構成・演出・出演:松本幸四郎,1 年ぶりのリベンジ公演!第四回 日本舞踊 未来座=祭(SAI)=『夢追う子』華麗に華やかに圧巻の群舞で魅せる

昨年新型コロナウイルスの影響で残念ながら公演が延期となっていた第4回日本舞踊 未来座=祭(SAI)= 『夢追う子』が 2021年6月4日~6日国立劇場小劇場にて上演。

タイトルにあるSAIとは「Succession And Innovation」、すなわち継承と革新。日本舞踊の伝統をつなぎながら、”いま”こそ輝き、そして”未来”へと光を放つ公演でありたいという願いが。2017年、日本舞踊への固定概念を打破すべく、松本幸四郎ら日本舞踊協会のメンバーが十世坂東三津五郎の遺志を継ぎ、“未来座”と銘打ち、新たなシリーズを立ち上げた。

今年、第4回公演でキーワードは SAI=“祭”。祭とは、神に捧げる舞。舞うとは、魂を込めて体を動かす姿。そのためには修練が必要。互いに競いながら、分かち合いながら強い心を養ってゆく。養う心の支えに”夢を持つ”。”夢”を 抱く日本舞踊家の今の心をエネルギッシュに踊る。
今回はなんと「夢追う子」のてっぺんからつま先まで松本幸四郎による構成・演出・出演のトリプルコンボ、新進気鋭の若手からベテランまで総勢46名の舞踊家が舞う力感あふれる“祭”。

基本的に舞台には何もない。そこから群舞によって世界観が立体的に構築される。プロローグの天地創造からスピード感を持って展開。躍動感と斬新さ、日本舞踊であるが、異ジャンルのダンスも取り入れてコンテンポラリー的な空気感も醸し出す。夢、儚、様々なものを連想させる。盆やセリも使用し、スピーディに場面は変わる、万華鏡のごとくに。

ラスト近くは迫力のある群舞。祭り、神を祀ること、またはその儀式を指すが、神・尊(みこと)に祈ること、命・魂・霊・御霊(みたま)を慰めるもの、また、民俗学でいう「ハレとケ」のなかの「ハレ(非日常性)」でもある。ラストは華やかで圧巻。2幕ものであるが、長いわけではない。現代的なテンポ感、伝統と革新、“未来座”と銘打っているが、日本舞踊、伝統芸能の未来を見据える公演。「日本舞踊って馴染みがない」「よくわからない」というなら、この公演を観れば、そんなことは簡単に打破できる。気負わずに、46名の群舞に酔いしれたい。

<松本幸四郎より>
いよいよ明日、2年越しの公演『夢追う子』が開幕いたします。多くの流派の日本舞踊家の集合体「日本舞踊協会」が「踊りたい」、「観ていただきたい」との思いを力に50名以上の方々とリモート稽古から公演に向かって前進し、その集大成を皆様に御披露する日がついにやってきました。日本舞踊家が夢に向かって舞い踊る力強いエネルギーを、ぜひ劇場で受け取っていただきたいです。皆様の未来への希望や勇気となりますように。心よりご来場をお待ちしております。

<過去公演について>
[2017年:第1回公演]
“水”をテーマに「水ものがたり」「女人角田~たゆたふ ~」「当世うき夜猫」「擽-くすぐり-」の 4 演目 を上演。それぞれ水の流れと、過去・現在・未来という時の流れに愛、女性、共感、命などを重ね合わせ、現代の私たちに共通するテーマで、今まで日本舞踊に親しみのなかった方にもわかりやすく表現され、大きな反響であった。
[2018年:第2回公演]
SAIが象徴するワードは“裁”。世界的オペラ「カルメン」を 題材に、様々な運命に裁かれながら生きる女と男を描き、日本舞踊の伝統をつなぎながら、ファムファタルの妖艶な世界を表現。
[2019年:第3回公演]
“彩”をテーマに、誰もがご存知のピノキオの物語が新作舞踊でよみがえった「檜男=ぴのきお=」、人間国宝 井上八千代を迎え四季をテーマに舞と踊りで綴る舞踊絵巻「春夏秋冬」の趣の異なる2本立てで上演し、子供から大人まで楽しめると好評を博した。

<公演概要>
第四回 日本舞踊 未来座=祭(SAI)=『夢追う子』
日程・会場:2021年6月4日~6日 国立劇場小劇場
公式HP:https://nihonbuyou.or.jp/performances/detail/351
公式ツイッター:https://twitter.com/miraiza_sai
当日券あり。