2020年12月に舞台『苦闘のラブリーロバー』、2021年3月に『ハッピーハードラック』を上 演し好評を博したシザーブリッツが、演劇集団イヌッコロにより2017年に初演、以降様々な団体にて上演され、笑いの渦を巻き起こした ワンシチュエーションコメディ作品『まわれ!無敵のマーダーケース!!』を待望の再演!
シチュエーションコメディの演出に定評のある野坂実を演出に迎え、 出演に、小南光司、西葉瑞希、飯山裕太、谷川愛梨、武藤晃子、松村泰一郎、月岡弘一、鈴木遥太、畠山遼、髙木俊、君沢ユウキ。また、特別出演として佐野瑞樹がキャスティング。
開演前に雷鳴、”何かが起こる”、お約束な効果音。そして物語の舞台は不便そうな、しかし落ち着いた感じのペンションの一室。盛り上がる面々、「好きなだけ、飲んでいいぞ!」と景気の良いことを言うのは人気作家・藤澤智彦(小南光司)、「殺人事件とか起こりそう」とか言ってるところへ管理人(佐野瑞樹)がやってきて「このあたりで連続殺人が…」と言う。ん?!どこか大げさな…。藤澤智彦は担当編集者の末国(飯山裕太)に協力をしてもらい、売れない役者を雇って嘘の殺人事件を起こし、そこに知人を招き、人間のリアルな反応を見たかった…そうしたら、いいアイディアが思いつくかも?しれないと…。だが、そう簡単にことが運ぶはずもなく。大御所ミステリー作家の娘・小山田さくら(西葉瑞希)、物怖じしない性格、藤澤が考えそうなことはお見通し。
このリアクションに客席からクスクスと笑いが起こる。しかし、藤澤は諦めが悪い、粘り強い。彼の計画に振り回される面々のリアクションや言動が面白おかしく、また、実直そうな担当編集の末国、藤澤のために心を砕く。そこへ想定外のことが起こる。本物の殺人鬼(君沢ユウキ)が突然現れる。だが、そんなことは想像もしない藤澤。ここからちょっと背筋が寒くなる展開、ところどころに笑いが挟み込まれるので、恐ろしいはずなのに、なぜか笑える。殺人鬼は、想定外のリアクションに困惑、本物の殺人者が現れたとは微塵も思わない藤澤始め、居合わせている面々。この掛け合いが面白く、次の展開を期待してしまう。やがて、”なんちゃって”なのか”マジ”なのかが混沌としてくる、その結末は????そこは劇場で!
作家・藤澤は人気小説家ということで、やや鼻持ちならないところがあるにもかかわらず、嫌味にならない人物を小南光司がスマートに演じる。小南と面白掛け合いをする西葉瑞希はコメディーセンスを発揮、辛辣な言葉を吐くが、そこがなぜか可愛く見える。そして売れない役者の面々、成田(武藤晃子)、広野(松村泰一郎)、今北(月岡弘一)、谷川(鈴木遥太)、同じ劇団という設定、わちゃわちゃと楽しいやり取り。警官役をやってる地元劇団員の登坂、髙木俊が訛り丸出しキャラで笑わせる(藤澤が「何言ってるかわかんない!」という程の訛り具合)。酒癖の悪い藤澤の友人・齊藤(畠山遼)、肝心なところで!とんでもないことを!ここはお楽しみポイント。ひたすら可哀想(笑)な末国、飯山裕太がどこまでもお人好しな雰囲気を出して熱演(後半はあわや!!)。さらに、このストーリーの要である殺人鬼、演じるは君沢ユウキ、想定外な展開で頭の中が「?」マークになるキャラクター、ラスト近くはさすがの殺人鬼ぶり!また、管理人役の佐野瑞樹が、リリーフ的な登場の仕方で存在感を示す。後半に登場する藤澤の従姉妹が!おお〜、さとみ(谷川愛梨)が!!
完全ワンシュチュエーション、そしてタイトルの『まわれ!無敵のマーダーケース!!』の意味がじわじわと…。ペンションの一室での出来事、面白怖い物語、推理的な要素もあり、肩の力を抜いて気楽に観られる。演出はコメディーに定評のある野坂実。
<ストーリー>
作家・藤澤智彦は悩んでいた。
何故なら、彼は全く書いたことのないサスペンス小説の執筆を引き受けてしまったのだ。
何日経っても、一向にアイデアは浮かんでこない。
それどころか根本的な描写の仕方すら分からない。
それ程、藤澤はサスペンスに疎かった。
そんな中、彼はとんでもない事を思い付く。
「そうだ! 嘘の殺人事件を起こして、人間のリアルな反応を見よう!!」
これでインスピレーションが湧かない筈は無い!
編集者の末国に協力を仰ぎ、人里離れたいかにもそれっぽいペンションを探し、 売れない役者を雇い、知人を招き、いざ計画を実行し、までは良かったが・・・
なんと、そこに本物の殺人鬼が現れた!!
<概要>
日程・会場:2021年5月26日〜5月30日 計8公演 博品館劇場
脚本:羽仁 修(演劇集団イヌッコロ)
演出:野坂 実
[キャスト]
小南光司、西葉瑞希 飯山裕太、谷川愛梨、武藤晃子、松村泰一郎、月岡弘一、鈴木遥太 /畠山 遼/髙木 俊/佐野瑞樹(特別出演)/君沢ユウキ
[スタッフ]
スタイリスト:ヨシダミホ、ヘアメイク:西村裕司(earch)、プロデューサー:ウネバサミ一輝
企画・製作:シザーブリッツ(公式ホームページ: http://www.scissors-blitz.com/ )