このプロジェクトは、山崎育三郎・尾上松也・城田優の3人が、2015 年ミュージカルでの共演を機に自分たちの感性で、オリジナル作品を製作したいという思いを共有し、3人の名前の頭文字から 「IMY」と名付け、2019 年より始動したプロジェクトの、第一弾 舞台公演がいよいよ開幕。
演出は、ミュージカル、ストレートプレイ、1 人芝居など様々な舞台で大活躍中の成河(ソンハ) が、本舞台で初演出。脚本は「あたらしいエクスプロージョン」で第62回岸田國士戯曲賞を受賞し、テレビドラマ「あなたの番です」の全話脚本の他、舞台、ミュージカルと各方面から大注目の福原充則。新しい挑戦をしたいというIMYからのオーダーにこたえ、福原が3話を書き下ろし、もう1話を城田が初めて脚本にチャレンジし、全4話のオムニバスで構成。
開演前から何となく始まる(笑)。チケットを購入しているなら、早めに席に着いておきたい。城田優と尾上松也の”前説”だが、第1話がオーデションの話「朝ドラオーデション」(脚本:福原充則)なので、オーデションの心得風に!携帯電話は電源から切る、帽子は取る、などの諸注意を楽しく、ユーモアたっぷりに話すので!ここは大いに笑いながらも、しっかりとチェックしよう。そしてスーッと第1話に入っていく。純一巻きの山崎育三郎(役名:ザキヤマ)が登場、テレビ局のディレクターか、もしくはプロデューサーか、そう言った風情。
女優を伴って!大きなりぼんにワンピース姿の!キムラ緑子!ラブリーな格好で、しかも新人女優・木村魅(T_T)という設定。何かにつけて「新人なので」を連発。これが、3人を食ってしまいほどのキャラ立ちで抱腹絶倒モノだ。城田優と尾上松也に”お題”を出して!これも面白すぎて!ちなみにお題はTwitterでお客様から募集したもの。毎日変わるので!ゲネプロでは『動物園』『ゾンビ』など。何のオーデションなのか、もはやよくわからない状態で(笑)。
それから音楽。歌は清水美依紗、初舞台だそうで、会見ではリアルに手が震えていたが、この歌唱の場面になると!さっきまでの震えはどこかへ!圧倒的な歌唱力で拍手喝采!!!そして第2話へ。「Lateral thinking」(脚本:城田優)、
一転して薄暗くなり、閉じ込められた、という設定。会話から3人の関係性が見えてくる。謎解きの要素もあるので、ちょっとドキドキ。この第2話後半で皆本麻帆、清水美依紗が可愛らしい格好で登場して歌うのだが、二人ともキュート。
第3話はガラリと変わって”日常”、格安の居酒屋、赤提灯、手書きのお品書きが。生ビール片手にお喋り、よくある光景。生ビールをおかわり。ぐびぐび進む。服装で何となく彼らの職業が見えてくる。タイトルは「1996年の烏山明」(脚本:福原充則)烏山明、あの『ドクタースランプ』や『ドラゴンボール』で有名な漫画家。見ているうちに彼らのつながりが見えてくる。服装でも彼らがどんな職業に就いてるかなんとなくわかる。尾上松也だけパーカーを着ているところがポイント。
ここで居酒屋の店員さんが清水美依紗、出番は少ないがかなりのインパクトのある店員さん(笑)。ワイワイしてるところへ喝を!第4話へ行く前にバンド演奏、これが結構ゴキゲンなメロディ。第4話は、タイトルは「EXシアターのジャン・バルジャン」(脚本:福原充則)、ジャン・バルジャンといえば有名すぎるミュージカル『レ・ミゼラブル』を連想するが、ここはお楽しみ。何が飛び出すのか、とりあえず”笑える”ということで。
スタッフ・キャストが全力で客席を楽しませたいという思いがひしひしと。あいまい劇場其の壱「あくと」というタイトルなだけに其の弐も期待したい。
ゲネプロの前に会見が行われた。
山崎育三郎、尾上松也、城田優 皆本麻帆、清水美依紗、キムラ緑子、演出の成河が登壇した。
城田優は「いよいよ始まるんだなと。2015年からで約6年です」
尾上松也も「我々の普段の会話から生まれたアイディアが形になって。この作品をみんなが面白い、素敵なものにしようとしているのを見て感動しました。3人が言い出したことなので不安もありますが」と語る。城田は「あれこれ20年やらせていただき、この劇場に入って不安感、緊張に包まれています。今回は自分たちが面白いと思うものを、またくだらないと思ってもらっても。今、ようやく落ち着いてきて、すべてのジャンルのいいところを、見たことのないものを」と意気込んだ。さらに「それぞれ緊張はありました。今、ようやくいけそうな気が」とコメント。
オファーを受けたキムラ緑子は「稽古場が楽しかった。緊張せずに…成河さんがいろいろ言ってくださって、一つ一つ作っていきました。また3人の発想が素晴らしくって、稽古場がこんなに楽しいなんて、エチュードみたいで。3人の信頼関係がね。これを見れるだけでもいいし」と笑顔で。
演出の成河は「頼りない演出家ですが、一流のスタッフで、間違ったことを言っても許容してくれる場作り、助けてもらいながらやってます。僕が一番素敵だと思うものになっていると思います。毎日本気で泣いたり笑ったり」と語る。それを受けて城田優は「初演出とは思えない。僕より台本を深く掘り下げていて、むしろ気付かされます。無理をさせることなく、必ず『ありがとう』と言ってくださる」と語り、山崎育三郎も「すごい演出で感動、信頼できる」と大絶賛。尾上松也は「同世代の方の演出を受けるのは今までなくって。いろんな解釈、一つ一つ互いに納得しながらやっていけた」と満足そう。
皆本麻帆は「稽古場では楽しくのびのびと自由に!お三方が体当たりでふざけたことをやってるのがかっこいい、幸せです」と笑顔で語り、清水美依紗も「初舞台で右も左もわからない。どういう形で稽古場にいたらいいか…でも、不安を感じさせないように話しかけてくださったので、ここまで頑張ってこれた。初めてすぎて手が震えています(リアルに!)でも城田さんも緊張するんだって聞いて安心しました、頑張ります!」とちょっとドキドキな表情。
山崎育三郎は「98年でデビューして、オリジナルに思い入れがあります、一から作れたらいいなと。2人とは共演して意気投合しまして…今までにないものを作ろうと」と語る。さらに尾上松也が「我々が楽しいと思うものを…固定概念にとらわれずに純粋にやってみたいと思うものを、オリジナルを作ることにより、日本以外の方にも『観に行きたい』と思ってもらえるように、っていうのが元々の発想です」とコメント。城田優は「2人に支えられている、『IMY』の前から人としてリスペクトする部分もあります」と二人に大いなる信頼と尊敬を。そこから尾上松也も「自分にないものを2人が持っている。最終的に何がしたいか分かる、改めて一緒にやれてよかったなと。一緒にやることで何か違うものが生まれる」といい、山崎育三郎は「新しいものに踏み入れる力をみんな持っている」とさらに。尾上松也も「3人が揉めることはない。好み違いますが、2人が何か言ったら1人は合わせる、スムーズに進められた。画期的なこと、いい刺激を」と改めて3人のコンビネーション、調和を強調して会見は終了した。
<概要>
日程・会場:2021年11月20日~12月5日 東京都 EX THEATER ROPPONGI
脚本:福原充則、城田優
演出:成河
音楽監督:桑原まこ
出演:山崎育三郎、尾上松也、城田優 / 皆本麻帆、清水美依紗 / キムラ緑子
公式サイト:https://imytheater.com/
公式Twitter:@imytheater