扉座40周年記念withコロナ緊急前倒し企画 『10knocks~その扉を叩き続けろ~』日替わり上演

扉座10選、全作一度きりの日替わりドラマチック・リーディング上演。
創立40周年を記念して劇団員総出演、さらには豪華俳優陣客演!12月5日より!

★ドラマチック・リーディングとは
シーンによって台本を放しての演技、パフォーマンスを交えて、よりドラマチックにリーディングの概念を一新するリーディングを生み出します。

<10作品の上演に向けて>

正確には来年40周年を迎えます。1年フライングの企画です。このコロナ禍で何をするべきか、深く重く悩みました。

予定では、幻冬舎プレゼンツシリーズの新作『二代目はクリスチャン』を満を持して上演するつもりで支度を進めていました。しかし幻冬舎+扉座の、つかこうへいオマージュ公演は心身の濃厚接触、舞台と客席の過剰なる濃密が生み出す劇的高揚を求め、愛して止まぬものです。それが三密を避けねばならぬ状況では、タックルなしのラグビーとか、ウクレレ演奏のローリング・ストーンズみたいになってしまいます。

それでも幻冬舎の見城徹社長は劇団も大変な時だろうから、リスクを冒してやって良いぞと涙の出るお言葉で励ましてくださいましたが、私としてはプレゼンツシリーズの決定打にしようと温めて来た大事な公演に一点の悔いも残したくなかったので、断腸の思いで企画延期を決断しました。

ですから正直に言ってこれは代替公演です。しかし、だからと言って手抜きはしたくありません。むしろ今、この状況だからこそやる意味の公演にしようと考えました。

その結論が劇団員総出演で、創立以来40年間で生み出して来た宝をお客様方にお届けし、尚且つ自分たちもそれを振り返り、味わいつつ更なる活動につなげてゆくための日替わりリーディング公演です。

 一作ごとにテーマを定めて、様々な切り口でキャスティングし、ドラマチックに演出してお届けします。(詳細については間もなく)

たとえば扉座初期の代表作『夜曲』の放火魔少年ツトム、謎の少女サヨちゃん、若武者・十五を演じた六角精児、中原三千代、岡森諦は間もなく還暦を迎えようとしていて、もし今扉座で上演するとしてもイメージ的にも体力的にも、新キャストでの上演となるでしょう。今や大御所感溢れる六角精児の放火魔なんて、デンジャラスすぎます。でもリーディングならばオリジナルキャストを復活させることが出来ます。

 また作品によっては、オリジナルのイメージを一新して、扉座での上演を見ていない、その時そもそも生まれていない、というような若手中心にリメイクして未来のレパートリーとして確立させるのも面白い。

 40年間、ひとつの塊として継続して来たからこその幅広さと底力で、この非常時に良い勝負ができるのではないかと思っています。

何よりも、劇団員全員でとりかかれることが希望です。

当たり前だと思っていたことが、決して当たり前でなく、私たちの命や時間は有限で儚いものだと思い知った2020年でありました。演劇は永遠だと信じますが、劇団の命と時間は、人と同じく限りあるものなのだと覚悟した年でもありました。

私たちが今まで何を求めて、何を愛して、そしてこれから何をやろうとしているのか、私たち自身がもう一度、演劇と向き合う為の大切な公演にします。

ウィルス感染対策もしっかり講じて、皆様を聖地・紀伊國屋ホールにお迎えしたいと思います。

来年以降の劇団存続のためにも、どうかこれまでと変わらぬご贔屓お引き立てを賜りますよう、伏してお願い申し上げます。
扉座  横内謙介

【日程・会場】
12月5日(土)~13日(日)新宿紀伊國屋ホール
【上演スケジュール】
12月5日(土)18:00 『夜曲 -放火魔ツトムの優しい夜-』 (客演)加納幸和
12月6日(日)14:00 『フォーティンブラス』(客演)吉田美佳子
12月7日(月)19:00 『曲がり角の悲劇』(客演)朴 璐美、七味まゆ味、わかばやしめぐみ
12月8日(火)19:00 『ジプシー -千の輪の切り株の上の物語-』(客演)林田尚親、菊池均也
12月9日(水)19:00 『きらら浮世伝』(客演)キムラ緑子
12月10日(木)19:00 『いとしの儚 -100DaysLove-』(客演)三木眞一郎
12月11日(金)19:00 『新羅生門』
12月12日(土)14:00 『愚者には見えないラ・マンチャの王様の裸』(客演)林田尚親、菊池均也、七味まゆ味
12月12日(土)18:00 『アゲイン -怪人二十面相の優しい夜-』
12月13日(日)14:00 『歓喜の歌』

【公演詳細・出演者】

12月5日(土曜) 第一夜
『夜曲 放火魔ツトムの優しい夜』
放火魔ツトム=六角精児、謎の少女サヨ=中原三千代、甦った古武士・十五=岡森諦のオリジナルメンバーとともに、初演時に両性具有の黒百合を客演して頂いた加納幸和さん(花組芝居主宰)に、40周年を記念して34年ぶりに特別出演して頂きます。
1987年5月、この作品で演劇界の登竜門・紀伊國屋ホール初進出を果たした記念碑的作品。リーディング公演だからこその一夜限りの奇跡の復活公演です。

出演……岡森 諦、六角精児、有馬自由、犬飼淳治、新原 武、
中原三千代、伴 美奈子、塩屋愛実、小笠原 彩
客演……加納幸和

12月6日(日曜) 第二回目
『フォーティンブラス』
1990年紀伊國屋ホールにて初演し、2001年創立30周年記念として、気鋭の演出家・栗田芳宏氏に演出を依頼し、元ネタであるシェイクスピアの『ハムレット』と日替わり交互上演致しました。その際好評だった亡霊=有馬自由、老女優=伴美奈子のコンビを復活させ、劇団の中堅・若手世代を絡めてお届けします。SMAP草彅剛さん、V6長野博さん、井ノ原快彦さんなど、多くの名優たちに演じて頂いた幸せな作品です。
『新浄瑠璃 百鬼丸』、18年版『リボンの騎士』で好演してくれた、吉田美佳子さんに、オフィーリアを演じる新人女優、ひろみ役を客演して頂きます。

出演……岡森 諦、有馬自由、鈴木利典、上原健太、新原 武、野田翔太、早川佳祐、
三浦修平、小川蓮
伴 美奈子、鈴木崇乃、藤田直美
客演……吉田美佳子

12月7日(月曜) 第三夜
『曲がり角の悲劇』
1987年の初演以降、なぜか劇団のターニングポイントで上演され、新たな道を拓いてくれる作品です。今年のコロナ禍の中、劇団員自主企画として女子座員だけでリモート・リーディング公演をしたところ、大反響がありました。そのガールズ版『曲がり角の悲劇』を近年、演出家としても進境著しい犬飼淳治の新演出にて聖地・紀伊國屋ホールで上演致します。

犬飼からのメッセージ
『1995年8月8日本多劇場『曲がり角の悲劇』再演初日。私は役者としての初舞台をこの作品で板の上に立ちました。
2004年4月『曲がり角の悲劇』3演。演出、茅野イサムが初演、再演と演じた勇者カゼという大役をいただいた。
私にとってもターニングポイントとなってる作品です。
女性だけで演じる企画という事で、昔、仕事を御一緒した事がある、女優であり声優の 朴璐美 さんに駄目元でオファーしたところ気持ちよく快諾していただき頼んだ自分がびっくりしてしまいました!
そして長きにわたり扉座を見続けてくれた劇団「柿喰う客」の看板女優、七味まゆ味さんにも参加していただきます!
扉座女優陣と客演2名を招いてのリーディング公演! ドキドキが止まりません!』

出演……鈴木里沙、江原由夏、鈴木崇乃、塩屋愛実、藤田直美、砂田桃子、小笠原 彩、
北村由海、菊地 歩、佐々木このみ、大川亜耶
新原 武(ト書き)
客演……朴 璐美、七味まゆ味、わかばやしめぐみ

12月8日(火曜) 第四夜
『ジプシー 千の輪の切り株の物語』

1991年公演より

劇団で最も上演回数が多く、最も多くの地方で上演された初期~中期の代表作。今回はキャストを一新し、若い夫を高木トモユキ、若い妻を砂田桃子、ジプシー一家の長老役に我々の古い芝居仲間でナレーターとしてご活躍の林田尚親さんをお迎えします。加えて初演からずっと、工事人カンさんを演じ続けた元座員・菊池均也さんに復帰登場して頂きます。また、たった5分の出番で小劇場界に衝撃を与えた、伴美奈子のコンビニ店員シーンも完全復活致します。

出演……有馬自由、犬飼淳治、高木トモユキ、早川佳祐、小川 蓮、紺崎真紀、
山川大貴、翁長志樹
中原三千代、伴 美奈子、鈴木里沙、塩屋愛実、砂田桃子、菊地 歩
客演……林田尚親、菊池均也

12月9日(水曜) 第五夜
『きらら浮世伝』
1988年、今はなき銀座セゾン劇場で中村勘九郎(十八代勘三郎)主演で上演された作品。劇団では2003年に山崎銀之丞さん、木村多江さんを迎えて上演。セゾンの時、アンサンブルの黒衣役で参加し、勘九郎さんを抱え上げていた六角精児が、その大役・蔦屋重三郎を勤めます。ヒロインお篠には京都の演劇祭にてマキノノゾミ演出で上演された際にこの役を好演してくれた、キムラ緑子さんをお迎えします。

出演……岡森 諦、六角精児、有馬自由、犬飼淳治、累央、鈴木利典、上原健太、新原武、
松原海児、野田翔太、三浦修平、紺崎真紀、山川大貴
砂田桃子、北村由海、大川亜耶
客演……キムラ緑子

12月10日(木曜) 第六夜
『いとしの儚』
扉座の三木さつきに始まり、井川遥さん、藤本美貴さん、横山智佐さん、MEGUMIさんという名だたる美人女優が演じて来たヒロイン『儚』を、伴美奈子が初役で勤めます。リーディングでしかできない奇跡の上演です。扉座では山中崇史の持ち役でしたが、今回、崇史は六角の当たり役・青鬼に回り、博徒・鈴次郎を高木トモユキがその魂を継承して演じます。韓国でもロングラン上演され、今後も内外での上演が予定されている扉座の宝と言うべき作品です。
尚、鈴次郎と対する博徒、ゾロ政役を人気声優、三木眞一郎さんに、客演して頂きます。

出演……岡森 諦、有馬自由、山中崇史、鈴木利典、高木トモユキ、松原海児、早川佳祐、
翁長志樹
伴 美奈子、江原由夏、塩屋愛実、北村由海、大川亜耶、
客演……三木眞一郎

12月11日(金曜) 第七夜
『新羅生門』
1988年の初演から、幾度もキャストを替え、リメイクして再演を繰り返した初期の代表作。扉座俳優研究所が成立するまで、座内若手の登竜門的作品でした。今回も、扉座の新鋭・鈴木里沙の演出でその頃を知らない新世代の座員を中心にしたキャストでお届けします。
現在ピューロランドでロングランされているkawaii kabukiの元ネタです。
[鈴木里沙のコメント]
2002年、茅野イサム演出で一寸法師を演じ、当時の記憶が鮮明に思い出せるくらいです。出演者全員がエネルギーに満ち溢れていて、毎日の稽古も本番も熱かったのを覚えています。 KAWAII KABUKIでも演出助手で関わっているので、ご縁がある作品です。この名作を若者たちと全力でお届けいたします!!

出演予定……犬飼淳治、松原海児、野田翔太、白金翔太、三浦修平、小川 蓮、紺崎真紀、山川大貴、翁長志樹
中原三千代、鈴木里沙、小笠原 彩、菊地 歩、佐々木このみ、大川亜耶

12月12日(土曜 昼) 第八回
『愚者には見えないラ・マンチャの王様の裸』
岡森諦の王様、有馬自由の道化、菊地均也の従者、林田尚親の旅芸人。1991年の初演の黄金メンバーが再結集いたします。今はナレーターとして有名な林田さん演じる旅芸人が奇跡のマイムで作り上げる『見えない正義の剣』シーンなど一部、懐かしのスタイルで復活上演します。中川恭子役には、人気劇団「柿食う客」の看板女優で、高校生時代から扉座ファンだったという七味まゆ味さんをお迎えします。

出演……岡森 諦、有馬自由、累央、野田翔太
江原由夏、砂田桃子、北村由海
客演……林田尚親、菊地均也、七味まゆ味

12月12日(土曜 夜) 楽イブ
『アゲイン 怪人二十面相の優しい夜』
近藤正臣さんを二十面相役に迎えて、再演を繰り返した中期の大人気作です。今回は明智小五郎役だった山中崇史が初役で勤めます。少年探偵団の三人組は世代代替わりして劇団内外の活躍が目覚ましい新原武、上原健太、野田翔太が新キャストとして勤めますが、この作品で鮮烈のデビューを果たした小林少年役だけは、往年の少年姿のまま鈴木利典が復活登場致します。
楽イブに相応しく、賑やかに甦る二十面相です。

出演……岡森 諦、山中崇史、累央、鈴木利典、上原健太、新原 武、松原海児、野田翔太、
早川佳祐、白金翔太、三浦修平、紺崎真紀、山川大貴
中原三千代、伴 美奈子、鈴木崇乃、藤田直美、佐々木このみ、大川亜耶

12月13日(日曜) 千穐楽
『歓喜の歌』
4年前の初演で大好評を頂き、すぐに再演する予定でしたが調整がなかなかつかず、今回、リーディングのカタチで復活上演致します。
コロナ禍での公演と言うことで、今回の連続リーディングは人数制限をかけての稽古、上演を心がけていますが、大千穐楽に付き、感染予防対策をしっかりと行った上で、少し派手めに賑やかに、扉座40周年を寿ぐ、祝祭公演に致します。

出演……岡森 諦、有馬自由、犬飼淳治、累央、鈴木利典、高木トモユキ、上原健太、新原 武、松原海児、野田翔太、早川佳祐、三浦修平、白金翔太、紺崎真紀、翁長志樹
中原三千代、伴 美奈子、鈴木里沙、江原由夏、鈴木崇乃、塩屋愛実、藤田直美、砂田桃子、小笠原 彩、北村由海、菊地 歩、佐々木このみ、大川亜耶

【スタッフ】
脚本・演出:横内謙介
舞台美術:・金井勇一郎(金井大道具)
舞台監督:大山慎一(ブレイヴステップ)
照明:塚本悟 (塚本ライティングデザイン)
音響:青木タクヘイ (ステージオフィス)
衣装:木鋪ミヤコ・大屋博美(ドルドルドラニ)
協力:すみだパークスタジオ (有)ベルモック
票券:そのださえ 日高孝子
制作:赤星明光 田中信也
製作:扉座
扉座公式HP:https://tobiraza.co.jp