OFFICE SHIKA PRODUCE 「秘剣つばめ返し」が好評上演中、言わずとしれた有名な巌流島の物語だ。
巌流島は本州(下関市彦島)から約0.4kmの関門海峡内に位置する小島。かつてはすぐ隣に岩礁があり、難所として恐れられており、豊臣秀吉も名護屋から大坂への帰路の途中でここで乗船が座礁転覆し毛利水軍によって助けられたといわれている。
武蔵と小次郎が決闘を行った日時は、『二天記』(安永5年(1776年))によると慶長17年4月13日(グレゴリオ暦では1612年5月13日)に行なわれたといわれているが、そこから半世紀前に書かれた立花峯均による『丹治峯均筆記』(享保12年(1727年))には武蔵19歳のときとあり、決闘時期には諸説あり、実際のところは不明。また、なぜ武蔵は小次郎と決闘したかは謎。剣豪・武蔵のイメージは吉川英治の『宮本武蔵』や井上雅彦の『バガボンド』が一般的。近年では佐々木小次郎は小倉藩が治める豊前の国で生まれたという説が有力。土豪、佐々木氏の一族で、彦山の山伏から兵法を学び、岩石城から「岩流」(巌流)と名乗ったと考えられている。佐々木小次郎はその剣術を活かして、小倉藩の剣術指南を行っていたそうであるが、そこへ宮本武蔵がふらりとやって来た、ということである。
舞台背景は能のように松が描かれている。赤い色調、それ以外には何もない。津軽三味線の奏者が登場し、それから波の音、そこへ一人、宮本伊織が登場し、講談師のごとくに語り始める。佐々木小次郎(松島庄汰)が登場し、イライラしながら「遅い!」と言う。それから侍が5人登場、彼らは小次郎に勝ってほしい、そこへ待ち人登場!宮本武蔵(佐伯大地)!早々に「小次郎破れたり!」と言い放つ。ちなみに宮本武蔵遅刻説は吉川英治の創作と言われている。また、佐々木小次郎がイケメンだったかどうかは実はわからない。そして宮本武蔵の方だが、身長は6尺(およそ180センチ)だったそう。ここで「秘剣つばめ返し」が!!!小次郎倒れる…。そこで宮本伊織が「嘘なんです!」と言う。この決闘場面は多くの作家が想像力をたくましくして描いているので、本当はどうだったかは不明。舞台上も客席も「え?」(笑)。宮本伊織は言う「いたんです、巌流島に!」
それからオープニング、賑やかに歌って踊って!現在、授業や大河ドラマで見たり聞いたりする歴史、本当にそうだったのか?と問われれば、その真偽は「?」。時の権力者が自分に都合のいいように話を盛ってしまう場合もある。だから、余計想像力をかき立てられる。物語は巌流島の決闘以前のところから。佐々木小次郎が弟子たちに稽古をつけている。女性たちが大騒ぎ、佐々木小次郎がイケメンだから!いつの時代でも、”イケメンに限る”。容姿端麗、天下無双、非の打ち所のない佐々木小次郎。そんなこんなを鹿殺し流に描く。
佐々木小次郎と宮本武蔵、真逆な風貌、宮本武蔵は髪ボサボサ、対する佐々木小次郎はいつもビシッとキメている。笑いのシーンもふんだんに、二人の出会いと想い、懸命に生きる、運命の決闘、ラストは大立ち回り、長い刀を持って!刀が長いのでしなってる!宮本武蔵が使用していた刀、2尺3寸あったとされる和泉守藤原兼重銘、一方の佐々木小次郎の刀も!「備前長船長光」、長さは3尺ほどでおよそ1メートル!物干し竿のように長いので後世「物干し竿」と呼ばれるようになった。よって、このラストの二人の長い刀で戦うシーンは、ここはあながち嘘じゃない!そんなことを頭に入れておくとここのシーンは「なるほど」と思える。戦いの果てにみる景色、疲れ果てて倒れこむ2人、よく知られている巌流島の決闘とはちょっと違うが、清々しさも感じる。ラストは再び全員で歌って踊って!音楽は、小山流津軽三味線で全編生演奏!これがドラマチック。振付は米津玄師「LOSER」「馬と鹿」MVから「パプリカ」など、舞台のみならず映像分野でも幅広く活躍する辻󠄀本知彦。
<物語>
容姿端麗、天才、小倉藩剣術師範の名誉。佐々木小次郎は全てを持っていた。唯一つ、勇気を除いて……
岩流と自らの剣を称したのも臆病者の大口で、恋心を抱くたら姫とは口も利けず。一方、六十戦無敗の剣豪、宮本武蔵は放浪の末に小倉城下へ辿り着いた。女好きで自由奔放な性格のため、士官先は見つからず、その日暮らしの生活。
小倉藩の陰謀が渦巻く中、天下無双を決める小次郎と武蔵の決闘が始まる。小次郎、秘剣つばめ返しを胸に巌流島へいざ行かん!
<配信も!DVD化も決定!>
また、劇場へのご来場が難しいお客様に向けて、配信公演も実施しております。(終演後1週間見逃しアーカイブ視聴可能)
#おうちから劇場に灯を灯せ!を合言葉に、ぜひ、無理のない形で今作をお楽しみいただき、応援いただければ幸いです。
さらに、DVD化が決定&先行予約受付を開始!先行特典として、舞台写真ポストカード(非売品)が同封されます。
DVDの詳細は公式オンラインショップ:子鹿商店 http://shika564.com/shop をご覧ください。
特設サイト http://shika564.com/tsubame
<公演概要>
日本劇作家協会プログラム 座・高円寺冬の劇場22 OFFICE SHIKA PRODUCE
「秘剣つばめ返し」
日程・会場:
[東京]
2021年1月17日〜24日 座・高円寺1
※1月23日・24日 配信公演用意 (アーカイブ有)
[大阪]
2021年1月28日〜30日 ABCホール
脚本・演出 丸尾丸一郎(劇団鹿殺し)
出演:
松島庄汰 佐伯大地
武藤十夢(AKB48) 佐藤祐吾 鷺沼恵美子 浅野康之 有田あん 内藤ぶり 藤綾近 勝又啓太 田中廉
主催:株式会社オフィス鹿 / 株式会社indi
特設サイト http://shika564.com/tsubame
舞台撮影:和田咲子