NEWS 増田貴久主演 Only You ~ぼくらの ROMEO&JULIET~ ジャニーズ楽曲とシンクロ、元気MAXな青春物語

「フレンド ―今夜此処での一と殷盛り(ひとさかり)―」(作・演出:横内謙介)か ら 4 年ぶりの主演舞台となる増田貴久。彼が本作で演じるのは、閑古鳥の鳴く自主公演続きで、大学から公認が取り消されそうになっているミュージカル研究会に所属する大学生役。
シェイクスピア劇をミュージカルにするというアイディアでとりあえず学内の関門を抜けたもの の、公演での満席が必須となってしまった研究会。会の存続をかけ、なんと人気のジャニー ズ楽曲で「ロミオとジュリエット」をミュージカル化することを思いつくことから物語は始まる。 主演のロミオ役をあてがわれてしまう大学生・門田に、演技力、歌唱力の高さで定評のある増田貴久。他の部員たちとの軽妙なやりとりと並行し、ミュージカル版「ロミオとジュリエット」 が劇中劇の形で展開。時代を越えて愛される様々なジャニーズ楽曲をちりばめ、増田が存分に歌い、踊り、 さらに悲劇の青年“ロミオ”をも演じる異色の青春グラフィティだ。
劇場は・・・・・・そうグローブ座、もうこれ以上の場所はない!舞台セットも雰囲気に合った作りで上手と下手には、もちろん!バルコニー!

まずはミュージカル研究会らしく群舞で幕開き、勢いがあっていい感じ。会の存亡をかけてシェイクスピアの「ロミオとジュリエット」をやることに、ミュージカル研究会だから、もちろんミュージカル!ロミオ役は門田(増田貴久)に決定、「なんで、俺なんだ〜」と言う門田、自分で常々“いぶし銀のわき役タイプ”と言ってたので、ロミオ役にかなり困惑。しかも同級生の里依(二宮芽生)がノリで「ジャニーズの曲ってどう?」それに対して門田は「俺、ジャニーズの曲歌うの?恥ずかしいよ」とさらに困惑するが、この台詞を増田貴久が言う!素直に笑いたいポイント。しかし、うまくいかなかったら研究会が・・・・・・さあ、困った!同級生の塩見(長澤秀平 )らと共に、やるっきゃない!

研究会のシーンを挟みながら劇中劇が進行する。ここであらゆるジャニーズの楽曲が登場する。キャピュレット家とモンタージュ家の対立のシーンは「ブルドッグ」(フォーリーブス)、友人のマキューシオ(長澤秀平)が登場するシーンは「Top Of The World」(SMAP)、これが、場面とうまくシンクロする。戯曲の「ロミオとジュリエット」の全てのシーンが出てくる訳ではなく、いわゆる“ハイライトシーン”。よってロミオが運命の彼女、ジュリエット(二宮芽生)と出会う仮面舞踏会のシーンは・・・・・・もちろん!あの曲!「仮面舞踏会」(少年隊)、ここは「キター!」と単純に盛り上がるポイント。場面と歌詞がシンクロ、しかも「ロミジュリ」となかなか相性がいいのは新たな発見だ。

しかもジャニーズの楽曲は、普通は男性だけで歌うのだが、女性が入ることによって楽曲に変化が出てくる。バルコニーのシーンは「ハッとして!Good」(田原俊彦)だが、ロミオが「ハッとして」と歌えば「グッときて」とジュリエットが応える。なんたって一目惚れ、ロミオにとってジュリエットはまさに「天使」、明るく、なんとも可愛らしいシーンに。そして友人のマキューシオの悲劇、物語はさらなる悲劇に突入するが、誰でも知っているストーリーを湿っぽくならず、むしろカラッとしたテイストでジェットコースターのように進行する。

 

そしてラストは・・・・・・ちょっと甘酸っぱい「青春」な終わりかた。休憩なしの1幕物でおよそ1時間40分、楽しく、観やすく、肩肘張らずに笑うところは大いに笑い、ちょっと胸キュンな場面は登場人物と一緒にキュンとしてみよう。なお、客席通路を使用する場面もあり、一体感も。門田とロミオのキャラクターの落差、これがこの芝居の肝になるが、増田貴久がしっかり演じて頼もしい。二宮芽生もおキャンな里依と可憐なジュリエットの違いを楽しく演じている様子。長澤秀平は塩見とマキューシオ、キャラクターが柄に合っており、また歌唱力も高く、演技力もなかなか。中谷優心が先輩役とロレンス神父役で脇を固め、アンサンブル陣も元気で舞台いっぱいに歌い踊る、まさに青春!な空気感。「ロミジュリ」もぴったりだが、他のシェイクスピア戯曲でもトライして欲しい。劇場はもちろん、グローブ座で!

なお、ゲネプロ終了後に囲み会見があった。まずはフォトセッション。さっきまで舞台で歌って踊ってと全力演技終了後、増田貴久は「NEWSも15周年で、こうして主役をさせて頂き・・・・・・いよいよドキドキしてきた(笑)」とコメント。作品については「楽曲がリンクしていくところが合ってワクワクします。不安はなかったです」と語る。「ロミジュリ」の名場面とジャニーズの楽曲、この絶妙なマッチ感、さらに「『仮面舞踏会』は来るな〜!って(笑)」と笑わせた。そして「ジャニーズの曲ってイントロの強い曲がたくさんある」と語る。座組もいい感触の様子。そしてさらに「一人で歌ってみると難しい」と語る。普段はメンバーで歌うことが多い訳だが、ソロでの歌唱場面が多く、聴きどころとなっている。そして先輩、後輩が観劇しに来る可能性は、もちろん大いにある訳であるが「増田、頑張ってる、と」コメント。しかし「2回公演は厳しいな〜」と笑わせる。また嵐の松本潤や櫻井翔には知らせたそうで嵐の楽曲を歌うことに対して「歌ってくれるの嬉しいな」という趣旨の連絡が来たことを明かした。会見では時折、汗をぬぐっており「汗、引かないですね」と言いつつ・・・・・文字通り、汗かいて奮闘!出ずっぱり以上に歌唱シーン、ダンスシーンがてんこ盛り、唯一動かない場面は「毒を飲んで倒れるところ」と笑う。NEWSメンバーが公演を非常に楽しみにしているそうでメンバーの小山慶一郎が差し入れをくれたそう(団子)。そして15周年に触れ、グループとしては「成長できた部分を見せられたら」とコメント。そして最後に「1か月、この『Only You ~ぼくらの ROMEO&JULIET~』、ジャニーズの楽曲の良さ、本の良さ、『ロミオとジュリエット』のコラボレーションの良さ!観に来てください!」と締めて会見は終了した。

<あらすじ>
とある大学のミュージカル研究会。いま研究会は、自主公演の客足の鈍さとメンバーの減少などにより、大学の公認を取り消さ れそうになっていた。演劇系サークルを統括している教授の前で「シェイクスピア劇でミュージカルを!」と幹部がぶち上げ、なんとか 首の皮一枚でつながったものの、次回作での満席が必須とされる中で、これが大きな制約になってしまう。しかも、そこで教授が希 望した作品が、あの「ロミオとジュリエット」。そもそもミュージカルではないシェイクスピア作品、しかもこれほど有名な若い男女の悲劇 をどのようにミュージカル化するのか、それで果たして劇場を満席にできるのか?
窮地に陥った部員たちが起死回生をかけて閃いたアイディアは、なんと世間の人気を集めるジャニーズ楽曲だけで全編を綴る、 異色のシェイクスピア劇「ロミオとジュリエット」だった!

【公演概要】
タイトル:Only You ~ぼくらの ROMEO&JULIET~
東京公演:
2018年7月12日(木)~8月4日(土)
東京グローブ座
大阪:
2018年8月7日(火)~8月9日(木)
森ノ宮ピロティホール
構成・脚本・演出:佐渡岳利(NHKエンタープライズ)
出 演:増田貴久
二宮芽生 中谷優心 長澤秀平
浅川文也 石井裕貴 斎藤准一郎 竹内秀明 玉熊明日香 ダンドイ舞莉花 服部 悠 廣瀬真平 三上竜平 山口真由 吉田 繭
制作協力:ジャニーズ事務所
主催・企画製作:東京グローブ座
公式サイト:http://www.onlyyou-stage.com

文:Hiromi Koh