明治座にて『令和千本桜~義経と弁慶/コロッケものまねオンステージ 2021』が開幕した。
第一部の芝居『令和千本桜 義経と弁慶』は平安時代末期を舞台に、弁慶（コロッケ）と義経（七海ひろき）の出会いから終焉までの物語を“令和版”と銘打ち、現代的な歌や踊りを取り入れた演出。第二部『コロッケものまねオンステージ2021～40周年鉄板ネタ大放出！～』では芸能生活40周年を記念して「コロッケと言えば、あのものまねでしょ！」と言われるような、誰もが納得する鉄板ネタをまとめて大放出。「七海ひろきスペシャルステージ」では、ものまねとは別の演目で、ステージをさらに！！また、千秋楽は配信も決定！劇場に行きにくい、遠いという方はこちらで楽しめる。
前説はコロッケと七海ひろき、楽しい前説なので、早めに客席に入ることをお勧めしたい。
第一部は、日本人なら誰もが知ってる弁慶と義経の出会いから別れまでを描く『令和千本桜~義経と弁慶』。セリフが響く、「この薙刀が目に入らぬか！」「はははは」「この小童め！」武蔵坊弁慶、自分は絶対に強い、揺るぎない自信。そこへかなり年若い男、ぱっと見10代、しかし、見目麗しく華やかないでたち、牛若丸、のちの源義経！冒頭から、クライマックスのような派手な場面。ロック調の音楽、七海ひろきがロック歌手のようにシャウトする。牛若丸が身軽に五条大橋を跳んで、弁慶の薙刀をかわす、有名なシーン、ここをフライングで！しかも歌いながら！！七海ひろき演じる牛若丸、身のかわし方がかっこいい！！対する弁慶は我らがコロッケ、髪が金髪、ラメ入り、薙刀を振り回す。そして時々、コミカルに。弁慶は敗れる、そして牛若丸の家来になるとその場で誓う。
物語の展開も顛末も先刻承知。弁慶の他に若い４人の義経の家来。４人のほのぼのシーンも楽しく、ここは一服の清涼剤的な場面。女の子相手にワチャワチャと。そこへ弁慶がやってくる。お笑いシーン、そんなコロッケらしい笑いを随所に挟み込む。お約束っぽいギャグでズッコケ、客席から笑いが。そこへ義経がやってくる、彼を中心にチームワークばっちり！
そんな時に頼朝が兵を挙げるという知らせが届く。「兄上に会いたい」と。兄弟の出会い、頼朝の歌、弟を想う心。そこから義経も加わり、二人の歌、ここは聴きどころ。戦い、展開の早い殺陣、コロッケが、七海ひろきが！縦横無尽に！主に2.5次元舞台で活躍の高橋健介、蒼木陣、日向野祥、さすが、慣れてる！ここも見どころ。
静御前と義経の出会い、義経は「私は幸せ者だ」と言い、弁慶は「あの世まで付き従う覚悟でございます」と返す。しかし、そこから不穏な流れに。兄・頼朝は義経を討つ決心をする。歌舞伎で有名な勧進帳のシーン、シリアスな場面だが、細かい笑いもちょこちょこと。頼朝の前で舞を披露する静御前、そしてよく知ってる怒涛の展開、彼らの最期。テンポよく進む。
コロッケの弁慶が、ハマリ役で、大河ドラマなどで描かれている弁慶像にコロッケ流のスパイスを加えて、人間味あふれる弁慶に。対する義経は、ひたすらかっこよく、それでいて”漢”、これならみんなついていく、という納得の姿。
彼らを取り巻く４人の武将、静御前、源頼朝ら、全員に見せ場。特にラスト、もう皆、解っているが、全力を尽くして戦うも多勢に無勢、散っていく様は儚く、切ない。ところどころに語り部を差し込んでわかりやすくしており、演出面での工夫も。脚本・演出は堤泰之、上演時間は約75分。
休憩を挟んで第二部は『コロッケものまねオンステージ2021～40周年鉄板ネタ大放出！～』。まずは映像、楽屋の様子から、それも随所にギャグ、それから登場、のっけから早変わりでモノマネショーが始まる。♪カーモンベイビー、アメリカン♪と即踊って歌って！“前菜”にしてはボリューム感たっぷり、一気に３曲。ちょっとトーク、次は一気に11曲、選曲はシニア向け、懐かしい歌謡曲、テレビで見たことのあるコロッケのモノマネだが、生で観ると…その凄さと面白さに圧倒、沢田研二、和田アキ子、近藤真彦、田原俊彦、美川憲一etc.シニア世代には懐かしい歌手、そして楽曲が、もうこれでもかと繰り出される。
ノリの良いMCが場を盛り上げる。ここでコロッケショータイムはちょっとお休みして、雰囲気はガラリと変わり、七海ひろきのショー！客席からペンライトがちらほら、とにかくさすがの身のこなし。
このショーが終わってコロッケ登場、七海ひろきとのトークタイム。コロッケは七海ひろきの顔を見るや否や「顔、ちっちゃ！」。しゃべりながら、何気にコロッケ、七海ひろきのマネをするが、それがそっくりで笑える。ここは必見。
それからファンにとってはおなじみの『ひろきのスタイリッシュ体操』の時間。Youtubeで視聴できるそうであるが、これを客席のお客様と舞台上のコロッケと共に！座っている姿勢が長いので、丁度良い感じ。それから、何とコロッケも体操を披露、こちらは『武田鉄矢体操』、主に首の体操。海援隊の『贈る言葉』に合わせて（笑）。ここで七海ひろきがはけて、再び、コロッケ一人に。40年前にやったネタを披露、小道具はやかん（激熱という設定）、やかんを触って「あちょー、あちょー」これが抱腹絶倒！ちょっとトークを挟み、そこからトントンと。
長渕剛やら玉置浩二やら、もうたっぷり。持ちネタの量がすごい！さすがのコロッケ、体の動きのみならず、顔の！表情が！お約束のアンコールも！早変わりで美空ひばりなど、次々と。最後はお芝居で出ていたキャスト一同が揃いのハッピで登場し、北島三郎（鉄板！！）で締めた。とにかく充実しまくった公演であった。
初日が終わり、合同取材会が行われた。登壇したのは、コロッケと七海ひろき。
コロッケは「幕が開いて嬉しい、緊急事態宣言も解除されて、お客様も心のゆとりが…去年150本もキャンセルになりました。こうやってできることが…感無量です」と挨拶。七海ひろきも「この中で無事に開く、でも、どうなるかわからない、ちゃんと対策をして…でもお客様がニコニコしててうれしかったです」と笑顔。この二人は初共演、お互いに印象については「ひたすら、かっこいい！稽古場でも。僕はみんなと話すのに時間がかかるのですが、七海さんはすぐに。お芝居は、義経と弁慶、映画のような照明で、衣裳も2.5次元のようなラメ入りで」とコロッケ。七海ひろきは「ちょっと怖いんじゃないかと思ったのですが、初めて会った時から心が広くって、話しかけてくださって。面白かったモノマネは『あちょーあちょー（熱いやかんを触ってブルース・リーのような声を出す）』（笑）、生で観れて感激しました。モノマネですか？（自分は）ないです」と七海ひろき。しかし、モノマネネタがないと言いつつ、実は…というのが…。「アザラシが好きで〜」と言いつつ、ジェスチャー付きで！あまりのことにコロッケも関係者も記者席もびっくりぽん！！「十分ですよ、予想外！」とコロッケ叫び、負けじとオットセイのマネをするコロッケ。またフライイングのシーンについては「人生初めて！めちゃめちゃ気持ちいい！！」と七海ひろき、コロッケは「もう２回目で形になって。体幹が違うんですね。芝居はやっててどんどん楽しくなる」といい、七海ひろきも「殺陣は宝塚でよくやってました。目と目の会話、コミュニケーションが大事」と語る。
そして改めて40周年ということで「もういろんな方にお世話になりっぱなしで。ペースは変えようとは思ってない、ふざけたままで。真面目なモノマネが流行っていますが、そこに入り込む気はないです。コロッケ流のを続けていきたい」ときっぱり。続けて「（モノマネで）怒られたことはないけど、目の前で嫌な顔をされたことはあります。怒るのはマネージャーさんかファンの方。美川憲一さんのはありがたくやらせていただいてます。福山雅治さんのマネはリクエストが増えていますので、リニューアルしようと。美川さんからは衣裳をいただいたり、指輪いただいたり…」としみじみ。40年の実績！！「明治座も７回目、いいのかな、と…今回は弁慶というとんでもない役をいただいた、今まで出したことのない声を出して『コロッケ、こういうこともできるんだ』ってね。義経は本当にかっこいいんですよ！また、今の殺陣は早いですね。（七海ひろきさん）シャキーン！って決めて！薙刀は大変でした」また、第二部のトークでもセリフ覚えの話題が出たが、「セリフ覚えが悪かった」とコロッケ。七海ひろきは「言葉遣いが難しくって」と苦労話も。そして気の早い質問、50周年に向けては「SNSとか使って外国狙おうかと。野望もあるので！あとはプロデュース業も、いろんなことをやりたい。50周年も必要とされる人でありたい」と語る。七海ひろきも「退団して、3年は経ちましたが、いろんなことに挑戦させていただきました。皆様に喜んでいただくのが一番！コロッケさんは真のエンターテイナーです！」とコメント。
最後にPR。
コロッケは「明治座に来てください！少しでも喜んでいただけるように日々、ネタを！絶対に後悔させません！」七海ひろきも「明治座に来てください！この状況下、精一杯、頑張りたい。見守っていただければ。配信もありますので！！」と力強く。
そしてコロッケが美川憲一のマネで「観に来てちょうだい！」で会見は終了した。
＜公演概要＞
令和千本桜~義経と弁慶/コロッケものまねオンステージ 2021
第1部 令和千本桜 義経と弁慶 脚本・演出:堤 泰之
出演:コロッケ 七海ひろき
高橋健介 蒼木陣 日向野祥 矢島舞美 上田堪大/川原一馬 (ダブルキャスト) 武岡淳一 吉永秀平 高木トモユキ 上脇結友 倉冨なおと 宮田龍樹 すわいつ郎
久永紗楽 北井里佳 千葉のぶひろ
第2部 コロッケものまねオンステージ 2021 ~40周年鉄板ネタ大放出!~ 出演:コロッケ
七海ひろきスペシャルステージ 出演:七海ひろき
企画・製作：明治座・ミキサー
日程：2021 年 10 月 9 日(土)~21 日(木)
開演時間：12:00/16:30 ※10 月 21 日(木)夜の部のみ 17:30 開演
会場：明治座
公式HP：https://www.meijiza.co.jp/info/2021/10-2/
撮影：岩村美佳
