4月20日、 東京国際フォーラム・ホールAにて、 『浦井健治 20th Anniversary Concert ~Piece~』が行われた。 事前の取材では、冗談めかして「昼公演は(ゲストの)井上芳雄さんに甘えきり、 夜公演は平方元基とふざけきる!」と語っていた同公演は、 昼も夜も、あたたかな笑いと感動に包まれて終了、昼公演のレポが到着。
<公式レポ>
3月24日にリリースした、2ndアルバム『Piece』を引っ提げてのコンサート、アルバムには、 人気ミュージカルの楽曲をはじめ、 20周年にちなみ、 約20年前に流行した邦楽ヒット曲、3曲のオリジナル曲を収録している。
幕開けの曲は、 『メタルマクベス』の「きれいは汚い、 ただしオレ以外」。 アルバムには入っていないこの曲のイントロが流れると会場の空気は一変する。 そこに、 浦井が「始まるよ~」とステージに登場。 早くもエンジン全開だ。 その後、 「浮気もの、 汝の名は女」(『天保十二年のシェイクスピア』)、 「ゲームの始まり」(『デスノート』)と、 これまで出演してきた作品から楽曲を披露。 その後、 テレビアニメ『クラシカロイド』から、 「六弦の怪物 ~クロイツェルより~」を歌った。 さらに2022年に再演が行われることが発表されたばかりの『笑う男 The Eternal Love -永遠の愛-』から「笑う男」「目を開いて」を、 『モーツァルト!』より「星から降る金」、 『エリザベート』から「私だけに」を披露する。 『モーツァルト!』への出演経験はないが、 「星から降る金」はアルバム『Piece』にも収録されている、 思い入れのあるナンバーだ。
浦井はさらに、 『エリザベート』から「ママ、 何処なの?」を歌い始める。 すると、 歌の途中で、 「ママには聞こえない~♪」と井上がトートのパートを歌いながら登場。 浦井の「誰?」の力強い(!)問いに、 井上は「多分(苦笑)ともだちさ」と答え、 はけていこうとする。 浦井はそんな井上に必死に追いすがり、 客席を笑いで包んだ。 その流れから、 「闇が広がる」を、 そして、 井上が歌いたかったという、 「世界の王」(『ロミオとジュリエット』)をデュエット。 最後は、 浦井に捧げる「歌うたいのバラッド」(斉藤和義)を歌った。
井上が去った後は、 2022年に帝国劇場でミュージカル版が上演されることが発表された、『千と千尋の神隠し』から「いつも何度でも」をしっとりと歌い上げた。 そして、 もし自分が出るとしたら、 坊役を演じたいと吐露。 「芳雄さんが湯婆婆で育(山崎育三郎)が釜爺。 『泣いちゃうぞ!』っていうソロ曲があるんです(笑)」と浦井なりのキャスティングを語った。 また、 後半には今は亡き友への思いを込め、 アルバムにも収録されているKiroroの「Best Friend」を、 心を込めて歌い上げた。 その後もアルバムの収録曲や2000年に流行した歌などを続々と歌い、 これまで出演した作品のなかでも特に思い入れがあるという『ビッグ・フィッシュ』から「Stranger」、 そして、 実父との別れを告白し、 いつか演じてみたい役として、 浦井が演じたウィルの父親で、 川平慈英が好演したエドワードのナンバー「終わり方」を万感の思いを込めて歌った。 コンサートならではの、 どこか浦井自身が見え隠れする歌唱だった。 フィナーレは、 アルバムのボーナストラックに入っていた「明日があるさ」。 1963年に坂本九が発表し、 2001年にウルフルズがカバーした大ヒットナンバーだ。
コンサート終了後、 感染症対策のため、 会話をしている人はほとんどおらず、 また顔の半分はマスクで覆われているが、 多くの人が満ち足りた表情をしているのがわかった。 応援してくれてきた人への感謝の気持ちを、 歌に込めて表現した、 そんなコンサートだった。 実際、 浦井はコンサート中、 なんども「ありがとう」「感謝」という言葉を口にしている。
外に出ると、 青空が広がっていた。 そう、 この日は浦井の芸歴20周年を祝うかのような、 完璧な晴天だった。
<概要>
20th Anniversary Concert ~Piece~ ※終了しました。
出演:浦井健治
ゲスト:昼公演 井上芳雄/夜公演 平方元基
公式サイト: https://uraikenji.jp