あにてれ×=LOVE ステージプロジェクト「けものフレンズ」

 

 人気コンテンツ「けものフレンズ」がキャストを変えての上演。今回はフレッシュな顔ぶれ、あにてれ×=LOVE ステージプロジェクト「けものフレンズ」テレビ東京動画配信サービス『あにてれ』と代々木アニメーション学院×指原莉乃がプロデュースするアイドルグループ『=LOVE』とのコラボレーションによるステージプロジェクトが発足し、まずは『けものフレンズ』が上演された。今夏に『ガールフレンド(仮)』が舞台化されることも決定している。2017年、現役アイドル指原莉乃が自身の理想のアイドルをプロデュースするために、代々木アニメーション学院とタッグを組み、同校による「教育」を施した新しい「声優アイドル」として誕生した『=LOVE(イコールラブ)』。この12人が、両作品とのコラボレーションで、芝居あり、歌あり、踊りありのステージプロジェクトに挑戦する。

 アニメと同様、超巨大総合動物園「ジャパリパーク」が舞台である。2017年に初舞台化、2018年に再演されているが、それとは全く異なるフレンズ達の物語となっている。「自分を変えたい」と願うニホンオオカミ、オオウミガラス、オーストラリアデビル、シヴァテリウム、アリゾナジャガーが、リョコウバトの助言で「“お芝居”をすると、なりたい自分になれる」ということで、劇団を立ち上げることに……がだいたいのストーリーだ。

 ストーリーと『=LOVE』をリンクさせる、といった心憎い企画、彼女たちもまた、初舞台、声優アイドルグループではあるが、劇団的な要素もある。皆が一致団結して目標に向かう、スキルアップをする、このリアルな姿勢と物語のストーリー、ある意味、虚と実の入り交じったもの、観客は素直にキャラクターと本人たちそのものを応援したくなる。そこにこの舞台の“マジック”がある。最初は上手くいかないが、少しずつキャラクターが成長していく、そして舞台上のキャストもリアルに成長する。演出も客席でチラシを配る等、こういったアイディアは『=LOVE』への愛情表現にも受け取れる

 公演後、リーダーの山本杏奈は「みんな初日からアドリブがすごい!……千秋楽まで、どう変化して行くのか、成長できるように頑張ります」と語ったが、千秋楽までには大きく成長出来ているであろう予感がした。

 第2部は趣きはガラリを変わり、ライブ。ここはペンライト、団扇はOK、観客は全力で応援、客席の熱気と舞台上の12人の熱量が一緒になる。舞台上で歌い、踊る、とにかく元気いっぱい!ライブは短めの時間であったが、パフォーマンスは濃密、「これからやるぞ!」といった雰囲気でひたすら頑張る姿は感動的であった。

 なお、本番前に囲み会見があった。大谷映美里、大場花菜、音嶋莉沙、齋藤樹愛羅、齊藤なぎさ、佐々木舞香、佐竹のん乃、高松瞳、瀧脇笙古、野口衣織、諸橋沙夏、山本杏奈の全12名が登壇したが、皆、やや緊張気味な面持ち。

 ダイアウルフ役の山本杏奈は「『仲間を持つこと、これが大事』という台詞があります」と語り「12人の大切さがわかりました」とコメント。さらに「指原さんに『よかったよ』と言ってもらえるような千秋楽を」と語り、さらにニホンオオカミ役の高松瞳も「指原さんは存在、お名前からすでに心強い。指原さんが『日本一を目指そう』と言ってくれたので、それに応えたい」と意気込んだ。

 稽古中は皆で助け合った様子、そんな成果が舞台に現れ、荒削りではあったが、将来性を感じさせるステージであった。

 

【公演データ】

あにてれ×=LOVE ステージプロジェクト「けものフレンズ」

 

期間:2018年2月15日(木)~2月18日(日)

会場:AiiA 2.5 Theater Tokyo

けものフレンズプロジェクト

脚本・演出:川尻恵太(SUGARBOY)

=LOVE

リョコウバト:大谷映美里

オーストラリアデビル:大場花菜

ニホンカワウソ:音嶋莉沙

アリゾナジャガー:齋藤樹愛羅

ツチノコ:齊藤なぎさ

シヴァテリウム:佐々木舞香

ケープライオン:佐竹のん乃

ニホンオオカミ:髙松 瞳

オオウミガラス:瀧脇笙古

オーロックス:野口衣織

ディアトリマ:諸橋沙夏

ダイアウルフ:山本杏奈     (50音順)

<アンサンブル>
清水 彩
甚古 萌
馬場莉乃
原 彩弓

 

主催:ネルケプランニング Y&N Brothers 代々木アニメーション学院

 

公式サイト:https://www.nelke.co.jp/stage/anitele=love_kemono-friends

 

(C)けものフレンズプロジェクト / (C)あにてれ×=LOVE「けものフレンズ」製作委員会

 

文:Hiromi Koh