劇団プープージュースが2017年に恵比寿エコー劇場で上演し好評を博した作品『フェイクニュース』をキャストを一新し、2021年4月8日～4月18日、シアタートラムで上演中。演出・脚本は映画『女子高』『サムライダッシュ』『ガキ☆ロック』等、演劇界のみならず、映像界でも注目の山本浩貴。テレビ、週刊誌、インターネットなど、情報が氾濫する現代。『フェイクニュース』という現象を取り上げ、ユニークかつ独自の視点で描く。
主役には、元モーニング娘。(10期）で現在は女優としても注目されている飯窪春菜。明石家さんまがパーソナリティーを務めるラジオ『MBSヤングタウン土曜日』でもレギュラー出演し、様々な分野でその才能を見せている。この度、舞台初主演となる。注目される記事にするためには手段を選らばない「ゲスの女王」と呼ばれるジャーナリスト「泉川真琴」役を演じる。ゲス不倫をスクープされる政治家役に『宇宙戦隊キュウレンジャー』・『ミュージカル テニスの王子様』などの人気作品に出演している南圭介が参加。政治家のゲス不倫の相手で新人女優役に『イタズラなKiss』で主演など多数出演している麻木玲那。様々な舞台やドラマ、映画でも活躍中で『ゼロワン Otheres 仮面ライダー 滅亡迅雷』の公開も控える山口大地は、半グレの危険な男に挑戦する。「船越英⼀郎」をはじめ、「貴乃花親⽅」「⼿塚治⾍」 など30 ⼈以上のモノマネレパートリーを持つ、お笑い芸人の福島善成 (ガリットチュウ)。「AKB48 Team８」でアイドルとして活動。今回が初舞台となり、女優としても期待される、下尾みう。自身の演劇団体である「独弾流GARAGARADON｣に所属し、最近では映像作品にも活動の幅を広げている寺中寿之。「無名塾」入塾後、舞台、映画、ドラマなどでも活躍している石栗昌彦などの多彩なゲストと、PU-PU-JUICE劇団メンバーが贈る。
最初にこの物語のヒロイン・泉川真琴（飯窪春菜）が登場し、観客に呼びかける、ゲネプロでは「今日は何を食べましたか？」「情報は何から得ていますか？」、聞かれたら素直に応じよう。泉川真琴のモノローグ、彼女が勤めている先はニュースをネットで配信している。読者が読みたいものを提供する、それが仕事。間違いではない。ある日、政治家とアイドルの不倫を記事化した。いわゆる三面記事的な内容のもの。たちまち話題になり、アイドルは謝罪会見を開き、政治家の方は、その政治生命が危うくなる。似たようなニュースはリアルな現代でもあふれている。スマホで簡単に閲覧できる、それをシェアし、瞬く間に広がっていく。泉川真琴は、金のためならどんな記事でも書く「下衆の女王」と言われるやり手。仁義なし。プライドなし、男なし。そんな記事を書いてはアドレナニンが出る、達成感を覚えていた。しかし、彼女が書いた記事、それは果たして？？真実なのか。
翻って過去、戦争中、新聞社は国が出す情報を流していた。様々なドラマなどでも描かれているが、日本が戦争に負けている情報は出さなかった。そんな時代にも気骨のある記者がいた。ヒロインは、やがて気づいていく。真実を伝えることこそが自分の使命なのだと。
現代と過去を舞台は交互に見せる。時代に生きる人々の心と真実。やがて戦争は終わり、報道も自由にできる時代が到来するも、それだからこその悲劇も起こる。泉川真琴の想い人も報道関係、あの大震災で宮城の海に近い場所でシャッターを切り続けていて、帰らぬ人となった。報道に命を燃やした結果。真実を伝えたい、真琴のシンプルな熱い思いは周囲の同僚や記事化されたアイドルや政治家をも動かしていく。
愚直なまでに自分の信じる道を突き進むヒロインを演じる飯窪春菜、大熱演。その熱い空気感がキャラクターとシンクロし、もしかして、こういう人は本当にいるかもと思わせてくれる存在感を放つ。また政治家を演じる南圭介、実は複数役を演じている。政治家・高杉信太郎の他に戦時中のキャラクターである川島実と川島勇治を演じる。その他のメンバーも複数役を演じるが、それぞれの役どころも見どころポイント。現代とのシンクロ具合が絶妙。また戦時中に登場する人物とヒロインの接点もまた、”なるほど”ポイント。戦時中の熱血漢記者・鉄二を寺中寿之が演じているが、鉄二の志と熱意はほとんどの現代人が忘れかけていたものを思い出させてくれる。彼はジャーナリストとしての使命を果たそうと、戦時中の難しい時代、どんな障害があろうとも突き進んでいく、猪突猛進型な人物。なかなかお目にかかれない、純粋な熱血漢。
ラスト近く、泉川真琴は自分が書いたニュースの責任をとるために大胆な行動をとる、胸熱。上演時間はおよそ２時間、ジェットコースターのごとくな怒涛の展開。最後の景色は清々しい。サブストーリーもきっちり、そして現代の”あるある”な風景をちょっとシニカルに描いているのもなかなか心憎い。骨太なテーマであるが、ちょっと肩の力を抜くところもあるので！
＜公演概要＞
◆劇団プープージュース第29回公演『フェイクニュース』
脚本・演出 山本浩貴
【期間】2021年４月8日(木)〜4月18日(日)
【出演】飯窪 春菜 寺中 寿之 南 圭介 山口 大地
麻木 玲那 / 福島 善成(ガリットチュウ)/ 下尾 みう / 石栗 昌彦/ 大対 源/岩永 ひひお
梅村 実礼【A】小玉 祐毅【A】/ 三澤 優衣【B】/ 寺町 徹【B】
[劇団PU-PU-JUICE]
山本 浩貴 長島 慎治 中野 マサアキ 西山 咲子 久米 伸明 松原 功 伊藤 桃香
【劇場】シアタートラム
【上演スケジュール】2021年4月8日(木) ～ 2021年4月18日(日)
4/8(木) 19:00 A
4/9(金) 19:00 B
4/10(土) 13:00 A / 18:00 B
4/11(日) 13:00 A
4/12(月) 休演日
4/13(火) 19:00 B
4/14(水) 19:00 A
4/15(木) 19:00 B
4/16(金) 19:00 A
4/17(土) 13:00 B/ 18:00 A
4/18(日) 13:00 B
※福島 善成(ガリットチュウ)さんは、11日・14日は出演可能となりました。
10日のみ出演致しません。
同配役に劇団員の久米伸明が出演致します。
※一部ダブルキャストがあります。
【A】梅村実礼/小玉祐毅
【B】三澤優衣/寺町徹
公式HP：https://www.pu-pu-juice.com/fakenews
