『心と地 – さ迷える愛・急』 劇団態変が現代の「愛」と向き合う三部作、完結編は宇宙へ!
<主催者より>
本作品『心と地 – さ迷える愛・急』で、態変は宇宙へその舞台を移します。 高度に発達した資本主義は留まるところを知らず、人間までもその支配下におくようにせせら笑い、 誰にも止められない得体のしれない驚異となっている近未来を予見します。 人類の行く末は? 強化される管理社会で人の心はどう人間らしさを保つのか? そして地球を汚すだけ汚し、奴隷労働のゴミ溜めに地球を陥れ、自分たちだけ宇宙へと新境地を拓い ていくのは人間なのか、あるいは得体のしれない資本主義の実態なのか。顔のない存在が絶妙に絡み 合い、態変独自な宇宙が立ち現れる。
出口の見えないコロナの時代、どこか現実とつながっている SF の世界へと足を踏み入れその問いを 探り、身体で掘り下げる試みです。シリアスでどこか愛おしく、そして土着的ながら浮遊する ” 態変 身体 ” でこそ描ける、これまでにないSF作品としてお届けします。
[さ迷える愛シリーズ三部作(序・破・急)について]
1970年代。障碍者が社会に向かって「愛と正義を否定する」と叫ばざるを得ない事件がありました。 「愛」の名の下に障碍を持つ娘を親が殺した事に対し、社会は減刑を求めたのです。そして2016 年7月26日におこされた 19 名の殺人事件もまた、障碍者は「不幸」だから死なせてあげようとい う決めつけではなかったでしょうか。今も、愛は、さ迷い続けたまま。敢えてこれまで「愛」をテー マにすることを避けてきた劇団態変が今こそ、愛の探訪を為さねばと「さ迷える愛」シリーズに取り
組みました。
経済で図る愛の実態の『翠晶の城 ‐ さまよえる愛・序』(2018 年) 食を通し根源的な命に迫った『箱庭弁当 ‐ さまよえる愛・破』(2019 〜 2020 年) そして今作、破壊の手を宇宙にまで伸ばしていく人類の性(さが)を描いた『心と地‐さまよえる愛・ 急』でシリーズは完結となります。
<劇団態変について>
劇団態変は1983年の旗揚げ以来、主宰・金滿里の「身体障碍者の障碍自 体を表現力に転じ、未踏の美を創り出すことができる」 という着想に基づき、身障者自身が演出し、演じる劇団として活動する。
身体こそが身近にある小宇宙として捉えるとき、その姿態と障害の動きとを ありのままに晒すレオタードを基本ユニフォームに生み出される舞台においては、 不安定にも見える態変のパフォーマーの身体こそが一瞬足りとも同じでは ない宇宙への感応の表現としてある。 態変が表現する、ことは、 生命丸ごと を投げ出すということに近く、 生きる本能に目覚める身体性である。 それは命 の形、であり魂の表現なのだ。
一貫してのテーマは、 世界の人類史に於ける優生思想の価値観を、根底から転倒させるぐらいの身障者の身体表現、 である。 そうでなければ芸術の意味は無いとまでの強い自覚を持ち、 人間の身体に対する違う価値の提示を行なう舞台身体表現を目指している。
海外公演は、’92 年のアフリカ・ケニア招聘公演を皮切りに、エジンバラフェスティバル ・ フリンジ、 ベルン招聘公演、 ベルリン ・ シュツットガルト招聘公演、マレーシア・韓国では現地アーティスト、パフォーマーとの共同公演を実施、他多数。
平成 23 年度、 24 年度、 26 年度、 27 年度、 29 年度、 30 年度文化庁芸術祭参加
2017年 「劇団態変の世界 ー障碍者の 「からだ」 だからこそ」 (論創社) を上梓。
【Facebook】 https://www.facebook.com/taihen1983/
【Youtube】 https://www.youtube.com/user/gekidantaihen
【Twitter】 @imaju_taihen
【Instagram】 gekidan.taihen
<概要>
日程・会場:2021年11月12日〜14日 AI・HALL
作・演出・芸術監督:金滿里
演奏:中島直樹/コントラバス
音:かつふじたまこ
出演:
金滿里 小泉ゆうすけ 下村雅哉 向井望 渡辺あやの 池田勇人 田岡香織 熱田弘幸 山﨑ゆき
提携:伊丹市立演劇ホール