舞台「文豪とアルケミスト 捻クレ者ノ独唱(アリア)」が開幕した。
原作の「文豪とアルケミスト」は、人々の記憶から文学が奪われる前に、文豪と共に敵である“侵蝕者”から文学書を守りぬくことを目指す、DMM GAMESで配信中の文豪転生シミュレーションゲーム。舞台化第1弾は2019年に上演され、今作で第4弾となる。また、22年夏には第5弾の上演も決定している。なお、原作ゲームは21年11月に5周年を迎えた。第4弾の主演は徳田秋声役の赤澤遼太郎。尾崎紅葉役の玉城裕規、泉鏡花役の山﨑晶吾、川端康成役の正木郁はシリーズ初登場となり、第1弾にアンサンブルキャストとして出演した澤邊寧央が里見弴役で出演する。太宰治役の平野良、佐藤春夫役の小南光司、国木田独歩役の斉藤秀翼は前作に引き続き出演する。
幕開きで最初に登場するのは、今回の主人公・徳田秋声(赤澤遼太郎)、独白、「僕がその時は…」意味深なセリフ、早速のアクションシーンが展開。舞台上は一気に「文豪とアルケミスト」の世界へ!武器を駆使しての大立ち回り。それから次々とキャラクターが登場、尾崎紅葉一門の再会。尾崎紅葉(玉城裕規)、今回登場する文豪たちの中で唯一の”江戸時代”、慶応3年生まれ。幸田露伴と紅露時代を築き、明治期の文壇に重きをなした。門下生には泉鏡花(山﨑晶吾)、田山花袋、小栗風葉、柳川春葉、徳田秋声など、ここでは泉鏡花と徳田秋声が登場する。また、里見弴(澤邊寧央)は泉鏡花に傾倒。
再会を喜び合う尾崎紅葉一門、その時、太宰治(平野良)が何か気配を感じる。なんと代表作である『金色夜叉』が侵蝕されてしまう。”先生の代表作”を守らねば!!門下生の泉鏡花、徳田秋声始め、文豪たちが立ち上がる。
この作品の主たる登場人物、間貫一と、寄寓先の鴫沢の美しい娘・宮の物語、結婚を誓い合った二人だったが、宮は、銀行頭取の息子富山唯継にみそめられ、美貌におごり、金に憧れて許婚をすてる。お宮を貫一が蹴り飛ばす、熱海での場面は有名だ。人間の弱い部分や欲望などを感じさせる物語、しかし、尾崎紅葉は病に倒れ、未完に終わっている。侵蝕、今回の舞台はそれだけでなく、人間関係も描かれている。泉鏡花は紅葉を敬愛する小説家・師として仰いでいるだけでなく、無名だった自分を書生として養ってもらったので、ほぼ崇拝といってもいいくらい、文壇では有名だった。そんな鏡花、ここでもかなりの崇拝ぶり!また、徳田秋声は地味で堅実な作風だったので、門下生4人の中では、影が薄い。よってことあるごとに”地味”という言葉が出てくるので、そんなところもチェックしたい。また自然主義的な技法を完成、島崎藤村、田山花袋と並ぶ大家となった。ここでは、しっかりと真実を見つめるキャラクターとなっている。
『金色夜叉』の侵蝕で、文豪たちはなぜ、侵蝕されてしまったのかを考える。どうしてなのか、そこは劇場で、配信で!
見どころは、殺陣、アクション、それぞれ武器を手に戦う。強烈キャラの太宰治は、ここでは”軸”ではないが、ことあるごとに登場し、コメディリリーフ的なポジションで笑いを誘う。もちろん、芥川賞へのこだわりは健在で、本作品では川端康成(正木郁)が登場、実は第一回の芥川賞の選評で太宰治とひと騒動あった。よって、太宰治の川端康成への態度は納得(笑)。そして”芥川賞選考委員コンビ”、川端康成と佐藤春夫(小南光司)のこと。また、尾崎紅葉の甘いもの好きエピソード、最中がでてくるが、1885(明治18)年創業の老舗「芝神明 榮太樓」の江の嶋最中は、紅葉が名付けた同店の看板菓子、もちろん、今でも買える!そういった細かいエピソード、やり取り、笑いは必見。
刺さるセリフも多い。「戦うことは自分が信じた真実を貫き通すこと」「真実を求め続ける」、実際に生きた文豪たちも、そういった視点で世間を世界を見つめ続け、作品を発表し続けてきた。「文豪とアルケミスト」で彼らの人間関係や作品を紐解いてみれば、舞台も俄然、面白さ倍増。文豪たちの戦いに注目したい。また、配信も決まっているので!また、サブタイトルの ”捻クレ者ノ独唱(アリア)”の意味も!
<オフィシャル舞台写真!!>
<キャストより>
[徳田秋声役 赤澤遼太郎]
コロナ禍においてまだまだ予断を許さない状況の中、スタッフさんの様々なケアやサポートのおかげでこうして迎えることができました。
お芝居としても主演である自分が一番徳田秋声になれていなくて、たくさん心配をかけてしまったように思います。
でも今は自信を持っています。カンパニーが一丸となって迎えることができた初日。
日々の稽古で積み重ねた一場一場全てが見どころです!ご来場いただけるお客様、そして配信で見ていただけるお客様の前でお芝居をできる喜びを噛み締めて千秋楽まで走り抜けたいと思います!
[太宰治役 平野良]
シーズン2とも言える本作、今までの世界観に新たな風を吹かせるキャスト陣に注目です。
稽古はあっという間で、今回もキャストスタッフみんなでああでもない、こうでもないって試行錯誤で臨みました。新章なのでどう受け止めてもらえるか不安がないと言ったら嘘になりますがみんなで作り上げた絆なのでぶつかるのみです。太宰が軸じゃない立場でどう立ち回るのか、バトンを上手く引き継げるのか
是非注目していただけたらと思います。そして遼太郎演じる秋声の軌跡を刮目せよ!!
[尾崎紅葉役 玉城裕規]
稽古を終えた時は不思議と本番のイメージが湧かなかったのですが、小屋入りして一気に来ました。
積み重ねてきたモノを大事に、今作でより歩みを進められるようにしたいです。
また、個人的には初めての武器なので、自身の武器をどう活かすかと、師匠で在る事という部分にこだわりました。
太宰のシーンも全て見どころだと思います! 笑
僕は今回からの参戦になるのですが、その瞬間とその時を自身の尾崎紅葉として大切に在りたいと思います。
皆様の日々の活力になるよう光を目指し挑みます。引き続き応援して頂けたら幸いです。
[泉鏡花役・山﨑晶吾]
ご来場ありがとうございます。2022年が始まり、年明け1つ目の作品でいいスタートになったなと思っています。
キャスト、スタッフ一丸となって限られた時間の中で何度も話し合い訂正し、
新しい舞台「文豪とアルケミスト」を丁寧に作り上げてきました。沢山のこだわりが詰まった作品になってます。
この作品を通じて信じる事の凄さを感じました。今の時代だと情報が多く凄く難しい事になってると思います。
この作品を見て下さった方々に何かしらの感情を持って帰ってもらえる様に精一杯役と作品に向き合います。
最後まで応援よろしくお願いします。
[佐藤春夫役・小南光司]
佐藤春夫をやらせて頂きます、小南光司です。
約3年ぶりに文劇に参加できるということでとても楽しみにしていました。
稽古を終えて、本番が始まるわけですが毎日新しい発見をしたり、新鮮な気持ちで全公演楽しみます!
大変な時期ではあるけれど、わざわざ足を運んで、時間を作って観に来て下さった方々に、
「観劇してよかった」と心から思って貰えるように最後まで精一杯生きたいと思います。
[国木田独歩役・斉藤秀翼]
無事に開幕を迎えられる事を心から嬉しく思います。
稽古では誰がどの段階でどう思って居るのか等、細かい部分まで絞り出して整理し、キャストや演出の吉谷さんと
ディスカッションをしながら作りました。前回出演時に比べ、台詞、殺陣共にボリュームが増していて、
解説、推理をしながらも物語の中でどう立ち回って何を大切にしているのか、見てもらえたらと思います。
また、この作品と共に時間を過ごすことを選んでいただき本当にありがとうございます。
文劇を通じて、お客様と共に素敵な時間を過ごせたらと思います。
[川端康成役・正木郁]
いよいよ2月3日から初日を迎えます。
新年1発目ということで、僕自身すごく楽しみにしておりました。
そしてそれ以上に、沢山の方がこの作品を心待ちにしてくださっているのだと感じ、嬉しい気持ちでいっぱいです。
稽古中も様々な事が起き、ギリギリまで調整をしておりますが、素敵な世界観をお届けできるかと思います。
個人的には、口数の少ない川端康成の存在感と、殺陣などを楽しんでいただけたらなと思っております。
皆様のご来場、ご観劇心よりお待ちしております。
[里見弴役・澤邊寧央]
久し振りの文アルの世界、また新たな気持ちで初日に挑めればと思います。
個人的に、最後主題歌が流れてる中で色々な想いを持った文豪、侵蝕者の皆さんが戦うシーンが
見どころの一つだと思うので注目して見ていただければと思います。
稽古中は、沢山の方にアドバイスをいただきながら里見弴という役柄を創りあげることができました。
皆様に素敵な世界をお届けできればと思います。
<Blu-ray&DVD発売決定>
2022年8月3日
本編の他にメイキング、キャスト座談会など収録。
<あらすじ>
文学作品を守るためにこの世に再び転生した文豪たち。
尾崎一門が奇跡的な再会を果たし、皆それぞれが懐かしさに浸る中、どこか戸惑いを隠せない様子の徳田秋声。
ある日、徳田の師である尾崎紅葉の作品『金色夜叉』が突如侵食される事態が起こる。
太宰治らの協力のもと無事作品に潜書し、侵食者にとどめを刺そうとするがーー。
<概要>
日程・会場
[東京]2022年2月3日(木)~13日(日) シアター1010
[大阪]2022年2月18日(金)~20日(日) 森ノ宮ピロティホール出演
<生配信決定>
東京・大阪千穐楽を含む5公演の生配信およびアーカイブ配信の実施決定!
対象公演:
2月5日(土) 13時、18時
2月13日(日) 13時 ※東京千秋楽
2月20日(日) 12時、16時30分 ※大阪千秋楽
配信チケットURL:http://dmm.com/4377
出演
徳田秋声:赤澤遼太郎、泉鏡花:山﨑晶吾、佐藤春夫:小南光司、国木田独歩:斉藤秀翼 川端康成:正木郁、里見弴:澤邊寧央
尾崎紅葉:玉城裕規
太宰治:平野良
仲田祥司、町田尚規、多田滉、山口渓、田中慶、田ノ中亮資、平澤佑樹、安久真修
スタッフ
原作:「文豪とアルケミスト」(DMM GAMES) 監修:DMM GAMES
世界観監修:イシイジロウ
脚本:なるせゆうせい(オフィスインベーダー) 演出:吉谷晃太朗
音楽:坂本英城(ノイジークローク)・tak
制作:ポリゴンマジック
主催:舞台「文豪とアルケミスト」製作委員会
公式ホームページ http://bunal-butai.com/
公式 Twitter @bunal_butai(https://twitter.com/bunal_butai)
© 2016 EXNOA LLC / 舞台「文豪とアルケミスト」製作委員会