朗読劇『さらば黒き武士』が大阪にて開幕した。本作は岡本さとるの原作をもとに岡本自身が上演台本を執筆し、藤間勘十郎(宗家藤間流 八世宗家)が演出を手がける意欲作。鳴物は望月実加子。
戦国時代に織田信長の武士となったアフリカ人・弥助と彼を取り巻く人間模様を朗読と生演奏で紡いでいく。
史実では、弥助は戦国時代の日本に渡来した黒人、当時ポルトガルやスペインの宣教者が日本を訪れ、その従者としてアフリカ出身の者たちも、従者や奴隷として連れてこられており、弥助もそのような従者の一人であった。彼はイエズス会のイタリア人巡察師(伴天連)アレッサンドロ・ヴァリニャーノが来日した際、インドから連れてきた召使で、出身地はポルトガル領東アフリカ(現モザンビーク)であると言われている。ヴァリニャーノが信長に謁見した際に奴隷として引き連れていた。そして譲ってもらい、「弥助」と名付けて正式な武士の身分に取り立て、身近に置くことになったそうである。信長は弥助を気に入り、家臣に召抱えるのであった。信長は彼をゆくゆくは殿(城主)にしようとしていたそうである。
舞台は北村有起哉、如月蓮、山本一慶の3人で展開、力強い声と和楽器が混ざりあい時に激しく、時に切なくビシビシと身体に響き渡ってくる。
北村は織田信長と弥助、正反対の2役に挑戦、さすがの安定感を見せつけた。自身初という2役の演じ分けはぜひ劇場で確認して欲しい。
宝塚歌劇団退団後、初の女性役として注目の如月蓮。戦乱の世を生きぬいてきた魂の叫びを声に乗せ、外国人でありながらくノ一となった村雨(むらさめ)と読み人を凛々しく演じてみせた。
そして森蘭丸役の山本は、信長と弥助の人生を朗々と語っていく。彼は信長の近習として広く知られているが、弥助の存在により繊細で人間らしさを増していて新しい。
それぞれが新たな挑戦と位置付ける朗読劇『さらば黒き武士』。東京公演は10月31日(土)浅草公会堂にて上演。
【公演概要】
令和2年度(第75回)文化庁芸術祭参加公演
朗読劇「さらば黒き武士」
原作(光文社刊)・上演台本:岡本さとる
演出:藤間勘十郎
<出演>
森蘭丸:山本一慶、くノ一村雨・読み人:如月蓮、織田信長・弥助:北村有起哉
鳴物/望月実加子
<日程・会場>
東京公演/2020年10月31日(土) 12時30分開演 浅草公会堂
※上演時間:1時間20定(休憩なし)
<チケット>
9,500円(全席指定・税込)
<チケット取扱い>
◇アーティストジャパン 03-6820-3500 https://artistjapan.co.jp
WEB申込はこちら ►►► https://artistjapan.tstar.jp/
※セブンイレブン(店頭)、ファミリーマート(Fami ポート)でのお引き取りが可能です。
◇チケットぴあ 0570-02-9999【Pコード 503-247】 https://t.pia/
◇浅草公会堂 03-3844-7491(9:00~17:00)
※政府・大阪府・東京都のガイドラインに沿って新型コロナウィルス感染予防対策を行い、入場者数を制限の上、実施。
企画・製作:アーティストジャパン
≪アーティストジャパン公式サイト≫
https://artistjapan.co.jp/
舞台写真提供:アーティストジャパン