マキノノゾミ主宰 Makino Play クラウドファンディング開始&2022年2月第 2 弾上演決定

舞台演出家・劇作家のマキノノゾミが主宰する Makino Play 第一弾『東京原子核クラブ』(21年1/10-17) が緊急事態宣言の要請を受け今後の公演継続の難題に直面、活動継続のための支援を募るためクラウドファンディングを開始。

<マキノノゾミより>

『東京原子核クラブ』は戦前戦中の若者たちを描いた群像劇です。25年前に書いた作品ですが、初演当時よりも現在の方が、より訴えるところが大きいと考えて上演を企画し、1月に本多劇場で公演いたしました。 感染対策には万全を期して慎重の上にも慎重に準備を進め、何とか公演にまでこぎつけましたが、初日の2日前に2度目の緊急事態宣言が出されるという事態となってしまいました。 このため、中止公演や払い戻しによる損失が、たいへんに大きなものとなってしまいました。そもそも、演劇は基本的に複製できるものではないので、多くの金銭的利益を生み出すといったことはありません。
ほとんどの演劇人は、つねに経済的にはギリギリの脆弱な状況で創造活動を行っています。 わたしたちもそうです。 この国から多くの演劇創造の火を絶やさぬため、どうか今回の損失補填と今後の活動へのご支援を賜りた く、クラウドファンディングへのご協力をお願い申し上げます。

<Makino Playについて>
マキノノゾミは1980年代に広がった小劇場ブームの中で劇団M.O.P.を立ち上げ、その後劇団内外で多くの名作を生み出しました。それらの作品が埋もれていくのはもったいない。MakinoPlayは令和の時代を迎えた現代に、これまでの名作を「マキノノゾミ自身の演出により蘇らせる」ためのユニット。
その第一弾として、舞台『東京原子核クラブ』を2021年1月に上演。
昭和初期。舞台は、風変わりな住人が集う東京・本郷の下宿屋「平和館」。理化学研究所に勤務する若き 原子物理学者・友田晋一郎を中心とし、下宿屋に集う若者たちを描いた⻘春群像劇です。実在の人物をモデルに、第二次世界大戦前後の時代の荒波の中で闊達に生きる若者たちを描き、1997 年「読売文学賞戯曲・シナリオ賞」を受賞した傑作。
そして来年2022年2月には第二弾、マキノノゾミ作・演出『モンローによろしく』を上演予定。 劇団M.O.P.の中期に発表され、1994年日本劇作家協会新人戯曲コンクール・第一回東筑紫学園戯曲賞を 受賞したこの作品を、29 年ぶり、2022年に上演する予定となっている。

<『モンローによろしく』 上演概要>

[STORY]
物語は1941年、映画の都ハリウッド。新進気鋭の映画監督ビリーとその親友でもあるスター男優のキースは、これまでの常識を打ち破る野心作の製作にあたり、相応しいヒロイン役の女優が見つからず頭を悩ませている。だがそこへ飛び込んで来た女優志望の娘シェリーの中に輝く才能を発見する二人。二人三脚の映画作りが始まるが、やがて日米開戦。終戦後のレッド・パージ(赤狩り)。世の中がエンタテイメントに望むものも次々に変貌してゆき、映画に賭ける彼らの純粋な想いは容赦なく時代の波に呑み込まれてゆく。

[マキノノゾミより]
わたしの原点
『モンローによろしく』を書いたのは 28 年前で、わたしの作品中でもかなり初期のものです。初めて戯曲 として賞をいただいたこともあって、個人的には格別な思い入れのある作品です。 まだまだ戯曲の書き方といったものを、無手勝流に、手探りで模索していた時期でもありました。今となっ ては「翻訳劇調の台詞でハリウッドの赤狩りのことを書く」などという荒唐無稽なアイデアを、一体どこか ら思いついたのかもよく覚えていません。ただ、この作品が、現在に至るわたしの戯曲スタイルの原型であ り、演劇というものについての、わたし自身の考え方を決定したものであったことは事実です。 かねてから、原点に戻る意味で、この作品をさらにブラシュアップしてみたい、それを新しい俳優たちと上 演して、現代の観客に再び投げかけてみたいという思いを密かに抱いておりました。 今回はその夢を実現しようと思います。

日程・会場:2022年2月3日〜13日 座・高円寺 1
作・演出:マキノノゾミ
出演:一部オーディションによって決定。
HP:http://makino-play.net/monroe/
企画・製作:Makino Play