2018年6月8日(金)より乃木坂46版ミュージカル「美少女戦士セーラームーン」が天王州 銀河劇場にて開幕した。本作は月刊誌『なかよし』(講談社刊)にて、1991年から連載を開始した武内直子原作の少女漫画「美少女戦士 セーラームーン」を原作とし、2017年から始動している25周年プロジェクトの一環である3大ステージコンテンツのうちの一つ。
乃木坂46がミュージカル「美少女戦士セーラームーン」(通称セラミュ)に挑む今作では、乃木坂46から選抜された10名が「Team MOON」「Team STAR」の2チームに分かれ、Wキャストでセーラー5戦士を演じる。その開幕前日に囲み会見と「Team MOON」によるゲネプロが開催された。
「Team MOON」では山下美月がセーラームーン/月野うさぎ、伊藤理々杏がセーラーマーキュリー/水野亜美、高山一実がセーラーマーズ/火野レイ、能條愛未がセーラージュピター/木野まこと、樋口日奈がセーラーヴィーナス/愛野美奈子を演じる。
「Team STAR」では井上小百合がセーラームーン/月野うさぎ、渡辺みり愛がセーラーマーキュリー/水野亜美、寺田蘭世がセーラーマーズ/火野レイ、梅澤美波がセーラージュピター/木野まこと、中田花奈がセーラーヴィーナス/愛野美奈子を演じる。
ミュージカルは月野うさぎがルナと出会うところから開始。そして、うさぎがセーラームーンとして変身し、ダーク・キングダムとの戦いの中でセーラー戦士たちが集結する。タキシード仮面/地場衛との邂逅とともに、セーラー戦士たちは女王クイン・ベリル率いるダーク・キングダムの野望を打ち砕くために、時空を超えた戦いに挑む。
物語は原作第1期のストーリーをベースとして描かれている。セーラー戦士たちの出会いや、うさぎと衛の関係、大阪なるや海野ぐりおといったうさぎの親友達の登場により、原作やアニメにもあった数々のシーンが丁寧なストーリー展開とともに舞台上に繰り広げられる。その展開は原作やアニメのファンも満足できる内容となっている。
山下はうさぎとして天真爛漫に、ムーンとしてタキシード仮面との大人な関係を熱演。さらに、伊藤は天才でありながらも少女らしさを持つ亜美を、高山はクールビューティーな霊感少女のレイを、能條は男勝りな見た目に反して乙女なまことを、樋口は明るく元気なセーラー戦士のリーダーである美奈子を見事に演じきっていた。
ミュージカルシーンは乃木坂46の活動で培われた彼女たちの実力を存分にいかしながら、セーラー戦士としての魅力がプラスされている。セーラー戦士としてステージに立つ彼女たちの姿に、乃木坂46としての今までの歌唱・ダンスとはまた違った新しい魅力を見ることができるだろう。
キャストが見どころと語る早着替えによるセーラー戦士たちの変身シーンは、プロジェクションマッピングなどの効果も相まって派手でかっこいいシーンへと仕上がっている。
そして、スペシャル映像で登場するクイーン・セレニティ役の白石麻衣にも注目だ。儚く可憐なセレニティ演じる白石の登場シーンから、物語の核心を語る映像とステージの融合は迫力満点。その完成度は、映像や音楽と融合した演出手法が持ち味の演出家・ウォーリー木下ならではだ。
タキシード仮面/地場衛役は過去のミュージカル「美少女戦士セーラームーン」シリーズでセーラープルート/冥王せつなを演じた石井美絵子が演じる。セラミュを知る石井の存在が乃木坂46版セラミュのクオリティーをより高めている。
ダーク・キングダムとして登場する、クンツァイト役の安藤千尋、ゾイサイト役の小嶋紗里、ネフライト役のShin、ジェダイト役の武田莉奈、クイン・ベリル役の玉置成実たちは大人組のキャストとして乃木坂46メンバーを支える。
そして、大阪なる役を山内優花、海野ぐりお役を田上真里奈が演じる。うさぎの友人である2人は原作やアニメでも初期ストーリーの中心キャラクター。2人がキチンと描かれている点は原作やアニメのファンとしても嬉しく、本作の原作へのリスペクトを感じる。
終演後にはすべての公演でスペシャルライブショーが開催される。「ムーンライト伝説」など「美少女戦士セーラームーン」関連のナンバーが披露されるので、ぜひ最後まで乃木坂46版セラミュを楽しんで欲しい。
乃木坂46による新たなるセラミュがついに幕を開ける! 本作は6月公演を「天王洲 銀河劇場Ver.」、9月公演を「TBS 赤坂ACT シアターVer.」として一部異なった演出で上演されるので、こちらにも注目だ。
なお、ゲネプロ前の囲み会見には「Team MOON」と「Team STAR」のメンバー10名と、石井、ウォーリーが登壇した。
[Team MOON]
◆セーラームーン/月野うさぎ:山下美月(乃木坂46)
見どころは全部と言いたいくらい、最初から最後までずっとキラキラしていて、愛・夢・友情など、たくさんのことがつまった作品になっています。
特に皆さんに見ていただきたいのは、それぞれのセーラー5戦士の変身シーンです。注目してください。
◆セーラーマーキュリー/水野亜美:伊藤理々杏(乃木坂46)
今回の舞台、セーラー5戦士それぞれの個性、ワクワク・ドキドキ・ハラハラするような高揚感を味わうことができつつ、感動的なシーンもたくさんあります。観ている方にジェットコースターに乗っているような気分で楽しんでいただけたらうれしいです。
◆セーラーマーズ/火野レイ:高山一実(乃木坂46)
セーラームーンがすごく好きなのですが、舞台への出演にあたり改めて向き合い、そこで気づいたのは、月野うさぎちゃんという人物が、どれだけたくさんの人に愛されているか、どれだけすごい力を持っているか、ということでした。
皆さんには、ぜひそういうところも注目していただきたいです。
◆セーラージュピター/木野まこと:能條愛未(乃木坂46)
変身シーンをミュージカルではどう表現しているか、ぜひ注目してほしいです。
それぞれがそれぞれのトレードマークなどをモチーフに派手な変身シーンになっているので、楽しみにしていてください。
◆セーラーヴィーナス/愛野美奈子:樋口日奈(乃木坂46)
セーラーヴィーナスは、どんな状況に陥っても一番先に声をあげて前向きに進んで行きます。そんな姿がかっこいいと思っているので、ぜひ注目してください。
また、同じ乃木坂46の白石麻衣ちゃんも映像出演をしています。それがどういう形でみんなと一緒に舞台の上で動いているのかも見どころです。
[Team STAR]
◆セーラームーン/月野うさぎ:井上小百合(乃木坂46)
月野うさぎちゃんが、さまざまな運命の人と出会って強くなっていくところが、個人的にはとても見どころです。
それが、乃木坂46である自分にも重なる部分があったりします。それは、舞台に出会えたことだったり、ファンの人に会えたことだったり、このカンパニーに出会えたことだったり。そういう点が物語に重なり、リアリティをもってセリフを言っている部分もあります。なので、ご覧いただく際、そういったところも感じ取って楽しんでいただけたらうれしいです。
◆セーラーマーキュリー/水野亜美:渡辺みり愛(乃木坂46)
セーラー5戦士の登場シーンがみどころです。Team MOON とTeam STAR でキャラクターは同じはずなのに、話し方、立ち方でそれぞれ個性が出ています。そこで、どう自分が演じるキャラクターになれるかがカギだと思っていますので、ぜひ注目してください。
◆セーラーマーズ/火野レイ:寺田蘭世(乃木坂46)
約1ヶ月一緒に稽古を行い感じたのは、それぞれメンバーの性格が、演じるキャラクターに近いのではないか、ということです。そのせいか、普段からキャラクターと同じような掛け合いもどんどん増えました。このことは、本番にもいきると思っているので、両チーム、関係性にもぜひ注目して観てください。
◆セーラージュピター/木野まこと:梅澤美波(乃木坂46)
メンバーみんなががんばったので、アクションシーンに注目してほしいです。
また、キャラクター一人ひとりが誰かのためにいろいろなものを背負って戦っている姿は、ものすごくかっこいいです。それぞれのキャラクター同士の関係性に注目しながら、観ていただけたらうれしいです。
◆セーラーヴィーナス/愛野美奈子:中田花奈(乃木坂46)
セーラーヴィーナスはセーラー5戦士の中でリーダーです。個人的にはリーダーという役割を考え、普段の自分と変え、しっかりするようにがんばったことは挑戦だったので、そこを観てほしいです。また、乃木坂46版ということで、乃木坂×セーラームーンという難しい課題に一生懸命取り組んだので、ぜひご覧ください。
◆タキシード仮面/地場 衛:石井美絵子
セーラー5戦士がWキャストで同じストーリー、役をやっているにもかかわらず、こんなにも変わるのか!というくらいまったく違うものになっているので、どちらも観ていただきたいです。
また、ウォーリー木下さんの演出は、最新の技術と、人間だからできるアナログなことが組み合わさり、とてもおもしろいエンターテイメントの世界になっています。
この世界観で乃木坂46のみんなが、汗を流し一生懸命声を出してがんばっている。こんな新しいセーラームーンの世界を2018年に見ることができる、貴重な舞台だと思っています。
彼女たちががんばれる、戦える場を、わたしは作っていきたい、護っていきたいと思っています。彼女たちが輝きますよう、応援よろしくお願いします。
◆演出:ウォーリー木下
今回、乃木坂46のメンバーは、いろいろ準備が大変な中、探りながら戸惑いながらだったと思います。ただ、ある日突然、こうすればよいんだ! というのがわかった瞬間があったと感じました。
そこから乃木坂46版 ミュージカル「美少女戦士セーラームーン」は、とてもおもしろい作品になりました。カンのよさなのか、演技をずっとやっていたからこそのノウハウのようなものなのか、彼女たちのそういった「野生の鋭さ」のようなものが、この舞台でいきています。
2.5次元ミュージカルの枠を超えた、大きなミュージカル作品としてできあがっていると思います。
【公演概要】
6月公演:2018年6月8日(金)〜6月24日(日)
天王州銀河劇場
9 月公演:2018 年 9 月 21 日(金)〜9 月 30 日(日)
TBS 赤坂 ACT シアター
※6 月公演は「天王洲 銀河劇場 Ver.」、9 月公演は「TBS 赤坂 ACT シアターVer.」として、 一部異なった演出となる。
<原作> 武内直子(講談社刊)
<演出> ウォーリー木下
<出演>
Team MOON:
セーラームーン/月野うさぎ:山下美月
セーラーマーキュリー/水野亜美:伊藤理々杏
セーラーマーズ/火野レイ:高山一実
セーラージュピター/木野まこと:能條愛未
セーラーヴィーナス/愛野美奈子:樋口日奈
Team STAR:
セーラームーン/月野うさぎ:井上小百合
セーラーマーキュリー/水野亜美:渡辺みり愛
セーラーマーズ/火野レイ:寺田蘭世
セーラージュピター/木野まこと:梅澤美波
セーラーヴィーナス/愛野美奈子:中田花奈
大阪なる:山内優花
海野ぐりお:田上真里奈
クンツァイト:安藤千尋
ゾイサイト:小嶋紗里
ネフライト:Shin
ジェダイト:武田莉奈
アンサンブル:河本麻祐子、鏑木真由、齋藤久美子、倉知あゆか、渡邉南、光岡茉美
クイン・ベリル:玉置成実
タキシード仮面/地場衛:石井美絵子
<チケット料金> S 席 9,800 円/A 席 6,800 円 (前売・当日共/全席指定・税込)
<主催> 乃木坂 46 版 ミュージカル「美少女戦士セーラームーン」製作委員会
<公式サイト> http://sailormoon-official.com/stage/nogizaka
(C)武内直子・PNP/乃木坂46版 ミュージカル「美少女戦士セーラームーン」製作委員会
文・撮影:櫻井宏充