7 MEN 侍/ジャニーズJr.の本髙克樹主演、今野大輝出演舞台、 ROCK READING「幸福王子」開幕!王子とツバメのROCKなハート、心意気、志。

ROCK READING「幸福王子」が10月24日、開幕した。
さて、このオスカー・ワイルドの「幸福な王子」、子供向けの短編小説で1888年に初出版された。そして日本では小学校の教科書に登場するので、授業で習った人も多いかと思う。
それはさておき、ここではROCKであり、READINGである。教科書のイメージが強すぎると、ROCKとなかなか結びつかないかもしれないが、実際には驚くほどに調和している。
舞台上はテーブル、その上に水のペットボトル、楽器(生演奏!)、中央に王子の像、スパンコールの金色のジャケット、頭には王冠。そして時間になり、ミュージシャン、俳優が舞台に。皆、ROCKないでたち。朗読劇をやる、というよりはロックコンサートでも行うかのようだ。ノリの良いROCK、観客はクラップ、なんだかワクワクする出だし、シャウトする、『幸福の王子♪』と歌う。そして王子の独白、「俺は黙って見つめるしかなかった」という。王子は銅像なので、無論、動けない。銅像であるが、心がある。ストーリーは原作通りに進行する。両目には青いサファイア、腰の剣の装飾には真っ赤なルビー、体は金箔に覆われており、心臓は鉛で作られていた。街の人々は、この美しい王子の像が自慢であった。ところが、この王子の像には王子の魂が宿っていた、それは誰も知らないことであり、自我があるがゆえに貧しい人々の姿を見て心を痛めていたのであった。そんな王子の像にツバメが、あちこちへ飛べるツバメに頼んで王子は貧しい人々を救済するために自分の目や剣の宝石を彼らの所に持って行かせる。そして、その後の顛末は教科書の通りだ。しかし、ただの朗読劇ではない、ROCK、だから王子もツバメもシャウトする、言葉使いもROCKだ。「人間は一向に変わろうとしない!お前ら、バカか!!!!!」とシャウトする。ROCKなので、王子とツバメの会話はタメ口風、しかし、その方が、王子とツバメの関係性がよくわかる。ツバメは王子に”仕えている”わけではない、王子の心意気に触れて自ら、王子の要求に応えている。「南に行くから、じゃあここら辺でお別れ」ということもできたツバメ。しかし、そうはしなかった。王子の志に共感し、ルビーやサファイヤを貧しく困っている人々に届けた。フラットな言葉使い、歌、対等な付き合い。そして人間、貧しい者と富める者、勝った人、負けた人、「誰かの成功は誰かの失敗」という王子。理不尽で無情な人間社会、それはいつまでたっても変わらない、だから王子は「バカ!!!」と叫ぶ。
王子はROCKな存在、ROCKの意味はスラングで「最高」「イケてる」「すごい」。だからROCK、その魂に触れたツバメも次第にROCKになっていく。ツバメは南にいき損なった、いや自ら南に行くのをやめてしまった。王子のそばにいるのがツバメにとって幸せだからだ。原作では”It is curious,” he remarked, “but I feel quite warm now, although it is so cold.”とツバメは言う。「おかしなことに」彼は気づいた、「こんなに寒いのに僕は暖かい気持ちがするんです」。ツバメは自分の気持ちを自覚した瞬間だ。そしてツバメは最期に王子にキスをする。
結末は最初からわかっている。だが、我々はそれよりも彼らの気持ちと考え、志に感動し、共感する。自分に正直に生きた王子とツバメ。宝石や金箔がなくなった王子の像は見た目はみすぼらしくなった。それを市長が見て「この幸福の王子はなんて見すぼらしいんだ」といい処分してしまう。なぜそうなったかを想像もせずに表層的な捉え方をする。市長の判断はごく一般的だ。そして王子とツバメは処分される。それを見ていた神、天使にここでもっとも尊きものを2つ持ってくるように命じる。まさにROCKな顛末、学校では習わないROCKな「幸福の王子」、ハートを感じたい。本髙克樹、今野大輝らの熱演も、もちろん、ROCK!!!

<コメント>
[本髙克樹(7 MEN 侍/ジャニーズJr.)]
「幸福王子」はその名にふさわしいライブ感覚で楽しめるような朗読劇になっています!自分が演じる王子は怒鳴ることもある短気な性格で普段の自分とのギャップにびっくりする方もいるだろうな〜とワクワクしています。王子、ツバメそれぞれソロ曲もあり、見所たっぷりの作品になっているので。驚いて泣いて笑顔になって欲しいです!

[今野大輝(7 MEN 侍/ジャニーズJr.)]
まず、本番を迎えられる事に感謝しています!稽古が始まるまでは不安な気持ちがありましたが、鈴勝さんにアドバイスをもらったりして役所を掴んでいく内に、その気持ちは消え、今は早く舞台に立ちたいとワクワクしています!朗読劇ではありますが、音楽的要素もあるコンサートのような楽しい舞台になっています!僕たち一同全力で頑張りますので皆さんと会えるのを心より楽しみにしています。

<オスカー・ワイルド著「幸福な王子」 原作ストーリー>
町に立つ美しい王子の像。目にはサファイヤ、全身は金に覆われ、剣の柄にはルビーがはめ込まれている。人々からは、幸福な王子と呼ばれていた。だが、王子の目には、町の不幸な人々の生活が見えていた。だが動くことのできない王子は、じっと悲しみを堪えているのだった。
そこへエジプトへ越冬しに行く途中のツバメが立ち寄る。王子が涙を流しているのを知り、ツバメは理由を聞き、王子の手足となって働く。目や剣の柄の宝石、体を覆う金を、貧しい人、恵まれない人に配り、ついには灰色の醜い像と成り果てる王子。そして越冬に間に合わず、王子の足元で凍え死んでいくツバメ。王子の像も溶鉱炉で溶かされ、鉛の心臓だけが残る。鉛の心臓とツバメは、ゴミとして捨てられる。
だが神に「この世の中で一番尊いものをふたつ持ってきなさい」と命じられた天使は、王子の鉛の心臓とツバメの亡骸を神さまのもとへ運ぶのだった──

<ROCK READING「幸福王子」概要>
【タイトル】 ROCK READING「幸福王子」
【出演】 本髙克樹(7 MEN 侍/ジャニーズJr.)今野大輝(7 MEN 侍/ジャニーズJr.)
/小川 優(ジャニーズJr.) 内河啓介 田村雄一
【原作】 オスカー・ワイルド「幸福な王子」
【上演台本・演出】 鈴木勝秀
【音楽】 大嶋吾郎
【日時】
<東京>2020年10月24日(土)~10月31日(土) シアター1010
<京都>2020年11月4日(水)~11月8日(日)京都劇場
【HP】 https://koufuku-oji.com/
【公式twitter】 @koufuku_oji