
舞台『蟻地獄』が4月7日、行われた。製作発表会は通常は報道するメディアに向けて行われるのだが、今回は報道陣の他に先行抽選に当選した50名の幸運な観客が!賑やかな雰囲気で会見が執り行われた。
プレス関係者以外に、先行抽選に当選した一般来場者50名も見守る中、司会進行を務める大熊英司アナウンサーの呼び込みで、5名が登場(板倉俊之、髙橋祐理、山口大地、天野浩成、向井葉月)。
まずは各自の自己紹介と意気込みを語りました。
トップバッターは板倉。
大熊アナから「演出家の先生」と言われると、「そうじゃな」と言いながらふんぞり返る仕草を見せた後、「脚本・演出をさせて いただきます、インパルスの板倉です。今日はちょっと鼻の中に息をするとフラフラッと何かが揺れる感覚があるんですけど、その感覚に邪魔されつつも頑張っていきたいと思います」と挨拶。大熊アナが「すみません板倉さん、意気込みをお願いします」と促すと、「成功させたいと思っております。どういう 演出家として接していこうか、まだちょっとスタンスが定まっていないんです よ。敵対関係を作っていくのか、それとも仲良くやろうよ、というパターンで いくのか、これは稽古始まる前に決めないといけないですけどね」と少し悩む表情を見せました。
続いて主演の髙橋が「一度中止になってしまってすごく悔しい思いをした分、とても気合が入っております。板倉さんの理想像に少しでも近づけるように 日々の稽古に励みたいと思います」と意気込みを述べると、板倉がすかさず「頼むよ、ホントね」と演出家モードでコメント。髙橋は「プレッシャーがすごいですね」と苦笑いを見せました。
カシワギ役の山口は「原作の板倉さんが演出なうえに、ビジュアル撮影の時に 板倉さんから「カシワギが大好きなんですよ」と言われて、これはちょっと気合入れて、お客さんを納得させるのはもちろんなんですけど、最初に板倉さんを稽古で納得させないとな、と思っております」と、撮影時のエピソードも披露しました。
宮内役の天野は「今日は来て下さってありがとうございます」と報道陣、一般来場者それぞれへの丁寧なご挨拶から入り、板倉から「ヨン様みたいな感じ」とツッコまれながらも、「中止になってしまってか ら 1年以上僕の中にこの宮内という役があるので、今やっと皆様の前に宮内として立てているな、という喜びと、このまま最後まで素敵な舞台を届けたいな、という思いが強くあります」と役への思い入れを語りました。
マフユ役の向井が「キャストの皆さんと仲良くできたらいいなと思っています」とコメントすると、板倉が可愛らしい口調で「そうだね。女子が少ないんでね」と応じて、2人で顔を見合わせてニコニコ。山口が「とあるプロモーション企画の収録のときに、板倉さんと向井さんでめちゃくちゃ仲良くなってましたよね」と言うと、板倉と向井で「このコメント、わたしが入って変な空気にしちゃった、ごめんね」「いや、私もごめんね」「違うの、わたしなの」と突然コントのようなやり取りが始まり、2人の間に座っていた髙橋が「このやり取りで毎回挟まれるの僕なんですよ」と困り顔を見せて会場の笑いを誘うと、板倉は「(髙橋) 祐理ちゃんオチでこのコントできそうだね」とニヤリ。
大熊アナからの「かなりセリフも長いと聞いていますが……」という問いかけに、板倉は「そうなんですよ、みんな地獄を最低一回は見てもらいます」と発言。とにかく長ゼリフの多い脚本について「そこは 本当にすいませんとしか言いようがない。稽古しながら削るところは削ります。一番懸念しているのは、 台本もらって覚えたのに切るんかい、って陰口叩かれること。だから稽古中は、悪口を言われてないか耳 をそばだてておこうかな」と心配そうな表情を浮かべると、山口がすかさず「それはないです。板倉さん ありきの作品なので、どんどん削っていただいて大丈夫です」とフォロー。髙橋も「自分は舞台経験が豊 富な方ではないので、このタイミングでずっと舞台上に立ち続けることができる機会をいただけたこと が本当にうれしい。一言でも多く舞台上で孝次郎としてセリフを言いたい、という気持ちが強いので、も ちろん不安な気持ちもありますけど、それ以上に楽しみです」と力強く発言しました。向井が「私も長ゼ リフはあるんですけど、大丈夫だと思います」と言うと、板倉は「すごい心強い、すごいじゃん、さすが 葉月」と再び可愛らしい口調になり、向井とニコニコ。髙橋が「なんなんですか、これ(笑)」と困惑の表情を浮かべると、大熊アナが「たぶん稽古のときもこういう感じになりますよね」と言い、山口が「その ときは髙橋くんがちゃんと止めるんだよ」と笑いながら言うと、髙橋は「助けてくださいよ(笑)」と山口に助けを求める目を向けていました。
プレス関係者からの質問で、「稽古ではどういったコミュニケーションをとって仲を深めていこうと思っているか」と聞かれると、高橋は「板倉さんと向井さんの異様な空気のやり取りの中にうまく入り込め るかどうか不安なんですけど、お二人(山口と天野)に助けてもらいながら入れたらいいなと思います」 と、先ほどからの板倉・向井コンビのやり取りに翻弄されている様子をうかがわせつつも、「僕はキャラ的に全員と関わりがあって一緒に稽古する時間も多いと思うので、そこで距離を縮められたらいいなと 思います」としっかりコメント。一方の板倉からは「みんなで食べてください、って差し入れで友好関係 を築くパターンもあるよね。陰口がひどくなってきたなと思った頃に僕は豚汁を作ろうと思っていて。豚汁調整ですね」と、突然の豚汁宣言が飛び出しました。
次に、舞台のみどころを尋ねられ、板倉は「この作品はサスペンス、ミステリー、バイオレンス、いろんな要素が入っていて、頭から終わりまでぎゅうぎゅう詰めなので、どこが見どころ、という感じじゃないんですが、ただのバイ オレンスものじゃなく、頭脳戦やどんでん返し的な要素も入っているところ、 ですかね。小説とか漫画にもなってますけど、役者さんたちの演技とか声とか で、舞台版ならではの良さが出てくれると思っています」と答えました。「笑いは入ってない?」という問いかけには、「みんなでズコー!みたいな、コントみたいな笑いはないですね。ほっこりというか、ちょっとクスッとできるようなシーンは原作にも入ってるんで、そこは生かすつもりです」と、本格サスペンス劇であることをうかがわせました。
続いて、公式ホームページで募集した質問に答えるコーナーとなりました。まずは髙橋への質問で「座長に決まったとき、一番最初に出た一言はなんですか。そのときの心境を教えてください」。高橋はこれに対して「マネージャーからこの話を聞いて出た一言は「えっ?」でした」と回答しました。「そのとき、 まだ僕は舞台に一度しか出演していなくて、初舞台のときも銀髪の役だったんですけど、そのビジュアル を板倉さんが見てくださって、主演をやって欲しいと言ってくださったんです」と、主演オファーに至っ た経緯を髙橋が語ると、板倉も「写真を見たときに、いやオファーしてないのにもう(孝次郎を)やって るじゃん、って思ったんですよ」と、孝次郎のイメージにピッタリだったことを明かしました。
次は全員への質問で「これは蟻地獄にはまった、と思ったことはありますか」。 板倉は「サバゲ―歴10年以上で、エアガンは増える一方で、使った金額を振 り返るとつらくなるからもう突き進むしかない、と思ったときに「はまったな」 と。「小さい頃の夢がかなったな」と思う日もあるし、「誰か俺を止めてくれ」 と思う日もある」と、サバゲ―という蟻地獄にハマっている様を語りました。 天野は「(この舞台に)これからはまっていくんだろうな」と、今作への意気 込み十分な回答。向井は「乃木坂に入る前は乃木坂のファンで、生写真にたく さんお金を使ってしまった」、山口は「筋トレにはまっていた時期は、筋トレ
をしていないと憂鬱になるときもあったので、友達に飲みに誘われても断って筋トレしていたことがあ りました」、髙橋は「一時期サウナが大好きで、稽古終わりに先輩にサウナに連れて行ってもらって、週3~4くらいで通ってた」と、それぞれハマっていたものを答えました。
続いての質問は板倉に向けて「原作は怒涛の展開なので、これを舞台にするのは難しいと思っていたのですが、一番表現するのに苦労しそうなことはどんなことですか」。これに対して板倉は「小説で書いたときは主人公目線で書いたので、情報が限定されていたんですけど、舞台になると客観になってくるので、そういうとこですかね。お客さんから見える方向が限られるとか、漫画や映像と違ってアップが使え ないとか。その代わり、始まっちゃったら終わるまでぶっ続けでやるという緊張感は舞台でしかないもの だと思うので、それが引き立ったらいいなと思います」と答えました。
向井へは「いつもは乃木坂メンバーといることが多いと思いますが、舞台の稽古中にメンバーと会いた いなと思うことはありますか」という質問が。向井が「今まで舞台をやってきて、稽古中は乃木坂のお仕 事に行けないことも増えてくるので、現場で楽しかったこととか聞くと、やっぱり私もその場にいたかっ たなって思うことはありますね」と答えると、板倉が「そういう寂しい思いを少しでもさせないように、 僕は乃木坂の一員のスタンスで彼女に接してるんです」と、2 人の“仲良しコント”の意図を説明しました。
そして締めの質問は、全員に「蟻地獄の主人公が19歳ですが、みなさんが19歳のときの思い出は何ですか」。
板倉は「ガソリンスタンドでバイトしてい て、結構評判よかったんですよ」、山口は「高校を卒業して東京に出て来た頃。 当時はダンスをやっていて、全く役者になるなんて思っていなかったです」、 天野は「俳優のお仕事はもうしていました。セーラームーンとかやっていた頃 かな。プライベートでは自動車学校に通ったりしてました」、向井は「19歳は2年前ですけど、お母さんとすっごく仲が悪かったです。それまで反抗期がなかったから、そこで来ちゃったのかな。今はすごく仲良しなんですけど、あのときは申し訳なかったな、って思います」、髙橋は「それこそ僕の19歳の年は、この舞台の話をもらったときなんです。だから自分の中でも運命を感じました」とそれぞれ答えました。
最後に一言ずつメッセージを求められると、板倉は「皆さんと力を合わせて 面白いものに必ずしますので、ぜひ見に来て下さい」、髙橋は「一度中止になってしまったんですけど、このような形で上演できるということで、素敵なキ ャストの皆さんと、そして板倉さんと一緒に最高のエンターテインメントを作 れるように頑張ります。このご時世に劇場に直接来て下さるということは、か なり覚悟のいる決断だと思いますので、お客様一人一人に感謝の気持ちを込め て芝居をしたいなと思います。ぜひ応援のほどよろしくお願いします」、山口 は「このご時世に演劇をできるということがどういうことなのか、座組全体で
しっかり考えてやらなければ、と思います。演劇にしかないパワーというのは絶対にありますので、ご来 場の皆様一人一人にこちらからパワーを与えるようなつもりでやっていきたいと思います。作品自体は 本当に面白いです。心拍数の上がるスリル満点のスピード感と、キャラクターの心理描写が魅力的な作品 ですので、ぜひ楽しみにしていただければと思います」、天野は「小説もマンガもすごく面白くて、これ が舞台になったら面白くなかったね、と言われるのは悔しいですし、舞台には舞台の面白さがあって楽し かったね、と言っていただけるようにやっていきたいと思います」、向井は「舞台を見終わった後に、すごい舞台だったね、と思ってもらえるような作品にしたいのでこれから頑張っていきたいと思います。会場で皆様にお会いできるのを楽しみにしています」とそれぞれ述べました。
終始和やかなムードが漂い、5人の雰囲気の良さが伝わってくる会見となりました。これから始まる稽古、そして迎える本番と、このメンバーで明るく前向きに乗り切って、素晴らしい舞台『蟻地獄』が見られることを期待しています。
文=久田絢子
■STORY
二村孝次郎(髙橋祐理)は、杉田(迫 英雄)という男の助言を受け、親友の大塚 修平(近藤 廉)とともに裏カジノに乗り込み一攫千金をもくろむ。電光石火の 早業で女ディーラー(安川里奈)の目を欺き、見事大金を手に入れたかに思わ れたが、それは杉田と裏カジノのオーナー・カシワギ(山口大地)によって仕 組まれた地獄への罠だった。
修平は人質に取られ、『5日間で300万円を用意する』という救済条件のタイムリミットは刻一刻と迫っていく。現金を用意することを断念した孝次郎 は、あろうことか 1 個 40 万円で売買されるという人間の眼球の収集を試み る。眼球を求め彷徨う孝次郎だが、そう簡単に見つかるはずもなく、残され た時間はあと僅か…。 窮地に追い込まれた孝次郎は、一縷の望みをかけて集団自殺志願者が集う廃 墟へと辿り着く。集団自殺の発起人・宮内(天野浩成)を筆頭に、一堂に会す るマフユ(向井葉月)、ケイタ(古賀 瑠)、フジシロ(向清太朗)、そして孝次 郎。しかし、そこにはさらなる最悪の罠が待ち受けていた。
幾重にも孝次郎に襲い掛かり、足掻くほどに堕ちていく『蟻地獄』という名の絶望の罠 果たして孝次郎はこの絶望から這い上がり、修平を救うことができるのか?
<公演概要>
公演タイトル:蟻地獄
日程・会場:2021年6月4日(金)~10日(木) よみうり大手町ホール
原作:板倉俊之『蟻地獄』(単行本=リトルモア/文庫本=新潮社)
脚本・演出 :板倉俊之
出演:
髙橋祐理…………二村孝次郎
天野浩成…………宮内
向井葉月…………マフユ
古賀 瑠 …………ケイタ
向清太朗…………フジシロ
佐藤恵一(プロレスラー/エスワン)…………クマザワ
安川里奈…………女ディーラー
中野裕斗…………二村源次郎
三木美加子………二村咲子
近藤 廉 …………大塚修平
迫 英雄 …………杉田
山口大地………カシワギ
ヒラノショウダイ 富山バラハス
古家由依………アンサンブル
舞台美術:照井旅詩
音 響:今村太志(サウンドクラフトライブデザイン社)
照 明:高橋朋也(東京三光)
映 像:曾根久光(co:jin projects)
衣 裳:森宗大輔
ヘアメイク:松田 陵(Y’s C)
音 楽:石本大介
演出助手:小暮邦明
舞台監督:伊藤清一
宣伝写真:撫井健一 宣伝デザイン:成川 研
WEB デザイン:岡本宏輔
票 券:Mitt
制 作:浅田真那
プロデューサー:川瀬良祐 エグゼクティブプロデューサー:大関 真
特別協力:吉本興業株式会社 新潮社 株式会社 日本文芸社
企画制作:スーパーエキセントリックシアター
お問い合わせ:公演▶SET インフォメーション
TEL:03-6433-1669(平日 11:00~18:00)
MAIL:info@set1979.com
チケット▶Mitt TEL:03-6265-3201(平日 12:00~17:00)
公式ホームページ:https://arijigoku-stage.com/
公式 Twitter:https://twitter.com/arijigoku_st @arijigoku_st
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