二兎社公演45『鷗外の怪談』2021年11月12日より再演!

永井愛近年の代表作の一つであるこの作品を出演者を一新して上演!

現代では文豪として知られている森鴎外、だが、彼は実に多くの仕事をしており、多岐にわたる。軍医としての実績、陸軍省医務局長まで上り詰めており、さらに医事、文学等について啓蒙、批評、報道に努めた大ジャーナリストとしての仕事もあり、ドイツ美学の訳述と、美術審査の仕事もこなし、ヨーロッパ文学翻訳の業績、国家に責任をもつ立場からの、思想上、政治上の諸発言、晩年の歴史研究、日本の近代文学者の中でも類を見ない多面性。幼い頃から論語や孟子、オランダ語といった英才教育を施され、官立医学校に入学するためにドイツ語を習い、12歳の時に、2歳年を多く偽って、現在の東京大学医学部の予科に入学する。本科に進み、医学の勉強をする傍ら、文学を読み始め、漢詩や漢文に興味を持ち、和歌も作っていたという。陸軍の軍医部長として日露戦争に出征、40代で陸軍のトップにまで昇りつめる。一方で小説の執筆活動も続け、陸軍軍医としても小説家としても活躍するように。表現の自由を求める文学者でありながら、国家に忠誠を誓う軍人でもあるという、相反する立場を生きた鷗外。この『鷗外の怪談』(2014)は森鷗外を家庭生活の場からを描き、その内面の謎に迫った作品、ハヤカワ「悲劇喜劇」賞および芸術選奨文部科学大臣賞(永井愛)を受賞するなど、高い評価を受けている。
 永井愛近年の代表作の一つであるこの作品を、出演者を一新し、7年ぶりに再演。
 森鷗外役には、二兎社『ザ・空気 ver.2』(2018)で総理のメシ友である保守系全国紙論説委員を好演した松尾貴史をキャスティング。
幅広い分野で活躍する松尾貴史が、鷗外の二面性にどうアプローチするかが見どころ。また、当時としては破天荒な鷗外の妻・しげに瀬戸さおり、鷗外の前に何かと立ちはだかる母・峰に木野花、そして鷗外を権力の中枢に引き上げた親友・賀古鶴所に池田成志と、実力ある個性派俳優たちが集まり、さらに味方良介、渕野右登、木下愛華と、舞台・映像で活躍する若手俳優も二兎社に初登場する。
新たな発見を探求し、作品世界を深めて上演、再演ではあるが、単なる再演にとどまらない。

<公演概要>
[日程・会場]
<東京公演>
2021年11月12日(金)~12月5日(日) 東京芸術劇場シアターウエスト
(東京芸術劇場との共催)
<全国ツアー>
2021年12月16日(木)~2022年1月24日(月)
長野、山形、滋賀、兵庫、山口、静岡、豊橋、北海道で公演予定
[配役]
森林太郎…松尾貴史
森 しげ…瀬戸さおり 永井荷風…味方良介 平出修…渕野右登 スエ…木下愛華
賀古鶴所…池田成志 森 峰…木野花
[スタッフ]
作・演出:永井 愛
美術:大田 創/照明:中川隆一/音響:市来邦比古/衣裳:竹原典子/ヘアメイク:清水美穂
公式HP:http://www.nitosha.net