劇団四季の新作海外ストレートプレイ『恋におちたシェイクスピア』2018年6月22日より、自由劇場から始まり、京都、東京再演、福岡を巡演することが決まった。
この作品はディズニー・シアトリカル・プロダクションズとソニア・フリードマン・プロダクションズが製作したもの(原題:『SHAKESPEARE IN LOVE』)。アカデミー賞7部門を受賞したマーク・ノーマンとトム・ストッパード脚本による同名映画(1998年米国/1999年日本公開)をベースに、リー・ホールが舞台脚本を手掛け、2014年7月より翌15年4月まで、英国ウェストエンドにて上演されて高い評判をとった舞台、なお今回の四季での公演は、この舞台脚本を用いたノンレプリカ公演となる。
名作「ロミオとジュリエット」の誕生に、若きシェイクスピアの道ならぬ恋が大きく関わっていたとしたら? ストーリーには、フィクションと事実が巧妙かつ周到に織り交ぜられ、作品誕生秘話に説得力を与えており、登場人物の多く(ヒロイン ヴァイオラを除く)が実在する人物であり、イギリス演劇が大きく発展したエリザベス王朝を時代背景に描かれている。 またシェイクスピアの他戯曲の台詞をさりげなく登場させるなど、ストッパードならではのシェイクスピアをめぐる引喩やジョークが随所に散りばめられた脚本になっており、映画を観たファンはもちろん、演劇ファンにも楽しみな作品だ。
劇団四季ではシェイクスピアの作品では「ハムレット」「ヴェニスの商人」「から騒ぎ」「ロミオとジュリエット」「ヘンリー4世」「お気に召すまま」を上演してきており、トム・ストッパード作品は「ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ」「ほんとうのハウンド警部」を上演している。
注目の演出は巧みな会話劇が得意な青木豪が手掛ける。音楽はボーダレスな活動をしている笠松泰洋、翻訳はシェイクスピアの全訳に取り組んでいる松岡和子、一流のスタッフが集結した。
<ストーリー>
エリザベス王朝の時代。上流階級の貴族たちが演劇を観る芝居熱が花開いていた。当時のロンドンには二つの芝居小屋があり、北部の「カーテン座」劇場は、ナンバーワンの人気役者リチャード・バーベッジが出演し、大盛況。他方、フィリップ・ヘンズローがテムズ河対岸に建てた「ローズ座」は、客が入らず資金難で閉鎖寸前であった。
ヘンズローは、作家ウィリアム・シェイクスピアの次の新作を収入のあてにしていた。しかし、肝心のシェイクスピアはスランプの真っ只中で、まだ台本も完成していないのに出演者オーディションが始まってしまう。
そこにトーマス・ケントと名乗る青年がやってくる。実はケントは、資産家レセップス卿の娘、ヴァイオラの男装した姿。女性が舞台に立つことは公然猥褻罪にあたるとされていた時代だった。演劇を心から愛するヴァイオラは、課題のモノローグを完璧に演じて見せ、シェイクスピアはその才能に気付く。ケントを追ってレセップス卿の館まで来たシェイクスピア。ヴァイオラは本来の女性の姿に戻っていた。そうとは知らないシェイクスピアは、一目で恋におち、館のバルコニーの下から愛の言葉を投げかける。
ケントがヴァイオラの仮の姿だとは気付かぬまま、シェイクスピアは新作の稽古を開始。ヴァイオラと出会ってから、筆が進み、稽古にも熱が入った。主役ロミオを演じるのは、ケント。指導のためにロミオ役を演じるケントとキスシーンを演じてみせるシェイクスピアは、ケントの激しく熱いキスに驚かされる。
しかしヴァイオラはまもなく、許嫁であるウェセックス卿と結婚しなくてはならなかった。別れの手紙を受け取り、レセップス卿の館までやってきたシェイクスピアは、ケントがヴァイオラであることを知る。燃え上がる二人。その後も人目を忍んで愛を育み、やがて二人の恋のかたちが「ロミオとジュリエット」のストーリーを創り上げていった。
稽古が終盤シーンまで来たある日、ケントが女性であることが発覚してしまい、演劇嫌いのティルニー宮内長官から劇場閉鎖を命じられてしまう。ヘンズローは上演を断念するが、ライバルであるカーテン座の協力により、作品はいよいよ上演の日を迎えることに。
同日、ウェセックス卿とヴァイオラの結婚式が執り行われた。ヴァージニアへと出発する直前、ヴァイオラは一目芝居を観たいと、カーテン座へと逃げ込む。そこでは、ジュリエット役を演じる青年が急に声変わりをして声が出なくなるという緊急事態が発生していた。急遽ヴァイオラがジュリエット役を演じることに。
【公演概要】
東京初演
◇公演日程: 2018年6月22日〜
8月26日までチケット販売中。
◇会 場: 自由劇場
京都公演
◇公演日程: 2018年9月開幕予定
◇会 場: 京都劇場
東京再演
◇公演日程: 2018年10月開幕予定
◇会 場: 自由劇場
福岡公演
◇公演日程: 2018年12月開幕予定
◇会 場: キャナルシティ劇場
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