新作ショウ『劇団四季 The Bridge ~歌の架け橋~』おなじみのナンバーが次々と!「人生の喜び」「生きる感動」を劇場から!

JR東日本四季劇場[春][秋]は劇団四季の新たな本拠地として、東京都港区の複合施設「ウォーターズ竹芝(WATERS takeshiba)」に誕生。10月には[秋]劇場のこけら落とし作品『オペラ座の怪人』が開幕し、これに続く[春]劇場の幕を開けるのが、新作ショウ『劇団四季 The Bridge ~歌の架け橋~』。1月10日より絶賛上演中だ。

おなじみの海外ミュージカルからオリジナル&ファミリーミュージカルまで、四季ナンバーの名曲を一挙に楽しむことができる。『アラジン』『リトルマーメイド』『キャッツ』など、大ヒットミュージカルナンバーや最新オリジナルミュージカル『ロボット・イン・ザ・ガーデン』まで、多彩な楽曲を披露!
U-NEXTライブ配信も予定、全国どこででも、テレビの大画面で高画質&高音質で楽しむことができる。

中央はベテラン、飯野おさみ。

力強いアナウンスと共に幕あき、観客のテンションが否応にも上がるオーバーチュアー、ここは照明でハートマーク!そして「ハングリーキャッツ」の詩が朗読される。これを書いたのは詩人・吉原幸子。劇団四季の一員で女優でもあった彼女が劇団を立ち上げた創立メンバー10名を『キャッツ』に登場するジェリクルキャッツに例えてうたっている。この詩が随所に登場するが、つまり、劇団四季のあゆみ、というわけである。よく聞くと…劇団創立メンバーの名前を連想する猫の名前が…可愛い!そして劇団四季の初期の作品名も登場し、作品を知っていれば数倍楽しめる、という趣向だ。それから『オンディーヌ』で歌われる「水の精のうた」、1958年初演、そこから第二場”劇場は夢を創り出す”『夢から醒めた夢』の「遊園地のパレード」最新作『ロボット・イン・ザ・ガーデン』のテーマ曲、楽しいナンバー、そしておなじみの『アラジン』の有名な楽曲へと繋がっていく。本公演とは違うアレンジだったり。基本ショーなので、華やかさと賑やかさを強調、また、「アンダー・ザ・シー」では6名のキャストがスタンドマイクで!

色調が上品な衣装で熱唱。スタンドマイクで!

一つ一つのシーン、曲が終わるたびに客席から大きな拍手!まさに”ショー・ストッパー”という言葉がふさわしい。劇場は夢と希望を紡ぐ場所、そして非日常空間、照明もくるくると変化、第3場は”子供たちに夢を届ける”、劇団四季は長年にわたって子供たちのためのオリジナルミュージカルを捜索してきた。1964年に『はだかの王様』を上演、かなりの人はそらんじて歌えるかもしれない「幕をあける歌」、♪手を叩いて、とマスク越しに歌いたくなる!!

代表的な作品のナンバーが創作年順次々と歌われ、最新作の『カモメに空を飛ぶことを教えた猫』「自分を信じて」まで、テンポよく!第四場”劇場人として生きる”、『アプローズ』『クレイジー・フォー・ユー』『パリのアメリカ人』とミュージカルファンならおなじみの楽曲を!そしてこの第四場最後の曲が故・越路吹雪の代表曲「ラストダンスは私に」、往年のファンなら大きく頷ける曲。第五場”平和を祈る”、昭和三部作の『李香蘭』『異国の丘』の楽曲が登場、特に「二つの祖国」では李香蘭らしい衣装に身を包んでのソロは思わず感涙するほど。本公演ではこの曲は李香蘭が裁判にかけられてそこで切々と歌い上げるのだが、その本公演に負けないくらいの場面、客席が静かになり、終わった瞬間に大きな拍手が。第六場は”人生を謳う”、『ライオンキング』の「サークル・オブ・ライフ」『エビータ』「ブエノスアイレス」、力強い言葉にパワフルな旋律、まさに”謳う”という言葉がふさわしい。そして最後は”明日を見つめる”、劇団四季のショーは創立35周年の「35ステップス」が最初であった。そして節目ごとにショーを上演してきたが、やはり『キャッツ』「メモリー」と『コーラスライン』「ワン(フィナーレ)」は劇団四季の”十八番”と言っても過言ではない。『キャッツ』は現在もロングラン中であるが、実に1983年から!この2曲を聞かないで帰ることはできない!!!

合間に挿入される「ハングリーキャッツ」の朗読、曲もアップテンポのナンバーやしっとりとしたナンバー、これらをうまく構成し、飽きさせない。また歌唱とダンスのレベルの高さも堪能。衣装も単にきらびやかなものではなく、パステルっぽい色調のものや、いかにも”ミュージカル!!!”という感じの衣装、また、花畑のようなカラフルな衣装など、舞台裏の着替えが大変だったと思うが、ささっと笑顔で登場!!
劇団四季は創立以来、一貫して「人生の喜び」「生きる感動」を掲げてきた。披露されたナンバーはまさにそのものであり、また振付もエモーショナル、新しいスタイルの動きもさりげなく取り入れて、”UP TO DATE”な感じになっており、1幕ものでスピーディに魅せる。新年の幕開きにふさわしい輝きのあるステージ、しかも根底に流れる骨太な精神も提示。2021年は早々に緊急事態宣言となったが、この難局を乗り越えようという劇団の強い決意も感じる。6月には新作『アナと雪の女王』も始まる。アンコールは『マンマ・ミーア!』、曲は…本来ならみんなで総立ちになって歌い踊りたい曲、勘がよければ察しがつくであろう。時節柄、客席からの歌声は聞こえないが、そこは心のコーラスで!
公演は東京は2月11日まで!無事に千秋楽まで駆け抜けて欲しい。なお、初日はダブルカーテンコール!!
 なお、11日と、14・15日公演は、劇団四季ライブチャンネル、U-NEXT、Rakuten TVにてライブ配信!
ちなみにタイトルに込められた意味だが、演劇人として劇場で生き、多くのお客様に演劇の感動をお届けすること―この信念は、創立時から今日まで貫かれる四季の姿勢。それは今後も変わらない。劇団四季という存在や上演する作品が、お客様や時代だけでなく、あらゆるものにとっての「来し方」と「行く末」を繋ぐ架け橋となれ――そのような想いを込めて、「The Bridge」と名付けたそうである。

[コメント]
代表取締役社長 吉田智誉樹
本日、JR東日本四季劇場[春]の開場の日を迎えることができました。旧四季劇場に込められた伝統や想いを受け継ぎ、今後この劇場で歩みを進めていきたいと思います。現在の厳しい状況下にもかかわらず劇場に足を運んでくださるお客様には感謝しかありません。この作品が、その名の通り劇団四季とお客様を繋ぐ「架け橋」となることを願っています。

公演概要
<JR東日本四季劇場 開場記念作品>
『劇団四季 The Bridge ~歌の架け橋~』
【東京公演】
◇日程・会場:2021年1月10日〜2月11日 JR東日本四季劇場[春]
【福岡公演】
◇日程・会場:2021年3月14日〜3月28日 キャナルシティ劇場
【全国公演】
◇日程・会場:2021年4月16日〜 MAP

[クリエイティブスタッフ]
構成・台本:高橋知伽江(劇団OG)
演出:荒木美保(劇団四季/演出チーム)
編曲:宮﨑誠 (19年『カモメに飛ぶことを教えた猫』作曲)
振付:謝 珠栄、松島勇気
照明デザイン:沢田祐二、赤崎浩二
舞台装置デザイン:土屋茂昭(劇団OB)
コスチュームデザイン:渡邉里花、丸山敬太(第6・7場)
音楽監督:浪江暢子(劇団四季/技術部音楽)
公式HP:https://www.shiki.jp
舞台撮影:荒井 健
文:高 浩美