「ホテルアヴニール」4つの部屋で起こる出来事、ホテルで交錯する人生模様。

2016年にコメディーから本格サスペンスまでと幅広く、作品はコントや短編も含めると数百を超えるA・ロックマンの脚本・演出で公演された「ホテル アヴニール」が、書き下ろしストーリーを加え、新たにパワーアップして池袋のLIVEエンターテインメントビル「Mixalive TOKYO(ミクサライブ東京)」内「Theater Mixa」にて有観客&生配信で公演。
4本の二人芝居のオムニバス公演で、様々な組み合わせによる演出を時速246億主宰の川本成が手がける。
出演は上田悠介、小西成弥、椎名鯛造、高橋良輔、葉山昴、深澤大河、校條拳太朗、植万由香、篠崎彩奈、藤松祥子など様々な舞台やドラマ、バラエティでも活躍中の俳優陣。ホテル「アヴニール」の4つの部屋でおこるそれぞれの人生を背負った、哀しくもおかしな2人のストーリー、また俳優陣の組み合わせもいろいろ!
公演に先駆けて公開ゲネプロが執り行われた。組み合わせは、上田悠介、小西成弥、高橋良輔、深澤大河、校條拳太朗、植万由香、篠崎彩奈、藤松祥子。
セットはアート志向で、おしゃれなイラストのよう。セットは俳優陣が動かす。
はじめの話、男が机に向かって何か書いているが、行き詰まっている様子で髪を手で搔きむしり、紙を丸めて捨てる。そこに電話が鳴り、頭を下げながら話をしている。そこへ一人の女性が入ってきた。男に弁当とりんご飴を届けにきたのだった。この二人は夫婦、男は仕事に夢中、彼は小説家、そんな夫に妻は封筒を渡す。「あとは判を押すだけよ」その中身は…。狼狽する夫、「あなたは原稿用紙しかみていないのよ」という…。

2つ目は男2人。友人同士のような関係。男が一人、本を読んでおり、そこへもう一人が「ごめん、ごめん」と遅れてやってくる。スナック菓子を食べながら缶のアルコール飲料を飲みながら、ワチャワチャと。殺陣の話になり、その場で斬った斬られたをやってみたり。いろんなシーンをやる、楽しそう。そこへホテルから電話が入る…。

三つ目は若い女性2人。一人はギターを持っている。友人同士でデュオを組んでいる様子、売れてはいない。女子っぽい会話、映画「タイタニック」の有名なシーンをやってみたり。仲の良い感じ、2人で手で蝶々を作る。

4つ目は再び男2人。2つ目とは違い、1人男がマスクをして散らかった部屋を片付けている。そこへ派手なジャケットを着た男が入ってくる。緊張感のある会話、時には怒鳴ったり。しかし、どこかで気持ちが繋がっているようにも見えて、そこは観客の感じ方にもよるところ。

どこにでもいそうな人々、どこにでもありそうな設定。特別な人たちではない。そんな彼らのある時間を客席で垣間見る、あるいは配信で画面越しに見る。ホテル、様々な人々が宿泊する場所、よって様々な人生の瞬間がクロスする。ラストは女性デュオが中央に、それ以外の3組も。歌う、劇場が小ぶりなので、我々観客も彼女のライブのお客様のような不思議な立ち位置になる。演劇は観客席から見るので、多少客観性があるのだが、このライブの瞬間は我々もこの物語の一部のような感じになる。曲に合わせてクラップする男2人組は楽しそう、対する険しい表情の男2人、ほんの少し、微妙に表情がゆるくなっていく、夫婦の2人、夫は相変わらず机に向かっているが、妻はその傍に立ち、柔らかい表情を見せる。基本、シュチュエーションコメデイであるが、見る者の心にほのかな温かさを残す。

ちなみに検索すると…Avenir Hotel、パリにあった!!もちろん、フィクションなので設定はパリではないが、そんなのを見つけると少し顔が緩む。ホテルで交錯する人生と心とそして空間と、Theater Mixaで、配信で体感して欲しい。

<公演概要>
「ホテルアヴニール」
日程・会場:2020年12月9日〜12月13日 Mixalive TOKYO 6階 Theater Mixa
出演:
上田悠介、小西成弥、椎名鯛造、高橋良輔、葉山昴、深澤大河、校條拳太朗、植万由香、篠崎彩奈、藤松祥子
演出:川本成
脚本:A・ロックマン/川本成/西山宏幸

公式HP:https://theater.mixalive.jp/hotel_avenir/
公式Twitter:@hotel_avenir20

主催:講談社

©2020講談社/舞台「ホテル アヴニール」