてよくわかるもの。休憩なしのおよそ100分は濃密で目が離せない。ゲネプロではダイゴ:梅津瑞樹、ユウジ:杉江大志、マモル:後藤大、オザワ:陳内将。前日はダイゴ:前山剛久、ユウジ:玉城裕規、マモル:佐藤雄吾、オザワ:北園涼。こちらの舞台写真も到着したので、写真だけでも比べて欲しい。同じ芝居でも異なる雰囲気、チェックしたい。
初日と千秋楽の2日間(計4公演)は生配信が決定。生配信終了後から1週間アーカイブ視聴が可能。イープラス「Streaming+」にて生配信、視聴チケットは発売中。(URL:https://eplus.jp/birth-st/) あわせて、公演チケットも一般発売受付中。
<生配信詳細>
配信サービス:イープラス「Streaming+」(URL:https://eplus.jp/birth-st/)
配信公演:10月10日(土)13:00/18:00、10月21日(水)12:30/16:30
生配信視聴チケット発売日:10月3日(土)12:00
金額:3,500円(税込) アーカイブ期間:生配信終了から1週間(※生配信後1週間は購入可能です。)
<公演概要>
【公演日程・会場】
2020年10月10(土)~10月21日(水)(全20回)よみうり大手町ホール
【料金】10,000円(税込)
【チケット】一般発売中 チケットぴあ:https://w.pia.jp/t/birth/
ローソンチケット:https://l-tike.com/birth/ e+(イープラス):https://eplus.jp/birth/
【出演】
ダイゴ:梅津瑞樹・前山剛久
ユウジ:杉江大志・玉城裕規
マモル:後藤大・佐藤祐吾
オザワ:陳内将・北園涼・章平
おかあさん(声の出演):松永玲子
【スタッフ】
脚本:シライケイタ
演出:千葉哲也
企画・製作:シーエイティプロデュース、ポリゴンマジック
主催:シーエイティプロデュース、ポリゴンマジック、サンライズプロモーション大阪
【公式ホームページ】
http://birth-stage.com/
【公式 Twitter】
@Birth_2020_10(https://twitter.com/Birth_2020_10)
©シライケイタ/BIRTH製作委員会