新国立劇場 2021/2022シーズンバレエ開幕公演『白鳥の湖』10月上演

シェイクスピア劇のような重厚感が加わったドラマティックな展開、説得力のあるストーリーとキャラクター設定で魅せる、不滅の傑作『白鳥の湖』、いよいよ上演!

2021/2022シーズンのオープニングは、古典バレエの名作中の名作『白鳥の湖』で開幕する。本作品は吉田都舞踊芸術監督の就任第1作目として2020年10月の上演予定であったが、新型コロナウイルス感染症の諸影響により延期、2021年10月の上演。サー・ピーター・ライトによるプロダクションは、演劇的要素が盛り込まれた重厚な作品、各キャラクターの人物造形も明確、ドラマティックな展開。

クラシック・バレエのアイコニックな作品として有名な『白鳥の湖』。王子と姫の恋、それを邪魔する悪役、そして情景 を美しく表現するコール・ド・バレエというクラシック・バ レエの基本要素が凝縮され、バレエ団としての真価が問われ る作品。白鳥のオデットと黒鳥のオディールの二役を一 人のダンサーが踊るのも『白鳥の湖』の大きな特徴で、主役 ダンサーの性格の違う二役を踊り分けるテクニックと表現力は注目。
また、チャイコフスキーの叙情的な音楽は「情景」「四羽の 白鳥の踊り」など有名な曲も多く、耳にしたことがある方も多いはず。
そうしたクラシック・バレエの王道の魅力に加えて、ピータ ー・ライト版では演劇的な要素が加わり、まるでシェイクスピア劇のようなドラマティックさが際立つ内容、フィリップ・プラウズによる重厚感のある美術・衣裳、観客をさらにその世界観へと没入させる。
ピーター・ライト版ではプロローグ冒頭、なんと王の葬儀の シーンから物語がスタート。このように、王子をはじめとするキャラクターたちの置かれた状況や設定が論理的 に示され、それぞれの心理描写も緻密に表現。 3幕の宮廷の舞踏会、王子の花嫁候補たちの踊りも独特な演 出のひとつ。民族舞踊の群舞だけでなく、3人の花嫁候補が ヴァリエーションを踊り、各々が国を代表してやってきたと いうストーリーがしっかりと見える演出に。 その他、4 幕のそれぞれが意思をもった白鳥たちのドラマテ ィックな群舞や衝撃的なラストなど、見どころ多数。

<舞踏芸術監督:吉田都より>
この度、満を持して新制作の『白鳥の湖』を上演できることを嬉しく思います。新型コロナウイルス感染症の影響により、2020年10月上演予定から延期となりましたが、バレエ団のダンサーたち と関係を築きながら1年間歩んでまいりましたので、より良いものをお見せできると確信しております。
今回のピーター・ライト版の『白鳥の湖』は、英国でも長年上演され愛されている、特別な作品です。ドラマ性が際立つ演出で、バレエ団を演技の面でも引き上げてくれるものと思います。私自身もコール・ド・バレエから主役まで、あらゆる役を経験しましたが、どんな役も一人ひとりが役割を持って存在しているとてもロジカルな演出で、ダンサーたちも演技に自然と入りやすいのではないかと期待しています。
このような状況下ではありますが、だからこそ観に来てくださるお客様には夢心地になるような、上質の舞台をお届けしたいと切に思っております。ぜひ劇場にて、非日常の世界をお 楽しみいただけましたら幸いです。

<概要>
令和3年度(第76回)文化庁芸術祭主催公演
新国立劇場バレエ団『白鳥の湖』<新制作>
Swan Lake
日程・会場:2021年10月23日〜11月3日  新国立劇場 オペラパレス
芸術監督:吉田都
振付:マリウス・プティパ/レフ・イワーノフ/ピーター・ライト
演出:ピーター・ライト
共同演出:ガリーナ・サムソワ
音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
美術・衣裳:フィリップ・プロウズ
照明:ピーター・タイガン
指揮:ポール・マーフィー/冨田実里
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
出演:新国立劇場バレエ団
公式HP:https://www.nntt.jac.go.jp/ballet/swanlake/