『知恵と希望と極悪キノコ』この一瞬に人生を込めて!どんな端役でも全力で!それが生きてる証。

昨年上演し、好評だった舞台『知恵と希望と極悪キノコ』がキャストを変えての上演。紀伊國屋サザンシアターにて25日より!

物語の舞台は映画の撮影現場。冒頭は、よくある”完成披露試写会”の場面、メインキャストや監督の挨拶。それから、時間が遡る。雑然とした現場に一人、また一人やってくる。映画のメイキング映像を撮影しているスタッフもいる。彼らは俳優、しかし、メインキャストではない。役名は戦闘員AとかBとか。つまり、役付きではない、ということ。セリフもほんの少し、登場場面も多くない。戦闘員A役は”俳優人生の集大成”といえば聞こえはいいが、要するにこれを最後に俳優を辞めるということ。それ以外のBもCもEも、兼業俳優、早い話が”売れてない”。Fは最近まで素人。

メインキャストも、売れっ子というわけではない。映画監督はこれがデビュー作、何としても高い評価を受ける作品にしたい。皆、それぞれの思惑がある。ABCDEF、わずかの出番、見せ場、そこに全力投球せねば!ということで本読みに励んだり。そしていよいよ撮影!!衣裳を着ると皆、気合いが入るが、同時に緊張もする。うまくやりたい、かっこよく決めたい、爪痕を残さねば!そんな気持ちが働く。緊張しすぎてNG連発したり!ご機嫌斜めになる監督、あれやこれやと気を回す助監督、その他、プロデューサー、メイクなどなど、スタッフが忙しく働く。”撮影現場あるある”ネタをややオーバーに見せて笑いを誘う。脚本やシーンの変更、セリフを間違える、その度に右往左往する戦闘員ABCDEF!しかし、全員の目標はただ一つ、”いい映画にしたい”。そのためには”みんなは一人のために、一人はみんなのために”。そんなこんなを面白おかしく描いていく。

 

 

まず戦闘員ABCDEFの衣裳が!可笑しい!キノコ!色とりどり!6人並んで!の場面はどこか哀愁も漂い、しかもユーモラス。メインキャラクターを演じる俳優も、すごい人気者はいない。かつては歌って踊ってのアイドルだった中年俳優、昼ドラでブレイクしたが、ピークをすぎてしまった中年女優など、この先、売れる気配も見えない、そこにバイトしないとやっていけない俳優陣が扮している戦闘員ABCDEF。残念かつ、しょーもない感が満載だ。だが!だが!それでもどこかキラキラしている。一生懸命!戦闘員Aを演じる俳優を演じるは冨田翔。主人公ではあるが、群像劇的で、それぞれの人生が透けて見える。もちろんバッドエンドにはならないが、ものすごいハッピーエンドというわけでもない。映画、ものを作る、しかもみんなで。終始、仲良しこよしではない。時には怒ったりもするし、落ち込んだり、混乱したりもするが、その全てが愛おしい。上演時間は休憩なしのおよそ2時間。見終わった後は温かな気持ちになれること、間違いなしだ。

<コメント>
[冨田翔]
ご来場いただきありがとうございます。
人生には数々の「決断」をする瞬間があると思います。その中でひとつの大きな決断をした役者の人生を、今の自分だからこそ出来る、目一杯の表現で伝えられたらと思っています。愛すべき登場人物それぞれの人生、このたった一日の中で想いが混ざり合い、成長していく姿を楽しんでいただけたら嬉しいです。
今、まさに見てほしい作品です。
最後まで全身全霊生き抜きますので、よろしくお願いします。

[十碧れいや]
いよいよ初日の幕が開くのかと思うとドキドキしています。
生の舞台でしか伝わらないものがあると思いますので、この舞台を観劇してくださったお客様が「見に来て本当によかった!」そう思って下さる作品になるよう精一杯全力で努めていきたいと思います!
皆様に笑顔をお届けしたい気持ちでいっぱいです!

【あらすじ】
映画の撮影現場。
一人の売れない俳優が最後の撮影に臨もうとしていた。
未練が無いと言えば嘘だった。
だが、端役ながらもやり甲斐のある役を貰い、俳優人生の集大成として、
この日、与えられた役を精一杯、誠心誠意演じて、新しい人生に向かって踏み出すつもりだった。
役名は、『戦闘員A』。
だが、現場に集ったのは曲者ばかり。 かつてアイドルとして一世を風靡したものの今は冴えない中年俳優、
昼ドラでブレイクしたものの今は落ち目の中年女優、 そして、男の共演者である戦闘員 BCDE は、
全員バイト生活の売れない俳優。 戦闘員Fに至っては、定年退職後シニア俳優として活動し始めたというド素人。
誰もがその現場に掛けていた。
誰もがその映画に夢を見ていた。
それぞれの夢が交錯した時、現場に混乱が生じ、やがて騒動となり、
男の俳優生活最後のささやかな夢を、 徐々にぶち壊して行く。
果たして男は俳優として完全燃焼する事が出来るのか!

【公演概要】
『知恵と希望と極悪キノコ』
作・演出:大浜直樹
出演:
富田翔、十碧れいや、佐藤弘樹、山沖勇輝/古賀成美、末永みゆ、雑賀克郎、三浦ゆうすけ/ ちか、大滝紗緒里、石橋政人、小澤真悟、藤田健彦、江刺家伸雄、水城夢子、古澤光徳、増本尚、 日向みお、中条智世、赤山明日香、南波碧、下出宗次郎、岡澤由樹、鶴田未来
上演スケジュール:
2021年2月25日(木)~2月28日(日)
2月25日(木) 13:00
2月26日(金) 13:00
2月27日(土) 13:00/18:00
2月28日(日) 11:30/16:00 ※23日、25日、26日の19時公演は中止
劇場:紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA
チケット:
S席9,500円 A席8,900円 B席6,900円(全席指定・税込) 前売り券・当日券共通
※チケットに関する詳細や注意事項は公式サイト(http://kinoko.mono-dukuri.com/)をご参照ください。
公式サイト:http://kinoko.mono-dukuri.com
公式 Twitter:https://twitter.com/chiekinoko
ものづくり計画 公式 Twitter:https://twitter.com/monodukuri_plan