耐震補強工事と内装一新のため月末に改修に入った新宿・紀伊國屋ホールが、6月に改修後の柿落とし公演が始まる。
日本の演劇の聖地として57年の伝統を誇る新しい紀伊國屋ホールの演劇公演第一弾を飾る「新・熱海殺人事件」に続く第二弾として、「熱海殺人事件」の数あるバージョンの中で最も異端な作品「熱海殺人事件 モンテカルロ・イリュージョン」を上演する。
「熱海殺人事件」は言わずと知れた日本演劇史上屈指の名作であり、紀伊國屋ホール57年間の歴史の中で最も上演され続けている、つかこうへいの伝説的作品である。第18回岸田國士戯曲賞を受賞し、後に映画化され、演劇界につかブームを巻き起こした。紀伊國屋ホールと聞けば「熱海殺人事件」を連想するほどである。
2020年、つかこうへい没後10年の節目に開催された「つかこうへい演劇祭」。その中で、『改竄・熱海殺人事件 モンテカルロ・イリュージョン』と銘打ち、中屋敷法仁が演出を手掛け上演されたが新型コロナウイルス感染症の猛威によって、中途で公演中止を余儀なくされた。そこでリニューアルされた紀伊國屋ホールをリベンジマッチの舞台として、再び上演する。
主演の木村伝兵衛部長刑事は、多和田任益が『新・熱海殺人事件』(熊田留吉役)から連続出演を果たす。相反する2役を連続で演じるのは、長い「熱海殺人事件」の歴史の中では初となる。
木村伝兵衛に翻弄されながらも事件を捜査する速水健作刑事には菊池修司、ヒロインの水野朋子婦人警官は、元HKT48 兒玉遥。そして容疑者・大山金太郎は、鳥越裕貴。
演出は、中屋敷法仁が再び手がける。
新装紀伊國屋ホールこけら落とし公演。第一弾の「新・熱海殺人事件」からバトンを引き継ぎ、第二弾の「改竄・熱海殺人事件 モンテカルロ・イリュージョン〜復讐のアバンチュール〜」、そして翌月には、井上ひさし作、こまつ座「母と暮らせば」と続く。
<「熱海殺人事件」とは>
1973年に文学座に書き下ろされ発表された「熱海殺人事件」は、つかこうへいの代表作であり、最年少で岸田國士戯曲賞を受賞し、紀伊國屋ホールを拠点に、つかこうへい事務所の春の名物として、何度も再演を重ねている作品。タイトルを「売春捜査官」、「モンテカルロ・イリュージョン」などと変化しながら、「熱海殺人事件」は紀伊國屋ホールで上演され続け、三浦洋一、風間杜夫をはじめ、阿部 寛、池田成志、山崎銀之丞、馬場 徹、味方良介などが出演している。
<概要>
作:つかこうへい
演出:中屋敷法仁
出演:
木村伝兵衛部長刑事 多和田任益
速水健作刑事 菊池修司
婦人警官水野朋子 兒玉 遥
容疑者大山金太郎 鳥越裕貴
会場:新宿・紀伊國屋ホール
公演期間:2021年6月24日〜 27日
公式HP:https://www.atami2020.jp
STAFF
音響:山本能久 照明:熊岡右恭 衣裳:大野雅代 舞台監督:中島 武
宣伝美術:山下浩介 宣伝写真:神ノ川智早 WEB制作:田辺 充(メテオデザイン)
制作:藤井良一 山田紗綾 総合プロデューサー:岡村俊一
提携:紀伊國屋書店 制作:つかこうへい事務所
制作協力:アール・ユー・ピー 製作:ゴーチ・ブラザーズ