音楽芸能分野の名門校・綾薙学園に通う生徒たちの奮闘を描いた、テレビアニメ「スタミュ」。
第 1 期のストーリーをメインに描き、大好評のまま幕を閉じた第 1 弾『ミュージカル「スタミュ」』の続編である今作、OVA を主軸にオリジナルエピソードを交え、彼らのその後を描く。原作でおなじみの楽曲はもちろん、新曲や初披露となる 衣裳にも注目!公演チケットは完売につき、7 月 11 日(水)東京千秋楽は当日ディレイ配信が、7月 22 日(日)大阪千穐楽はライブビューイング上映が決定している。また、10月には新作OVAも発売、来年の2019年にはアニメ第3期の制作が決まっている。
幕開きは雨の音、この物語の主軸である星谷悠太が傘をさして登場する。彼がミュージカルを志したきっかけ、アニメ第1期でも語られているが、土砂降りの中、一人、踊る高校生、その姿に感動し、「いつか一緒に」という思いで綾薙学園にやってきた。その思いを忘れずにいる悠太、そして出会った仲間やライバル、先輩。いつしか時は過ぎ、季節は巡る。卒業式とは別に卒業セレモニーが三学期に控えている。現華桜会が華桜館を去る日、教え子であるスター枠のチームが感謝を込めてパフォーマンスを披露する『最後の晴れ舞台』。それに向けて稽古・・・・・・しかし、華桜会から追放された鳳樹が率いた“元team鳳”は参加資格がない。それでも先輩を送り出したい!そこで星谷たちは・・・・・というのがだいたいのストーリー。
前作より歌唱の場面も増え、全体としてショーアップ。心情や状況をミュージカルナンバーに乗せる、というミュージカルの王道、前作を観てない観客のために過去のエピソードも所々に挟み込む。卒業、出会いがあれば別れがある。スターを目指す若者たち、誰もが個性的で純粋、夢を追いかける。前回はチーム毎の絡みであったが、チームや学年の枠を超えた心の通い合い、そういった場面を歌とダンスで綴る。また階段のセットを動かして心と心が交錯しあい、共鳴しあうところを表現するシーンもあり、こういったところは舞台ならでは。
優等生的なteam柊、メンバー同士、ちょっと反目しあったり、ショーの演目もなかなか決まらずに思い悩み、迷うところもあるが、それだけ成長した証拠。そんなドラマもじっくりと見せる。そして星谷悠太はあの土砂降りの公園で一人踊っていた高校生が誰なのか、きっと卒業してしまうという思いでその正体を突き止めようとするが・・・・・・。
2幕の最後の方は卒業セレモニーのシーン、2つのチームのショー場面、客席はその卒業セレモニーの観客席となり、虚と実が渾然としたシーン、パフォーマンスがよかったなら大きな拍手を送りたい。
そのパフォーマンスが終わり、いよいよ別れの時が来る。先輩が後輩一人一人に贈るメッセージは温かく、そして勇気を与える言葉と愛に溢れている。後輩の成長、そしてそれを見守る先輩もまた、多くのことに気づく。ただただ、良い生徒に仕立てあげるのではなく、個性や彼らの想いを尊重することが大事なのだと。
キャラクターの成長もさることながら、演じている俳優陣も昨年と比較すると格段にレベルアップ、しかし、その分、ハードルも高くなる。セットも俳優陣が動かすが、これもスムーズ、そういった段取りも多く、覚えることもたくさんあったと思う。
そして悠太が探していた「あの人」は結局、誰なのか、突き止めることができたのか、といったことを考えるのは野暮というもの。彼はかけがえのないものを見つけることができたのだから。10代の多感な季節の煌めき、ダイヤモンド、とまではいかなくても負けないくらいの輝き、「スターダスト」という言葉が出てくる。星くず、でもその光は個性に満ち溢れている。
なお、ゲネプロ前に囲み会見があった。登壇したのは、杉江大志、 山中翔太、 ランズベリー・アーサー、 鈴木勝吾、 新里宏太、 丘山晴己。
新里宏太は「わくわく、楽しみ」とコメントしたが、単純に考えても歌あり、ダンスあり。キービジュアルの通りな「わくわく」なのであろう。山中翔太は「爆発的に表現していきたい」と語ったが、勢いのあるパフォーマンス、杉江大志も「戻ってくることができた!みんなで力を合わせて!」とコメントしたが、物語の設定もチームの結束力が必要、仲間の力を信じる、といったことが強調されている。ランズベリー・アーサーは「仲良くなったからこそ、(それが)芝居にも影響していると思います」と語る。このあたりも虚と実がシンクロするところであろう。鈴木勝吾は「全力で!」と言い、丘山晴己も前作を踏まえて「いい雰囲気で始められる」と語る。見所については「ライブ感」(新里宏太)、「チームの垣根を越えてストーリーもキャラ同士の新しい絡みもあります」(山中翔太)、「先輩の卒業」(杉江大志)などのコメントが出たが、ここは確かに注目ポイント。さらに「前回は“陽”、今回はダークなところも。1年越しでみんなが揃うっていうのは!」(丘山晴己)とコメント、1年経って様々なタイプの舞台を経験し、皆、一回り大きくなっての再会、芝居も昨年より引き締まった感もある。
また、季節柄、猛暑ということで「夏負け防止」についての質問については個性的な回答、「冷房つけない」(新里宏太)、「鍋!」(杉江大志)、「冷房」(丘山晴己)。最後に杉江大志が「お客様が温かいんですが、それに甘んじずに、カンパニー全員、たくましくなっています。この姿をご覧になっていただけると思います!」と締めて会見は終了した。
【公演概要】
公演日程 :
<東京>2018 年 7 月 4 日(水)〜11 日(水) 日本青年館
<大阪>7 月 20 日(金)〜22 日(日) 森ノ宮ピロティホール
出演者: 杉江大志、山中翔太、ランズベリー・アーサー、新里宏太
櫻井圭登、北川尚弥、丹澤誠二、星元裕月、滝澤諒、釣本南、TAKA
畠山遼/高野洸、鈴木勝吾・丘山晴己
原作: ひなた凛
脚本: ハラダサヤカ
演出: 吉谷光太郎
振付: ただこ
主催: ミュージカル「スタミュ」製作委員会
公式 HP : http://star-mumu.com/
公式Twitter:https://twitter.com/star_mumu( @star_mumu)
(C)ミュージカル「スタミュ」製作委員会
文:Hiromi Koh