今年度より導入されたシーズン制、一年目のテーマは「冒」。シーズンの幕開けを飾るのは、作・野木萌葱×演出・シライケイタによる歌舞伎の人気演目「三人吉三」をモチーフにしたハードボイルド現代劇。
2021年4月1日よりKAAT神奈川芸術劇場の新芸術監督に就任した長塚圭史は、今年度からシーズン制を導入することを発表。
2021年8月~2022年2月までのシーズン一年目は、テーマを「冒(ぼう)」に決定。
テーマに沿った企画がプログラムされ、“飛び出す、はみ出す、突き進む”さまざまな作品が劇場を彩っていく。
シーズン「冒」の始まりを告げる第一作目「湊横濱荒狗挽歌〜新粧、三人吉三。」(みなとよこはまあらぶるいぬのさけび〜しんそう、さんにんきちさ。)は、湊町を舞台に繰り広げられる、歌舞伎でおなじみの「三人吉三」をモチーフにした現代劇。
河竹黙阿弥による七五調のリズム感あふれる文体、悪事を重ねながら生きるアウトローの主人公、因果応報が生み出すドラマティックな展開といった歌舞伎の魅力が詰まった人気演目を、現代に置き換えた任侠版「三人吉三」として書き下ろすのは、野木萌葱。東京裁判、大逆事件、グリコ森永事件などの歴史や史実を題材にした脚本でこれまでも高い評価を受けている野木が、「三人吉三」の世界観をどう現代に蘇らせるのか注目です。
演出は、蜷川幸雄演出の舞台で俳優としてデビューしたのち、2010年劇団温泉ドラゴンの立ち上げに参加し、脚本家・演出家として活躍の幅を広げているシライケイタ。2017年には読売演劇大賞杉村春子賞を受賞するなど、その手腕は高く評価。
注目の脚本家と演出家による待望の初タッグとなる本作に、個性あふれる魅力的なキャストが集結。
歌舞伎版「三人吉三」で和尚吉三にあたる役を、舞台のみならず近年では映画やドラマでも圧倒的な存在感を示している玉城裕規、お嬢吉三にあたる役を、若手実力派として多方面での活躍を見せる岡本玲、お坊吉三にあたる役を森優作が演じる。彼らの親や取り巻く周囲の人々として、渡辺哲、山本亨、ラサール石井、村岡希美、大久保鷹、若杉宏二ら実力派俳優が出演し、ドラマを盛り上げていく。
「三人吉三」同様、今作においても世の中からはみ出た悪党たちの葛藤や悲哀がにじむ、人間味あふれる物語が展開。アウトローたちが湊町を舞台に運命に翻弄される任侠現代劇!
<登場人物(役柄順)>
時代は現代、どこかの湊町。親と子、それぞれの時代が描かれ、時には混ざり合っていく。
◇柄沢純(からさわじゅん)・・・歌舞伎版では和尚吉三 =玉城裕規
◇柄沢正次(からさわまさつぐ)・・・純の父で悪い刑事 =渡辺哲
◇新井淳史(あらいあつし)・・・正次の部下で悪い刑事 =筑波竜一
◇弁才瞳(べんざいひとみ)・・・歌舞伎版ではお嬢吉三 =岡本玲
◇弁才三郎(べんざいさぶろう)・・・瞳の父でキレ者ヤクザ =山本亨
◇奈良郷統介(ならごうとうすけ)・・・三郎の相棒ヤクザ =若杉宏二
◇矢部野晶(やべのあきら)・・・歌舞伎版ではお坊吉三 =森優作
◇矢部野光男(やべのみつお)・・・不器用ヤクザ =ラサール石井
◇竹野克哉(たけのかつや)・・・光男の舎弟ヤクザ =伊藤公一
◇行山由香子(いくやまゆかこ)・・・光男の女房 =村岡希美
◇人形師(にんぎょうし)・・・舞台となる古いホテル鯨楼の老支配人 =大久保鷹
◇人形(ひとがた)・・・鯨楼の従業員 =那須凜
<公演概要>
KAAT神奈川芸術劇場プロデュース
『湊横濱荒狗挽歌〜新粧、三人吉三。』
(みなとよこはまあらぶるいぬのさけび〜しんそう、さんにんきちさ。)
作:野木萌葱
演出:シライケイタ
美術:松村あや 照明:横原由祐 音響:徳久礼子 衣裳:藤田友
ヘアメイク:谷口ユリエ アクション:渥美博 演出助手:森菜摘 舞台監督:足立充章
出演: 玉城裕規 岡本玲 森優作 / 渡辺哲 山本亨 ラサール石井
村岡希美 大久保鷹 筑波竜一 伊藤公一 那須凜 若杉宏二
公演日程:2021年8月27日(金)~9月12日(日)KAAT神奈川芸術劇場〈大スタジオ〉
詳細は決まり次第KAAT神奈川芸術劇場のWEBサイトにて。
公式HP:https://www.kaat.jp