舞台・美術・映像を作る団体ゆうめいの公演『あかあか』、4月下旬〜6月下旬にかけてクリエイション・上演。
今作は2020年3月に『ゆうめいの座標軸』再演レパートリーとしてこまばアゴラ劇場での上演を予定していた『あか』(コロナ禍による影響で延期)をリクリエイションし、新たに『あかあか』としての上演を計画。なお、前作『あか』は新宿眼科画廊 スペースOにて2018年に初演。
主催より
『あかあか』は作・演出の池田の祖父の絵画を展示し、池田の実の父を役者として起用し、本人役や祖父役、息子役、そして他者役へと入れ替わりながら三世代と別の世代が劇場で溶け合うような作品を展開していく予定です。
本人を演じることで生じるリアリティと、フィクション性を両立させ、再演では出演者と共に絵や目の前の事象から新たな表現を生むことを計画しています。父と子、母と子、そして血の繋がりのない人々という立場を表現する場において出会い、同時に劇空間へ存在させ、家族という蔓延する形式には、生命を繋ぐ或いは共同体として存在するための理由があるかと考えています。
その理由とはどういうものなのか、実際に存在をなし得ているものなのかということを追求していく創作を、別々の家族と他人の視点から行なっていく予定です。
作者が既に亡くなっている祖父の絵画から生存している父と子へ表現を繋ぐという個人的な話を、別の家族へと変化する表現によって伝染していく瞬間を表し、死から生へと向かう家族の話を別の家族が受け取ることによってどのような変化・反応が生まれるのか、そして別の家族が発したものが更なる赤の他人へと伝わっていくときに何が起きるのか何が変わらないのかを実験的に検証し続け、より自分を超える外の世界へと伝わっていく流れを観客へ紡いでいければと考えており、視野と共に想像力に付随する感覚を広くする体験を、客席に存在する初見の方々へ与えることができれば幸いです。
パブリックとプライベートによって浮かび上がる空間を、同じ時を過ごす観客と共有することによって「個人と家族と赤の他人」という関係性に於いて更なる想像を引き出し、表現が変化していく物語を描きます。5 月には神奈川県の川崎市アートセンターアルテリオ小劇場、6 月には三重文化会館小ホールにて本作を上演致します。 活動拠点であった東京だけでなく、4月の城崎での滞在制作期間を経て(本年度城崎でのアーティスト・イン・レジデンス・プログラム作品)、「ゆうめい」初のツアー公演。を経て、神奈川、そして三重と新たな場所で公演を行うことによって、作品的にも劇場や地域に合わせた サイトスペシフィックな作品としても変動し、実体験と表現のクロスを発表し続けることによって生まれる他者との交感と反発を繰り返し、常に現代における新たな視線を見つけることを目指します。
また、今作では、初演では無かった「音楽劇」の要素を演出上加えようと検討しております。
音楽制作は、池田の兄が所属するバンド『春日部組』に依頼しようと計画しております。
あらすじ
自由美術の先駆けと言われた20世紀の抽象画家、池田一末。自らの美意識を探究し続けた彼の絵は殆ど売れなかった。遺族からの価値も不透明で「肉親だから」という理由のみで保管されている数百点の作品群は、親族の死や老朽化が進む彼のアトリエの解体と共に処分される未来も視える。いずれ他者にとって不要となる。彼の遺品を整理する中、絵画が一度だけイスラエルの地で売れた記録があった。絵画の行方とその意味を探り、実の遺族である子(芸名:五島ケンノ介 本名:池田 靖)と孫(池田 亮)が出演する、死から生へ、三世代のドキュメンタリーから他者へと紡がれる舞台作品。
作・演出:池田 亮より
アトリエのある祖父母の家は老朽化が進み、取り壊した後に大量の絵を保管するため別に倉庫を借りるにせよ結構なお金が掛かるため「処分」という言葉が親族間に浮かび始めている最近です。そんな「(不)必要」に揺れる出来事を軸として、今作は2020年にコロナ禍での影響によって中止なった『あか』をパワーアップして『あかあか』としてお届けします。今までのゆうめい作品を成立させてくれた方々と、新たなキャスト・スタッフの皆様と共に作り上げます。ゆうめい初のツアー公演、神奈川そして三重の劇場へ是非ともお越しください。
プロフィール(池田 亮)
脚本家・演出家。1992年埼玉県出身。東京藝術大学大学院美術研究科彫刻専攻卒業。舞台・美術・映像を作る団体「ゆうめい」代表。舞台作品『姿』(19年・21年)がTV Bros.ステージ・オブ・ザ・イヤー2019、テアトロ2019年舞台ベストワンに選出し2021年芸劇eyes・東京芸術劇場にて再演。近年ではNHK Eテレ『天才てれびくん』ドラマパート脚本、TVアニメ『ウマ娘』一期・二期脚本、バンド「ズーカラデル」『ノエル』Music Video脚本、QJWebやpaperCでのコラムも手掛け、ノンジャンルでの創作の多面性を解析しながら活動している。
[出演]
五島ケンノ介
池田 亮
田中祐希
深井順子(FUKAIPRODUCE羽衣)
北村まりこ(柿喰う客)
佐野 剛(江古田のガールズ)
黒澤多生(青年団)
山中志歩(青年団)
古賀友樹
概要
日程・会場:
[滞在制作・試演会]
2022年4月25日(月)~5月1日(日) 城崎アートセンター
[川崎公演]
5月28日(土) 〜 6月5日(日) 川崎市アートセンター アルテリオ小劇場
[三重公演]
6月18日(土)~6月19日(日) 三重文化会館ホール
スタッフ
作・演出:池田 亮
絵画制作:池田一末
舞台美術・衣裳:山本貴愛
音響:今里 愛(Sugar Sound)
舞台監督:竹井祐樹(StageDoctorCo.Ltd.)
音楽:春日部組
宣伝美術:りょこ
運営協力:梅田芸術劇場
宣伝:吉田プロモーション
企画・製作・主催:ゆうめい
公演HP:https://www.yu-mei.com/aka_aka
団体HP:https://www.yu-mei.com
ツイッター:https://twitter.com/y__u__m__e__i
公演に関する問い合わせ
梅田芸術劇場(10時~18時) 0570-077-039