製作発表時から大きな話題を呼んだ舞台「擾乱 THE PRINCESS OF SNOW AND BLOOD ~陽いづる雪月花編~」。アニメ、コミック、そして舞台と総合メディア・ミックス。アニメの物語の前日譚なので、舞台だけのオリジナルストーリー。28日より開幕。
字幕で『明治64年秋』と出る。徳川慶喜が統治する日本。映像で、この明治64年の東京が映し出される。江戸時代の街並みも残り、ちょっとエキゾチックな空気感。男2人登場、あっという間に警察に捕まる、というただならぬ出だし。そしてすぐに違う場面、女子高生風な二人、袴をはいている。一人は徳川慶喜の孫娘。そこへ黒いマントの男が!あっという間に襲われて!捕まる!「誰か助けて!!」の声も虚しく…。
それからオープニング、アニメのオープニング曲、アニメを視聴していれば、テンションが上がる瞬間、キャラクターが次々と登場し、タイトル、アクション!アニメが舞台に飛び出した格好。それから本格的に物語が始まる。
雪村咲羽(三森すずこ)と浅陽(伊藤彩沙)の食事のシーン。うつむいている浅陽、「味噌汁、冷めるわよ」と雪村が言うも、全く手をつけない。そして席を立つ浅陽、心を閉ざしたまま。そこへ「ごめんください」と。雪村咲羽は家を出る。
雪村、月城真琴(蒼井翔太)、花風エレーナ(Raychell)、鵺(ぬえ)の統治者である葛原仁(小林親弘)から呼び出しを受ける。謎の事件、墓地から遺体が盗まれる、その調査を月城に命じ、また、徳川慶喜の孫娘・徳川暁子(富田麻帆)が誘拐されたという。遺留品があり、”青龍会”のものであると判明。雪村と花風は敵対しているものの、徳川暁子奪還のため、青龍会に入会者として潜入することに。
拠点は廃船、映像で映し出される、幽霊船のような雰囲気の船だが、中に入るとなぜか明るい。信者たちは嬉々としている。そこへ青龍(凰稀かなめ)が現れる。教祖らしく、存在感もあり、華もある。堂々とした立ち振る舞いに信者たちは盲目的に信じている様子、しかも名前で呼ばずに番号で呼ぶ。一番の信者は「壱」。青龍は雪村が家族を殺された過去をいいあてるが、雪村は認めない。青龍は雪村を幽閉。その時、別の場所では月城が徳川慶喜に刀を向けた男を捕らえた。その男は、なんと青龍会の信者であった。
二つの事件が交わる、徳川暁子は無事なのか、青龍は何者なのか、そして雪村の家族を殺害した蛇埜目は?ドラスティックに動くストーリー、潜入先で、雪村と花風は行動を起こす、そして月城も、青龍会へ。怒涛のような展開、それを後押しするかのような映像演出、特にバトルシーンは圧巻で、アニメでは、普通の人間技とは思えないバトルだが、ここを舞台ではどうするのか、映像演出に長けたヨリコジュン、アニメの迫力にライブならではのリアルを掛け算、ダイナミックに!映像のエフェクトと生身の人間のアクションの融合場面もあり、数々の2.5次元を手がけたヨリコジュンらしい演出が随所に。また、声優陣、アクションでは大奮闘、三森すずこは着物を着ての難しいアクションに挑戦、足を広げることができないので、ともすればバランスを崩してしまいがちだが、華麗な着物の裾さばきを見せてくれた。また、蒼井翔太はマントを翻してのアクション、Raychellはホーガンをぶっ放す!!スピード感あふれるシーン、スローモーションでじっくり見せるシーン、その緩急のつけ方で殺陣を見せる。
葛原仁役の小林親弘は出番は少ないが、渋くてよく通る声で存在感を。浅陽役の伊藤彩沙も登場場面は少なめだが、寂しげな表情で冒頭に登場、雪村との心の距離を表現する。青龍演じる凰稀かなめ、多くの信者がいる、という設定、1幕では懐の深そうな教祖様っぽく、信者に優しい言葉をかけ、2幕ではその本性が(かっこいいが怖い)!凰稀かなめの立ち姿は絵になるし、立ち回りも決まっており、さすがの元宝塚トップスター。最後はどうなるのか、ラストシーンはアニメ冒頭につながるので、アニメを視聴していたファンなら、なんとなく察しはつくかもしれないが、アニメはまだ…という方は、オチはお楽しみに。
<インタビュー記事>
Raychell 「これまでの人生でもやりがいのある作品です」 舞台「擾乱 THE PRINCESS OF SNOW AND BLOOD ~陽いづる雪月花編~」 花風エレーナ役
<イントロダクション>
時は、明治64年。
舞台は、徳川慶喜が絶対権力を維持し続けている、もう一つの日本。
国家は、独自のエネルギー源、”龍脈”を整備し、江戸時代と科学が混ざり合う、独特な発展を遂げた。街は明治時代の文化の色を残しつつも、科学技術と陰陽道の発展が進み近未来的な雰囲気を醸し出していた。
しかし、そんな華やかな都市の裏で、
革命の炎をくすぶらせ、政権打倒を目論む、反体制派組織クチナワが、うごめく。
その駆除を任された、徳川政府の闇の処刑人組織、「鵺(ぬえ)」。
幼い頃、家族を殺された雪村咲羽(ゆきむらさわ)は、「鵺」の処刑人となり、その仇、蛇埜目を探し続けていた。
<公演概要>
公演名
舞台「擾乱 THE PRINCESS OF SNOW AND BLOOD ~陽いづる雪月花編~」
会場 明治座
脚本 堤 泰之
演出 ヨリコジュン
出演
三森すずこ 蒼井翔太 Raychell 伊藤彩沙 小林親弘
富田麻帆 相羽あいな 岩田陽葵(Wキャスト) 小原莉子(Wキャスト) 根岸愛
凰稀かなめ
主催 明治座、ブシロードムーブ、ブシロードミュージック、ブシロードクリエイティブ
運営/制作協力 クオーレ
制作 明治座
公演日 2021年10月28日(木)~11月7日(日)
開演時間 12:00/17:00
問合 明治座チケットセンター:03-3666-6666(10:00~17:00)
公式ホームページ https://joran.jp/
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